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仕事のはなし

公認会計士試験合格者へ伝えたい3つのこと / 合格者へのリレーメッセージ

今回の記事は、 てりたまさん(玉井照久先生)が企画された公認会計士試験合格者の皆さんへのリレーメッセージの第34走者としてバトンを受け継いだものです。





合格発表の翌日の11月16日から12月30日までの45日間、45人の公認会計士が合格者の皆様にメッセージを送っています(上のリンク先から閲覧できます)。このような企画を立案された てりたまさんには敬意を評します。また、この企画にお声がけ頂いたことに感謝申し上げます。



本年度の論文式試験に合格された皆様、合格おめでとうございます。

合格者へのメッセージということで、私が監査法人入所1〜2年目に学んだことを、3点に絞って書きたいと思います。これから監査法人等で働く皆様のご参考になれば。



■ ビジネスは「謙虚さ」が一番大事

私は合格したのは大学を卒業してから3年後でした。25歳で社会人デビュー。遅れを取り戻したいと、当時最も忙しいと言われていたKPMG(現 あずさ監査法人)東京事務所国際部に入所しました。

配属初日のことは忘れられません。国際部に配属された約30名の新人が座る会議室に人事担当のSパートナーが現れたかと思うと、「おめーら! おめでとうって言ってやるよ!」と大声で怒鳴り始めたのです。「恐ろしい所に来たもんだ…」と思いました。

そのSパートナーが、続けてこんなことも言ったのです。「おめーら! 公認会計士試験に合格しても、この組織の中ではピラミッドの最底辺の人間ってことを忘れんじゃねーぞ! 謙虚さを忘れんじゃねー!」と。

この時、私は、ガツーンと頭を叩かれたような気分になりました。合格発表後、入所・配属までの期間、「俺は会計士試験に受かったんだ!」「会計士の仲間入りだ!」と、若干浮かれていたところもありました。そこに「最底辺の人間ってことを忘れんな」「謙虚さを忘れんな」と言われ、目が覚めました。

あの日から20年以上が経ちましたが、今でも「謙虚さを忘れんじゃねー!」というSパートナーの言葉を忘れることはありません。ビジネスで最も大切なことは「信頼」であり、そのためには「謙虚」でなければなりません。会計士だからといって横柄な態度を出せば、一瞬で信頼を失います。失った信頼を取り戻すことはほぼ不可能です。特に独立すると、クライアントから信頼を失うということは、即収入を失うということに繋がります。普段から信頼獲得・信頼維持に務めることです。



■ 会いたい人に会いに行くことが最大の自己投資

社会人になるのが遅かったため、「人が10年かかって到達する所へ5年で行こう」と、入所直後から夜中も休日も働き続けました。1年目から残業時間が多すぎ、人事担当パートナーから呼び出され、「働きすぎだから、担当する仕事を減らせ!」を言われたこともありました。しかし、パートナーを説得し、働き続けました。国内上場企業の監査のみならず、米国・EU企業の監査や、独立行政法人・特殊法人の監査を行ったり、さらにはKPMGのグループ会社でコンサルティングをさせて頂いたりと、幅広い業務を経験することができました。1年目からは異例のインチャージに抜擢されたことも、いい経験となりました(大変でしたけどね)。

1年目からここまで幅広い仕事ができたのは、「この人と仕事がしたい!」と思った上司・先輩がいたら、とことん懐に入り込んでいったからです。

上司や仕事は「ガチャ」かもしれません。組織で働く限りは、イヤな上司に当たったり、イヤな仕事を振られたりすることは必ずあります。しかし、尊敬できる上司や先輩も必ずいます。私もKPMG国際部の中で、大尊敬の上司・先輩が数名いました。そのような方々には、遠慮なく話しかけ、甘え、食事に連れて行ってもらい、仲良くなり、最後には「一緒に仕事をしよう」と言ってもらえるようになり、実際にそのような方々から抱えきれないくらいの仕事を振って頂きました。そのような尊敬できる方々と一緒に仕事をすることが、会計士としても人間としても自らを成長させてくれます。

