Hello, Osaka !!
It's been a week.
それにしても寒すぎる。
飛行機に乗る時と、降りる時で、15℃くらい違う。
----------
人生の岐路といえる場面が何度もある。私が学生の頃も、「DJになるか」、「音楽業界に就職するか」「会計士になるか」、「大学院に行くか」で数カ月は悩んだ。1つに絞ることはできなかったので、最も選択肢が広がる可能性がある「会計士になる」という選択肢を選んだが、これが正しかったのかどうかは未だにに分からない。人生に「イフ(if)」があるなら……、と思ったことは100万回くらいある。
人生の岐路に立たされている学生からも、多くの相談を受ける。
今日、大阪某所で学生と食事をした。私の授業を一度も休むことなく、熱心に聴いてくれている2年生の女性と。彼女とは1回目の授業が終わった後から、学内のポータルサイトを使って、DM(ダイレクトメッセージ)のやり取りをしていたが、直接会って話したい、話さなければ、と思ったのだ。
私は1回目の授業から「したいこと」「できること」をノートに書き出して、それを生涯かけてやり続けろ、と言ってきた。何かの本に書いていたのだが、命をかけて他人のしないことをする人間は全人口の3%しかいない。トップ1%の人間になろうと思ったら、人のしないことを20年間やり続けるべきなのだ。「1万時間の法則」というものがあるが、そんじょそこらの人間を寄せ付けない「天才」になるためには、1万時間のたゆまぬ努力が必要と言われている。それだけの努力を努力と思わぬほど好きなことにのめり込める(ゾーンにはまる)ものを見つけ、それをやり続けるべきなのだ。
「みんな同じ方向に向かって歩いていかなければならないわけではない、色々な生き方があっていい」と私が授業で言った日に、彼女は家に帰って泣いたという。「私は会計士になりたいと思って勉強していたけど、ホントは絵をもっと描きたい、学びたい、作品を届ける側になりたい。絵を描くことも絵を学ぶことも大好きなのに、大学の勉強ともこの先の進路とも関係ないからと遠ざける努力ばかりしてきたと気づいた。絵は趣味の時間に過ぎないと自分に言い聞かせてきた」と。
「絵が好きで好きでたまらない」、「先生に私が描いた絵を見て欲しい」という彼女は、授業後に提出してもらうコメントシートに挿絵を描いてくれるようになり、しだいに4コマ漫画になり、最後は絵画になった。授業の内容を絵にしてくれたのだ。こんなコメントシートをもらったのは、もちろん初めて。

「もっと見て欲しいものがある」と、彼女は食事の時に、私の授業中に書き殴ったノートと、これまで描いてきたスケッチブックを見せてくれた。授業のノートはB5サイズのものだったが、私の授業内の雑談まで、一言漏らさずびっちりと書かれていた。1回の授業(100分)で10ページ位のノートを取っている日もあった。ここまでの講義録を見たのは初めてだ。スケッチブックは、絵に関して素人の私でも言葉を失う作品ばかりだった。中学から書き続けたという絵は、言われなければ中学生が描いたとは分からないほど繊細なものばかりだった。
ホントに絵が好きで好きでたまらないということが伝わった。

これは、コメントシートの裏面に描いてくれたウミガメ。私が座間味島でウミガメと泳いでいるInstagramの動画を見て描いてくれたらしい。週末の1日をこの絵に費やしたという。天賦の才としか思えない。
学生から頂いたコメントシートは、過年度のものも全て捨てずに保管しているが、このコメントシートは「宝物」だ。
「作品を届ける側になりたい」という彼女の想いは是非実現させて欲しい。応援したい。とはいえ、絵を描いて生きていけるほど人生は甘くない。自分がどの道を選択し、どう生きていくかは、じっくりと自分と向き合って考えてほしい。1つを選択したら、他を諦めなければならないという訳ではない。自分が生涯かけてやりたいことは、生涯やり続けるつもりで打ち込むべきだと思う。そうでなければ、絶対に後悔するときがくる。夢は諦めてほしくない。
沢木耕太郎の本に『世界は「使われなかった人生」であふれている』という本がある(初出2001年、文庫化2007年)。映画評なので読んでないが、タイトルが好き。世界は「使われなかった人生」や「ありえたかもしれない人生」であるれているのだ。やりたいことをやらなかったら、「使われなかった人生」に想いを馳せる時が来る。人生はそんなもんかもしれない。けど、彼女にはそうなってほしくない。感動を与える作品を多くの人に届けてほしい。
まだ未成年の学生と遅くまで付き合わせる訳にはいかない、と思いながらも、話が尽きることなく、店が閉店するまで語り合った(ちなみに、彼女はジンジャエールしか飲んでない。念の為。)。遅くまでありがとう。
今日も一生の思い出に残る時間になった。素晴らしい学生と出会えたことに感謝。
(iPhone17 Proにて撮影)













