縄文杉

ぷらっと屋久島へ。

朝3時に起き、4時に標高600mの荒川登山口までバスで向かい、5時にトレッキングをスタートし、そこから6時間歩いて、標高1300mの場所にある目的地 「縄文杉」に到着したのが11時。

あまりのデカさに、言葉を失った。

まるで岩。

この「縄文杉」が発見されたのは1966年5月28日。今日が2026年5月28日。ちょうど60年。たまたまやけど、そういうのは引きが強い。

60年前、この杉を見付けた町役場の職員 岩川貞次氏は、はじめ、この木を岩と間違えたとか。そこから、しばらく「大岩杉」と呼ばれていた。




縄文杉

直径5.2m、幹回り16.4m。現在確認されている屋久島の杉の中で最も太い(もっと太い杉があるという言い伝えがあるらしいが、まだ確認されていない)。

樹齢は2000年とも7000年とも言われているが、正確な樹齢は分かっていない。縄文時代からあった木であろうという新聞報道により、後に「縄文杉」と言われるようになった(つまり、「縄文杉」という品種の杉がある訳ではない)。






縄文杉_屋久島

「縄文杉」をバックに、今回のツアーのメンバーと記念撮影。




屋久島

話をスタート地点に戻そう。

登山口からは、しばらくの間、このトロッコの線路の上を歩く。

屋久島は、かつて、林業が盛んで、江戸時代から戦後まで多くの杉が伐採され、トロッコで運び出された(「屋久島自然館」という博物館に行くと、当時の動画・写真が残っている)。後に、屋久島内の国有林での伐採が禁止されたが、トロッコは物資運搬や負傷者運搬などのために現役で使われているらしい。






屋久島

川も多いため、橋の上も通らなければならない。高所恐怖症の人は、ちょっと怖いかも。




屋久島

屋久島は、日本一降水量が多い場所らしく、高温多湿のエリアである。そのため、360度、緑、緑、緑の、まるで絵画のような幻想的な世界が広がっていた。

まわりの観光客は、皆、口をそろえて、「ジブリの世界観だ」と言っていたが、ジブリ映画を見たことがないから、なんのことか分からん。




屋久島

こんな高い杉の木にも、びっしりと苔が生えているのが美しく、見惚れてしまった。




屋久島

枝の先まで苔が生えている木を見たのは、はじめてかもしれない。




屋久島

樹齢が1000年を超える木も多いため、倒木も多い。かつては、この倒木を持ち出して「商品」になっていたのだろうけど、いまはそのままの状態で放置され、そこにまた苔が生えている。倒木までもが美しい。

なお、屋久島で樹齢が1000年を超えている杉を「屋久杉」といい、1000年を超えていない杉を「小杉」というらしい。900年生きても「小杉」なのか…。100年前後しか生きることができない人間は「小粒」だなぁー。




屋久島

鹿もいれば、猿もいる。
(なお、屋久島には熊もハブもいないらしい)




屋久島

登山口から縄文杉のある場所までは片道11km。前半の約8.5kmがほぼ平坦なトロッコ道、後半の約2.6kmが本格的な登山道となっており、後半に一気に標高数百メートル登る。ここでリタイアする(引き返す)高齢者もいたが、大半の観光客は完歩していた。とはいえ、普段から運動していない人にとっては、少しキツいかもしれん。縄文杉を見たい人は、日頃から有酸素運動をした方がいいと思う。




ウィルソン杉_屋久島

道中、映えスポットである「ウィルソン杉」
1914年、植物学者ウィルソン博士によって発見された。周囲13.8mの屋久島最大の切り株。

超巨大な切り株の中が空洞になっているのだが、見上げるとハート型になっている。
ということで、人気スポットになっている。




屋久島

「縄文杉」には触れることができないのだが、道中の杉や苔には触れることができる。パワーをもらった。




屋久島

縄文杉まで行って、引き返すと、空を覆っていた雲がどこかへ行き、晴天となった。

往路は歩くのに必死で、あまり周りの景色・光景を見る余裕がなかったのだが、往路はじっくりと周りを見て歩いた。




屋久島

下の影に、今回のツアーのメンバーが映っている。一緒に22kmを歩いたかけがえのない仲間達だ。





屋久島

今回の屋久島ツアーは、約2ヶ月前に企画してもらったのだが、その際に、屋久島の方から、「絶対に防水シューズと防水ソックスを履いてくること」と言われていた。滝のような雨が頻繁に降るし、降れば歩道が川になるからだと。今日に備えて、厚底の防水シューズを購入し、数週間前から履いていたのだが、今日のトレッキングの最後の2時間位で足にマメができ、激痛が走った(妻は足の爪が内出血していた)。

覚悟はしていたが、22kmも山道を歩くとなると、何かしら異変が起きる。

とりあえず、近くに流れる川に足を突っ込んだ。氷水のように冷たい川の水が気持ち良かった。






屋久島

約12時間歩いた。

ゴールの手前30分の地点で、今回のツアーガイドをしてくれたアキさんが、「ここからサイレントウォークをしよう」と提案してくれた。ここまでツアーの8人と、ガイドのアキさんの9人が、ずっと話しながら歩いていたのだが、最後の最後は喋らずに歩こう、と。

疲労が限界に達していたからではない。最後の最後は、自分と向き合って歩こう、ということだ。

サイレントウォークをすると、必然的に自分と対話をする。色んなことを考える。自然を感じる。川のせせらぎが聞こえる。風の音を感じる。日差しを感じる。そして、ひたすら自分の内面を見つめる。多くの思想家、哲学者が「歩く」ということを通して、思想し、哲学してきたように、たった30分であったが、私も多くのことを考えた。北谷の海岸沿いを歩くときとはまた違うことを。





荒川登山口_屋久島

そして、午後5時、荒川登山口に戻ってきた。出発してからちょうど12時間。感無量。




屋久島

縄文杉までの22kmトレッキングをこれまで1000回以上やってきたというツアーガイドのアキさん。最後に一緒に写真を撮らせてもらった。

12時間にわたり、たくさん話をしてくれた。屋久島や縄文杉のことだけではない。私と同じ歳なのに、私の何倍ものエネルギーで生きている人に出会った。その生き様に惚れた。

アキさんは、我々にホントにたくさんのことを話してくれたが、その中で、最もぶっ刺さったのが、「いまを生きようぜ!」という話しだ。

我々は、ホントに好きなことに打ち込んでいる時や、楽しいことに没頭している時は、過去に憂うこともなければ、未来に不安を覚えることもない。これが、「いまを生きている」ってことなんだ、と。

そうだ。屋久島を歩いている間、いまを生きていた。

これが生きるということだ。

なんか、忘れかけていたものを、取り返したような気がした。

なんとも言えない達成感と充実感と爽快感だ。



屋久島に来たのは別の目的があったからだが(それはまた明日書くことにする)、縄文杉のツアーに参加してホントに良かった。一生の想い出になった。
屋久島で出会ったすべての友に感謝!
まだ屋久島のほんの一部して見れていないので、また必ず戻ってくるぞ!
またみんなで屋久島で集まろう!