監査法人を退職してからも、「会いたい人が地球上にいるならどこへでも会いに行く」ことにしています。それが最大の自己投資だと思っています。



■ 最初の2年で高いところまで登りつめること

これまで多くの尊敬できる公認会計士の諸先輩方と仕事をさせて頂きましたが、私にとって監査法人1年目にKマネージャーと仕事をさせて頂いたことが、最も私を成長させてくれたと思います。

このKマネージャーも、事務所で私から話しかけ、仕事を振って頂きました。入所して間もない時に、Kマネージャーは私にこんなことを言ってくれました。

「武田くん、会計士としてあと40年、50年と働くことになると思うけど、どういう成長曲線を描くと思う?」と。

私は答えられませんでした。

すると、Kマネージャーは、こんなことを言ってくれました。

「1年目と2年目に急激な成長を遂げて、3年目以降はなだらかな右肩上がりとなるんだよ。ほとんどの人がそうだ。だから、これから2年間の間に、どれだけ高い場所まで行けるかが勝負なんだよ。そこで付けた差は、30年後も40年後も埋まらないはずだよ」と。

私の会計士としての人生を振り返ると、Kマネージャーがおっしゃってくれた通りだと思います。どんな仕事を振られても、与えられた仕事を極める。上司の仕事を奪い取ってでも、仕事を早く覚える。監査法人から享受できるものは全て享受する。社内外で顔を売る。そしてまた新しい仕事を振ってもらう。そうやって1〜2年目に高い場所まで登りつめたような気がします。ファストキャリア、特に最初に2年が大切です。



私はこれまで、監査法人勤務、事業会社勤務を経て、コンサル会社を立ち上げ、さらに個人事務所として再独立し、独立後は決算早期化などのコンサルティングを中心に幅広い仕事をしてきました。そして、コロナ禍でセミリタイアし、沖縄に移住しました。会計士試験に合格したばかりの頃は、このような人生・キャリアになるとは全く思いませんでした。沖縄移住どころか、独立することすら考えたこともありませんでした。しかし、目の前の与えられた仕事をコツコツとやっていくことにより、それなりに成長し、「天職」が見つかり、振り返れば道が出来ていた、という感じです。

合格されたばかりの皆様は、まだ先のことは何も分からないと思いますが、それでいいと思います。逆に今の時点でキャリアを決めてしまわない方がいいと思います。「謙虚さ」を忘れず、自己投資を怠らず、与えられた仕事をコツコツこなすことが、成長と成功への近道です。



なお、公認会計士のキャリア形成については、公認会計士平林亮子さんと共著で書いた以下の本にも書いていますので、興味があれば手に取ってみてください。


公認会計士 「試験」「仕事」「キャリア」のすべてがわかる本
武田雄治、平林亮子
日本実業出版社
2023-11-17




まだお伝えしたいことはありますが、長文になってしまいましたので、これくらいにしておきます。質問・感想などあれば、ご連絡ください。

改めまして、合格者の皆様、この度はおめでとうございます。同じ会計士として、この素晴らしい業界を共に活気のあるものにしていきましょう。
#公認会計士論文式試験合格おめでとう

紙を置くのはトイレだけでいい、オフィスから紙を無くせ。

okinawa


これまで何度か書いてきたが、コロナを機に仕事も手放した2020年、初めてクライアントがゼロになった(当然売上もゼロになった)。まぁいいやぁ〜、もう仕事やめよう〜、と思って2年くらい放浪していた。

しかし、一昨年からちょこちょことコンサルの問い合わせを頂くようになった。しかも、結構大きな規模のものを。相見積りを取るところは全て断り、私を指名してくれるところとのみ契約させて頂いた。

