キャンピングカーで5年、50カ国、12万kmの世界一周旅行に出た4人家族の旅行記『ぼくの学校は世界中』(雲野秀美著)を読んだ時に、まぁ、とにかく感動し、「この家族に会いたい!」と思ったのが昨年のこと。

で、先日、このご家族が住まれている屋久島に会いに行った。雲野ファミリーは歓迎してくれ、3泊4日の滞在中、ずっとアテンドをしてくれり、共に食事をしてくれたりした(感謝!!)。

前著は奥様のが書かれたものだが、ご主人(雲野和幸氏)も本を出されたので、出版日にすぐ購入して、一気に読んだ。

秀美さんの書かれた前著は5年間の旅を時系列になぞった旅行記であるが、今回和幸さんの書かれた新刊は(旅行記ではあるが)子育てがテーマ。

息子2人を学校に入れずに世界一周旅行に出ていることにバッシングも多かったらしい(日本人は他人の批判が好きだねぇ)。しかし、学びの場は教室だけなのだろうか。そもそも、学びとは何なのだろうか。和幸さんは決して学校教育を否定している訳ではないが(P228参照)、本書を通して、教育にも子育てにも、唯一の正解はない(たくさんの選択肢がある)ということを訴えている(第5章参照)。

私自身、教育とは、知識を詰め込んで暗記することではなく、自分で問い、自分で考え(時には仲間と協力したり、本などで調べたりして)、自分なりの解を導くことだと思っているが、それは毎朝同じ時間に学校に通わなくてもできることだ。雲野家の子供達は、世界中を旅しながら、様々な体験を通し、自分なりの解を導いていき、成長していった(その過程は本書に詳述されている)。私も屋久島で雲野家の子供達とも食事をさせて頂いたが、2人ともまだ世界一周旅行の道中かのように好奇心のまま動いている姿が印象に残っている。2人を見ていると、机に向かって勉強することも大切であるが、それよりも大切なことがあると改めて思った。

和幸さんは、最終章で、子供達に一番伝えたいことをもひと言でまとめてくれている。それは、「世界は広い、もっと遊ぼう!」ということだ(P243)。屋久島で一緒に食事をした際は、我々に「我々は地球人だ。地球を歩こう!」ということを伝えてくれたが、要は「あなたの世界は、今見えてる場所だけではない」ということだ。今住んでる場所、今いる教室を飛び出してみると、新たな出会いもあるし、新たな経験もできるし、新たな価値観にも触れられる。それが、人生の土台をより強くしてくれるし、人生を豊かにしてくれるはずだ。雲野ファミリーが、帰国後に屋久島に移り住んだのは「生きた学び」を実践するのに最適な土地だったからだという(第6章参照)。

いま、我が国の小中学生の不登校児童の数は35万人を超えている(2025年)。様々な理由で学校に行かない(行けない)子供達が多い中、親子ともに追い詰められ、絶望的な気持ちになっている家庭は(私の周りでも)多い。しかし、和幸さんは「それはもったいないこと」(P226)、「苦しみ続ける必要はない」(P227)と述べている。子供達の伴走者として、親や教育者が何ができるのか。それは塾に通わせることでもないし、ゲームを取り上げることでもない。子育てに苦しんでいる親御さんがいたら、是非本書を手にとって欲しい。



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