公認会計士武田雄治のブログ

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起業のはなし

起業するということ(2)

続き


先週、「起業するということ」というエントリーをしましたが、そこで、「起業するために必要なことを考えると、商売のタネを見付けて、バカげるほどの情熱を持って行動できるかどうか」と書きました。

この「商売のタネ」の見付け方として、参考にして欲しい記事がこちら。

少し前ですが、5月6日の日経新聞朝刊。
日本M&Aセンターの分林会長のインタビュー記事です。

日本M&Aセンター


分林会長が日本M&Aセンターを設立する時、「M&Aの経験がなく、契約書を目にしたこともなかった」というのです。

これは、ちょっと衝撃でした。

M&Aの経験がなく、M&Aの契約書を目にしたこともないのに、M&Aの仲介をビジネスにするのですよ!?

分林会長はもともと外資系コンピューター会社の営業マン。顧客が事業承継問題を抱えているのを目の当たりにし、「救いの手を差し伸べて社会問題を解決したい」と思い、日本M&Aセンターを設立したようです。

「商売のタネ」の見付け方って、コレなんですよね。


ある本を読んで知ったのですが、「QBハウス」の創業者小西國義氏も、もともと理髪店をやっていたわけではなく、医療機器の営業マン。仕事柄、身なりに気を配り、月2回理髪店に通っていたけど、忙しい中待たされたうえに、調髪の時間が長いことに不満を持っていたようです。そこで、短時間で髪を切ることが顧客価値であると考え、「QBハウス」を立ち上げたようです。


つまり、

起業というのは、知識・経験・能力は一切不要! ということです。

顧客価値を高めることができるような「商売のタネ」を見付け、決断、実行することが、起業や新規事業立ち上げに必要なことだと思います。



起業するということ

先日、ビジネスパートナーと一緒に西麻布で食事をしたので、その後、なんとなく近くの某高級ホテルのバーへ行ったのです。

店に入ると、懐かしい匂いがしてきました。

シガー(葉巻)が売ってるのです。

周りを見渡すと、生のJAZZ演奏を聴きながら、何人かがシガーを吸ってました。シガーバーとしても有名な店です。

グランドハイアット


私は以前、シガー販売の事業をやっていたことがあります。海外から仕入れたシガーをシガーバーなどに卸していたのです。このホテルにも。私はタバコもシガーも未だに一度も吸ったことがありませんが、シガーの銘柄は結構覚えています。メニューを見ると、知っている銘柄がたくさん載っていました。

ソファーに深く腰を掛けると10年ほど前のことが走馬灯のように蘇りました。



東京で下積みし、関西で独立した時に、起業家が余りにも少ない現実に、なんとなく「関西で起業家をもっと生み出さなければ!」と思ったのです。今も起業家支援をやってますが、そのきっかけは独立時のこのなんとなくの想いなのです。

ただ、公認会計士が偉そうに起業家支援とか起業家育成とかやっても、誰がそんな人間の話を聞きますねん。だから、起業家支援なんて偉そうな事をやる前に、自らが起業家になって成功しよう、と思ったのです。

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でも手元にカネはない。
当時はネットバブル時代。
だから、ネット事業を立ち上げよう。
素人が1つのサイトで月100万円稼ぐのは難しいかもしれないから、月5万円稼げるサイトを20個作ろう。
月5万円なら、オークションでも稼げるだろう。
素人がネットで月100万円稼いでいるといえば、大人しい学生でも、「よっしゃ、なら俺もやるぜ!」ってなってくれるかもしれん。
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そんな感じで、20個くらいサイトを作ったような気がします。
ドロップシッピングなんてものが流行りはじめた時は、そのサイトも何個か作りました。
1つを除き、全く儲かりませんでした。でも、いいんです。今でもそれは財産ですから。
唯一儲かったのが、シガーのネット販売だったのです。これが儲かったという事実も、私には貴重な財産となりました。

周りからは、「会計士がなんで葉巻やねん!」とツッコミが入ります。
会計事務所にバカでかいヒュミドール(葉巻を保管するワインセラーみたいなもの)がありましたからね。
節操無い人間にしか見えなかったでしょうね。
でも私は信念を持ってやってました。

次第にネットからリアルへと商売が拡大し、シガーをリアルの店舗に卸すことになったのです。
全国のシガーバーのリストをかき集め、全店に電話させ、営業担当の人間を30連泊以上の出張に行かせ、全国のシガーバーから契約を取ってきたのです。そしたら、こういう高級ホテルのバーからも受注がくるようになったのです。

ある程度キャッシュが出来たら、また違う事業を立ち上げました。

何かは言いませんが、大阪湾からヘリコプターを飛ばしたこともありました。大きなことをやろうとしたのです。

まぁ、その後いろいろあって、それらの事業から去りましたが、今思うとあの頃が一番バカみたいに仕事していたかもしれません。

「理念経営」「ビジネスモデル」「経営戦略」「事業計画」・・・、売上を上げるためにはそういったものは必要ですが、起業するために必要なことを考えると、商売のタネを見付けて、バカげるほどの情熱を持って行動できるかどうかじゃないかなぁと思います。

一緒にバカできる人が周りに増えてきたので、ちょっと大きなことをやろうかなと考えてます。

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プロフィール
公認会計士 武田雄治


●武田公認会計士事務所 代表
●関西学院大学 非常勤講師

武田雄治


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