コロナ前と違うのは、非対面(オンライン)でプロジェクトができることだ。契約してから一度もお会いしたことがない方もいる。なので、沖縄に住んでいて何ら不自由をしたことはない。

先日、上場支援をしている東京都内のクライアントの経理部長から連絡があった。「一度来社して、経理部の現状を見て頂き、改善のアドバイスをもらえませんか」と。経理部長は公認会計士有資格者でもある。「現場に問題あり」とおっしゃりたいのだろう。断る理由もないし、上京する予定もあったので、今日ご訪問させて頂き、ワークスペースを初めて入らせて頂いた。いつもZoomの画面越しでしか見たことがなかった経理部員の皆様とようやくお会いすることができた。

ワークスペースに入って2〜3分で問題点が分かった。管理部門の人数が異常に多い。紙が異常に多い。上場前のベンチャー企業としては異常な数。大量に積み上がった書類も見せてもらったが、昭和時代の中小企業の如く、全ての紙に複数名の担当者のハンコが押されている。こんなの、久しぶりに見た。システムに入力した伝票を、わざわざ紙で出力し、紙にハンコを押し、紙で保存するのはなぜなのか? システム上で承認すればいいじゃないか? 

たまたま社長がいたので、初めて挨拶させてもらった。そして、オブラートに包まず伝えた。「紙とハンコが業務の効率化を阻害してます。やってることが細かすぎです。上場前でやることは山ほどあると思いますが、決算早期化とか、内部統制構築とか、システム入れ替えとか、色んなプロジェクトをやる前に、社内から紙とハンコを無くしたらどうですか?」と。社長の反応は鈍かった。「こんな状況でシステム投資をしたら現場がますます混乱しますよ」とも伝えたが、多分伝わってない。

上場企業においても、経理部門から紙とハンコが全くないというところもある。コピー機すらないというところもある。フリーアドレスを採用し、固定席すらないところもある。それでも有報・短信は作れるし、監査対応もできる。固定席に膨大な書類が積み上がっている時点で古めかしさを感じる。

今日訪問したクライアントも、紙をなくせば、管理コストは大幅に削減できるのではないだろうか。それが結果として、業務効率化にも繋がり、決算早期化にも繋がるはず。このクライアントに限らず、あらゆる管理部門から紙とハンコを全廃すべきだ。もう21世紀だ。令和だ。紙を置くのはトイレだけでいい。

ちなみに、私の自宅(兼オフィス)も、数年前から紙もコピー機もFAXもない。スマホでスキャンできるのでScanSpapも捨てた。完全ペーパレスでやっているが、困ったことは一度もない。そんなこんなで、アスクルのIDを持っているが、この数年注文をしたことがない。必要なものが何もない。

拙著『社長の本分』や、その他の論稿でも述べてきたが、これからの企業経営に必要なのは、DXだけでなく、CX(Corporate Transformation、会社を根こそぎ変えること)や、BX(Back-Office Transformation、バックオフィスを根こそぎ変えること)、PX(Personal Transformation、人の価値観・多様性に変革を起こすこと)であると思う。経営者自らが変化の原動力とならなければ、優秀な人材から抜けていくことになるのではないだろうか。


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東京都内のクライアントを後にして、横浜へ移動した。
週末は横浜でセミナーがあるため、みなとみらいで前泊。

沖縄→東京→横浜と、今日も激しい移動距離だったが、充実した1日だった。


yokohama

1年で最も酷な仕事

プロネクサス_決算早期化セミナー


1週間ぶりの東京。
プロネクサス主催 決算早期化セミナー(オンデマンドセミナー)の収録。
10年以上前からやっているセミナーだが、毎回アンケート結果が好評らしく、アンコール開催をすること21回目、今回で22回目の開催となる。ホントにありがたいこと。

ただ、スタッフもいない完全無人の部屋で、天井からぶら下がったカメラに向かって、4時間も喋り続けるというのは、めちゃくちゃ疲れる…。ボケても笑いがない。私が笑っても反応がない。1年で最も酷な仕事だ。相当な根性と、開き直りと、センスと、自己愛がなければ乗り越えられん。毎回、プロネクサスの収録後はクタクタで、ぶっ倒れそうになる。

