私のセミナーを受講してくれたこともあるブランディングデザイナーの蒲優祐(かばゆうすけ)さんが初めての本を出された(蒲さん、おめでとう!)。商品のパッケージやプロモーションなどを手掛けるデザインのプロ。

どうすれば商品・サービスが売れるのかというのは、経営者の永遠の悩みでもある。いいものを作れば売れるとは限らない。価値を訴えても消費者に響かないこともある。たとえば、洗剤を販売する場合、消費者はその洗剤の価値を本当に理解して買っているのか。「どこかで飲もうか」と店を選ぶ時も同様である。実際は、ほんの一瞬の「見栄え」(外観)だけを判断材料にしていることが多い。ということは、商品パッケージやSNSの「見栄え」(外観)を整えることは、売上を上げるために非常に重要といえる(P19〜参照)。

では、どうやって「見栄え」(外観)を整えるのか、つまり、デザインしていくのか、を教えてくれているのが本書。デザインをする人に向けた内容ではなく、デザイナーに依頼・発注する人をターゲットにした本である点は、購読前に注意が必要であろう。

長年デザインを受注してきた蒲さんだからこそ、デザインを発注する側の注意点も分かるのであろう。発注前・発注時・納品後の注意点が詳述されている(第3章〜)。

私自身、HPや名刺、チラシなどをデザイナーに発注してきたことがあるが、正直いって、本書に書かれているような留意点を守らずにやってきた。売上に直結するはずのチラシ制作で数々の失敗もしてきた。本書を読んで思うのは、デザインのセンスだけでなく、発注者側の無知が失敗を招いているのだ。経営者や商品企画・開発担当者も「デザイン思考」を持っておくべきだろう。