オンラインセミナー、オンデマンドセミナーは受講者数が数倍になるので、多くの方に受講して頂けるという大きなメリットはあるものの、(個人情報は講師に開示されないため)私は受講者の名前も顔も分からぬまま。

早く対面セミナー(もしくはハイブリッド型セミナー)に戻して欲しい。受講者と「対話」がしたい。

ちなみに、今回収録のセミナーは、2022年10月3日(月)から配信される予定。詳細・申込はこちら


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東京駅


夜は、東京駅へ。
クライアントの経理部長さんと定期的なお食事会。

部長と出会ってから10年近くになると思うが、今でも経理の最先端の情報を教えて頂けることは本当に幸せだと感じる。今日も、監査対応、システム対応、経理部内の人材育成、非財務情報開示の対応などの話を聞かせて頂いた。いまの私の関心事の一つは非財務情報開示(サステナビリティ開示)。その実務対応の片鱗だけでも聞けたことは、私にとって大きな意味がある。

会社も経理も「生き物」であり、常に動き続け、変わり続ける。そこにどうやって対応していくかを考えることもリーダーの大きな仕事のひとつだと思う。サステナビリティ開示なんて、誰もやったことがないし、誰も準備してなかったと思うが、それでも多くの上場企業が瞬時に対応している。キャッチアップしなければ、振り落とされる。振り落とされたら、奈落の底まで落ちていく。「会計ビッグバン」なんて言ってた頃が懐かしいが、いまはそれ以上の変化が起こっているのではないか。国や制度が付いてきてない事幸いに四半期ごとに同じような書類を作っているだけの経理が多いが、「経理の本分」はそこではない。

投資家や経営者や社会からの要求が変わってきた中で、経理が変わらなければならないと思う。稲盛和夫さんが『実学』で言っているように、会計は「現代経営の中枢」をなすものなのだ。中枢部門が外部環境に付いていかないのは、DXを掲げながら紙とハンコを無くせないお役所仕事と同じこと。経理を変え、会社を変え、社長を変える、という我が理念をこれからも伝え続けたいと思う。


過門香



YouTubeで「終わりの会」を再開しました。またボチボチ更新していきます。

タッチケア

Hug


最近ご縁があって数名の起業家のコンサルティングを行っている。

長年医療に従事をしていた女性が、「タッチケア」に関するビジネスシナリオを描いており、その内容にとても共感している。「タッチケア」とは、赤ちゃんを見つめ、触れ、撫で、語りかけること。「タッチケア」をすることにより、親子の結びつきを強め、赤ちゃんの発達を促すことができる。また、赤ちゃんの情緒が安定し、ストレスホルモンが減少するともいわれている。

本来、この「タッチケア」の対象は赤ちゃんであるが、赤ちゃんに限る必要はない。いま、人と人が触れ合うことがなさすぎる。親子、夫婦、恋人、友達など、誰かの肌に最近触れただろうか。この女性経営者曰く、人との触れ合いが少なすぎることが(我が国で特に多い)ストレス、鬱、孤独、自殺、認知症などの病気の原因の一つになっているだろうという。私もそう思う。

実際に肌に触れなくてもいいのだ。会社の同僚や街中を歩く人の肌に触れたら、捕まるかもしれない。ただ、海外で仲の良い人同士が握手やハグをするように、スキンシップを取ることは大切なことだと思う。私のHPの写真を撮ってくれているカメラマンの石田さんは、「ハグフォト」(商標登録済)というイベントを定期開催している。家族、親子、大切な人と笑顔でハグしている写真をプロのカメラマンが撮影するというイベントだが、これが好評らしい。大切な人に感謝を伝えることもない人達が、(イベント上とはいえ)ハグをして、肌に触れ、撫でるだけで、不思議と気持ちが相手に伝わるのだ。険悪な関係が氷解することもあるだろうし、その体験により相手への理解や愛が深まることもあるだろう。そして自分自身の幸福度が上がる。触れることには、人間関係を変える効果があるのだ。

70万部超えのベストセラーとなった『スマホ脳』の著者による最新作『ストレス脳』という本に面白いことが書いてあった。チンパンジーやゴリラは、起きている時間の20%を、お互いのグルーミング(毛づくろい)をして過ごしている。このグルーミングは、毛や身体を清潔に保つために行うと言われているが、それだけであれば起きてる時間の5分の1も費やすことの説明がつかない。実は、このグルーミングによってエンドルフィンが放出され、お互いの親密な関係を生み出しているのだ。さらに、群れの中で色々な仲間の毛づくろいをすることで、群れ全体のまとまりが保たれるという。ヒトは、チンパンジーやボノボと同じ属の「第三のチンパンジー」であるため、ヒトにもグルーミングの効果はあるはずだ。ちなみに、この効果は、肌に触れることで起こり、画面越しでは起こらない。オンラインでエンドルフィンが放出されることはないだろうし、ストレス、孤独、鬱が解消されることもないだろう(逆に私はストレスでしかない)。

話を戻すと、上述の女性経営者が事業化しようとしている「タッチケア」は、いまの社会に求められていることだと感じるし、あらゆる社会的問題を根本から解決する大きなビジネスになるような気がする。キチンとシナリオを描いて、ビジネスモデルを組み立て、収益化するまで支えたいと思う。


ストレス脳(新潮新書)
アンデシュ・ハンセン
新潮社
2022-07-19


(※ 冒頭の画像はネットから拝借した)

エンジェル投資

wework


先日、某WeWorkに入居するベンチャー企業を訪問した。

先月ホーチミンでお会いした会計士の友達から、「私が個人でエンジェル投資した大阪のスタートアップ企業が、会計士業界で影響力がある人を探しているので、是非繋がせてください」という連絡を頂いた。ビジネスの世界も「縁尋機妙 多逢聖因」だと思うので、直ぐに会いに行った。

私より一回りくらい若そうな役員2名と面談させて頂き、事業内容や事業モデルなどを聞かせて頂いた。経理業務を効率化させる面白い事業モデルだと思った。

ただ単にスタートアップ企業やIPO準備企業にアドバイスを求められるだけであれば、私のような外野席の人間がアレコレ物申すことはない。「いいですねー。お役に立てることがあれば連絡くださいね。」で終わっただろう。

今回は、先方から「投資をして欲しい」と言われたので、私も言いたいことを言わせてもらった。今の事業モデルでは頭打ちがくること、ターゲティングを見直した方がいいこと、Plan Bを考えた方がいいこと、私に事業参画させて頂けるのであればノウハウを全て提供すること、そうすればビジネスモデルのイノベーションが起こせることなどなど。

初対面でここまで言うヤツはおらんだろうけど、嫌われたら嫌われたで構わない。それもご縁だ。

だが、両氏とも目から鱗が落ちたような顔をされていた。

後日、具体的な金額と共に、投資と事業参画をして欲しい旨の連絡を頂いた。会議室で話をしただけではお互いのことは何も分からないので、「とりあえず飲みに行こう」と返事した。昭和のオッサンと思われてるかもしれないが、これが私の流儀だ。パワポに書かれた事業の成長可能性や、IPOの可能性なんて、はっきり言ってどうでもいい。投資先の経営者を応援したいかどうかの方が1億倍大事だと思う。なんせ、鱗が落ちた目しか見ていないのだ。まず、マスクを外して素で語り合おう。そして、ビジネスを語り合おう。

ゲラ

ゲラ


帰国したら、次の本の再校ゲラが届いていた。
ラストスパート、頑張るか。
1週間でチェックを終わらせる。

今回のゲラのチェックをもって、チェック終了予定。
早ければ7月中には書店に並ぶかなぁ。

書き始めてから1年かかったなぁ。
長かった。
けど、納得できる作品ができたぞー。

出版記念イベントも、そろそろ企画しないとねー。

その次の本の執筆も開始。
また時間かかると思うけど、いいものを作っていこうと思う。

和歌山出張

和歌山駅

今日は和歌山で仕事。
ある国会議員さんの「政治資金監査」を担当させて頂いて15年になる。15年も継続してお付き合いしているお客様は、この和歌山の議員さんの事務所だけ。ずっと信頼して依頼して頂き、ただただ感謝。

手続の大半はリモート対応で済ませたので、訪問1日で監査終了。
異常なし。
No exception.

「また来年もよろしくお願い致します」と言って頂けることも、ただただ感謝。
来年は沖縄から来ますよ。

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以前から和歌山に来たら行きたいと思っていた「フライヤ」という老舗洋食屋に、ようやく行くことができた。

見よ、このタン!

フライヤ_タンシチュー


口の中でトロトロ〜にとろけるタンシチュー。

最高っ!


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そして、夜はYouTube Live !
今日もライブで観てくれた皆様、コメントくれた皆様、感謝です!
頂いたコメントを参考に、「出版記念イベント」を考えてみます。色々制約もあるので、全ては出来ないと思いますが、できるだけ読者の方との接触の場を作りたいと考えています。

YouTube Live のアーカイブをしばらく残しておきますので、見逃した方はお時間有る時にでもご覧くださいませ。


▼閲覧は画像をクリックしてください
youtube_live_出版



次回のYouTube Live !は、

6月24日(金)20:00〜

の予定です。

マインドセット

heaven_hell


先日、平松ゼミの同期で、大手監査法人でパートナーをしているK君から、連絡が来た。「クライアントの経理の方が、決算早期化について武田先生に話を聞きたいとおっしゃっているが、お引き合わせしてもよいか?」という内容だった。拒む理由がない。是非是非。即OK!

今日、その会社を訪れた。

この2年、打ち合わせはほぼ全てオンラインだったので、企業に訪問するということがなかった。スーツを着て、ネクタイを締めて、革靴を履いて、上場企業を訪問するのも2年ぶりじゃないだろうか。

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売上高が兆を超える巨大企業。門衛さんに許可を取って会社に入るという行為に懐かしさを感じた。

お問い合わせを頂いた方は若い課長さんだった。先月登壇したラクス社主催するイベント『経理プラスサミット2022』を聴講してくれ、「これだ!」と思ってくれたらしい(そういうのは素直に嬉しい)。

『経理プラスサミット2022』は、経理部を進化させ「真の経理部」を作るにはどうしたらいいのかということを述べた講演だったのだが、講演内容がこの会社の経理部の問題点・課題とドンピシャだったらしい。

しかし、上層部は旧態依然とした思考の人が多いし、社長も技術部門上がりの人でバックオフィスの重要性を認識していない。そのような組織なので、部下も与えられた業務をこなすだけで、社長や経営陣に対して価値ある情報を提供しようという発想はない。中途で入った課長は、入社した時から「これじゃアカンやろ…」と思っていたらしい。より詳しい話を聴いて、私も「それじゃアカンやろ…」と思った。会社の規模と経理の質は比例しない。

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『経理プラスサミット2022』の講演において、企業に変革をもたらすDX(Digital Transformation)が必要だと叫ばれているが、DXよりもCX(Corporate Transformation)、CXよりもBX(Back-office Transformation)が必要である、という話もした(この話は、今書いている原稿でも述べているので、発売をお待ちください)。

上場企業の社長であっても、経理部を含むバックオフィスへの変革(Transformation)を渋る人が多い。特に営業部門・技術部門あがりの社長は、バックオフィスの重要性をまったく理解していないことがある。バックオフィスの変革には1円たりとも投資しないというスタンスの社長も少なくない。変革への投資どころか、経理業務・決算業務に必要不可欠なシステム投資、人材採用、教育投資、備品購入なども徹底して渋る社長すらいる。経理部への必要な投資を渋り続けたことにより、「昭和の経理部」が社内に取り残され、経理部から正しい情報、価値がある情報をタイムリーに発信できないばかりか、経理部が事業運営の足を引っ張っているケースもある。

「昭和の経理部」に優秀な人材が残ることはない。優秀な人材が抜け、また人材を補充し、また優秀な人材が抜け…と、人が定着しない状況に陥り、経理部が更に劣化するのだが、根本的な原因が「昭和の経理部」にあることを上層部は気付かない。

私は、独立して以来、「経理を変えれば会社は変わる」を経営理念として掲げているが、経理を変えるのは誰かといえば、社長なのだ。社長のマインドセットをしなければ、経理部が進化することはない(よほど優秀なスーパー経理部長がいれば別だけど)。

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ということで、今日は、課長さんから色々と現状をお聞かせ頂いたが、上層部の方も含めたバックオフィス全体のマインドセットをやっていきましょう、というご提案をさせて頂いた。課長さんのチカラだけでどうにもならないようなら、私をうまく使ってください。

日本中の上場企業の経理部を「真の経理部」に進化させることが、私のミッションですから。

クソどうでもいい仕事

skymark

大阪に戻る。
沖縄にはゴールドジムがないので、まずはジムに行き、筋トレ。

あとは、たまった「TO DO」を一気にこなす。

独立し、どこにも属さずに、人も雇わずに、一人で仕事をするようになって10年。24時間自由に過ごすことができるが、なんでもやらねばならない。メール、Zoom、来客、決算、請求、入金確認、振込、納税、チケット手配、買い出し、掃除、ゴミ捨て・・・なんでも来い!

とはいえ、そういった業務をいかに手放すかを常に考えなければ、時間がある限り雑務が膨れ上がる。やるべきでないことを効率的にやることを考えるのではなく、「手放す」「捨てる」「やらない」「開き直る」ってことをやらないと、とてもじゃないが一人で膨大な仕事をこなすことはできん。

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先日の『春秋』、非常に良い内容だった(是非ご一読を)。

220203_クソどうでもいい仕事
([出処]日経新聞(2022/2/3)より)

「ブルシット・ジョブ」(Bullshit Jobs)を、「クソどうでもいい仕事」と翻訳した方のセンスは見事。『ブルシット・ジョブ ―クソどうでもいい仕事の理論』(岩波書店、2020年)がベストセラーになった要因は、翻訳が9割じゃないか。本書は、仕事の中身が空虚で、仕事をする本人も意義や意味を感じられない「クソどうでもいい仕事」が世の中に溢れており、このような「クソ仕事」の際限のない増殖が社会に深刻な「精神的暴力」を加えて、働く人々から喜びを取り上げ、時には脳に損傷を起こすほどのダメージを与えると述べている。

昭和時代の人は、若い間に「クソ仕事」といわれるような仕事もこなしてきただろうし、今を犠牲にしてでも働き続ければ成功(昇進など)は後からついてきた。しかし、今は違う。上の『春秋』に書いているとおり、(クソ仕事は)「しない方がいいと思います」

私自身は、働くということをやめるつもりはないし、いま流行りのFIREにもミニマリストにも全く興味はないし、年中旅をするような生活にも全く惹かれないが、カネのために働いたり、誰にも感謝されない仕事をしたりする勤勉誠実な労働者になるつもりはない。

「労働とは本来『生産』ではなく『ケア』だ」というのは、なるほどなぁ〜と思った。世のため、人のために自分ができることをし、感謝されることが、最大の報酬であり、それが働きがい・生きがいだと私は思う。

どこかで読んだ本によると、人が死ぬ前に後悔することの1位は「働きすぎなければ良かった」ということらしい。そういう後悔だけはしたくない。仕事も断捨離をしなければならないと思う。ちなみに、人が死ぬ前に後悔することの2位は「自分が本当にやりたい事をやらなかったこと」、3位は「他人の目を気にし過ぎたこと」だった。クソどうでもいい人生にならぬよう、全部捨てていこう。他人の目など気にせず、大切なことだけを大切にしていこう。



ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論
デヴィッド グレーバー
岩波書店
2020-12-24

丹波黒豆パウンドケーキが届く

パウンドケーキ

この前泊まったホテルから宅急便が届いた。

「なんやろ??」と思ったら、手紙と共に、あの「京大和」で炊き上げられた丹波黒豆を使用したという有名なパウンドケーキが入っていた。うわぁ〜、びっくり。

チェックアウトの際に、私がちょっと面倒なお願いをしたのが原因ではあるのだが、フロントの担当者が領収書を書き損じてしまったらしい。私としては、どうでもいい書き損じなのだが、ホテル側の経理処理の関係上、領収書を再発行しなければならないと。

「大変ご迷惑をおかけして申し訳ございません」云々という長い文章と共に、返信用封筒と、立派な箱に入ったパウンドケーキが送られてきた。

そこまでするか。

ホテル側は、宅急便の追跡までしていたらしい。私が自宅を不在にし、再配達を依頼したことを知ったホテルのマネージャーから、「重ねてのお詫びの言葉となり大変恐縮ではございますが…」云々というお詫びのメールまで届いた。

見習うべきだ。こういうの。

ここまでされたら、ファンになるやろ。また泊まりに行くやろ。ロイヤルカスタマーになるやろ。1泊でウン十万落とすやろ。

黒字社長塾のクライアントの社長にも言ったことがある。直筆のハガキ1枚でいいから、お客様に送ったら、営業が不要になるかもしれませんよ、と。



パウンドケーキ


賞味期限が迫っていたので、すぐ食べた。当然に美味しい。

これまで何度かこのブログで書いたことがあるが、私がビジネスをする上で、常に心がけていることがある。私の中で、「プラス1%の法則」と名付けているのだが、どんな仕事であれ、依頼主からの「期待を超える」ということを守るようにしている。お客様の期待値のプラス1%のことをやると「ありがとう」と言われるお客様の期待値のマイナス1%で済ませると信頼を失う。でも、プラスマイナス1%の努力の差は、能力の問題ではなく、単なる気持ちの問題。気の緩みが全てを失う。

信頼を失うのは一瞬。そして、信頼回復は信頼維持より10倍苦労する。だから、普段から信頼を得るためにプラス1%をやり続けことが、誰にとっても happy なことであり、これが「商売の原点」だと思っている。

これについては、YouTubeでも述べているので、興味があればご覧下さいませ(7分26秒)。



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2022年1回目のYouTube Liveは、

1月 22日(土)20:00〜 の予定です。

今回のテーマは、『資産形成術』
このテーマに関する事前質問がある方は、何らかの方法でご連絡ください。


資産形成

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決算早期化実務マニュアル3
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公認会計士


セミナー開催情報
■プロネクサス主催
2025/4/1〜5/30
オンデマンド配信
『経理部に配属された方が「はじめに」受ける講座』

●満員御礼のセミナー、公募していないセミナーは掲載しておりません。
●武田雄治へのセミナー・講演・研修の依頼は、武田公認会計士事務所HPよりお願いします。
プロフィール
公認会計士 武田雄治


●武田公認会計士事務所 代表
●関西学院大学 非常勤講師

武田雄治


■武田雄治本人によるコンサルティング、セミナー、執筆、取材等のご依頼は、武田公認会計士事務所のHPよりお願いします。
■業者様からの営業はお断りしております
■ブログのコメント欄に、コンサルティング等のご依頼や、個別案件についてのご質問・お問い合わせ等を書かれても、回答出来ませんのでご了承ください。

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