kwanseigakuin

関学 秋学期 第4講目。1週間が早い。
今日は祝日だが、大学の授業はある。

祝日なので、卒業生が上ケ原まで来てくれた。あと、関学OBではないが、大阪で働く公認会計士3名が噂を聞きつけて上ケ原まで来てくれた。ゼミを持たない非常勤の講師に過ぎないのに、卒業してからも「また先生の話を聴きたい」と授業を受けにきてくれるなんて、こんな幸せなことはない。冥利に尽きる。卒業生の一人はメガバンクの九州の支店に配属になったため、九州から来てくれた。明日の有給休暇を取って。

せっかくなので、授業の冒頭で卒業生に喋ってもらった。メガバンクで働く卒業生が、「会社に入ると会社の思考になるので、学生の間に人生の意義や目的を見出すことが大事」というようなことを言ってくれた。別の卒業生は「学生の間にたくさん遊んでおくべき」というような言ってくれた。いつも私が学生に言い続けていることではあるが、年齢の変わらない卒業生が言ってくれたことで、学生達には突き刺さったのではないだろうか。



前回の授業の冒頭で、「良好な人間関係」を築く4つのステップの話をした。この話は多くの学生達に何らかの気付きを与えたと思うが、多くの質問も頂いた。多かった質問は、「他者との会話が苦手だが、克服すべきでしょうか?」「どうやって克服するのでしょうか?」というもの。結論として、苦手なままで構わないと思う。私もいまだに克服できていない。ただ、会話・対話は大切である。学生達に3つのことを伝えた。

まず1つ。前回の授業でも述べたが、内向的な人間には、傾聴力、観察力、思考力、集中力、継続力といった「強み」がある。その強みを伸ばせばいい。喋ることが苦手であれば、相手の心を開かせるプロになればいい。自分のことばかりペラペラ喋って相手の話を全く聞かない人間より、傾聴力がある人間の方が人間的な魅力はあるに違いない。

2つ目。会話・対話の場で、話が続かない、反りが合わないということは絶対にあるが、そんな時でも不機嫌な顔はしないこと。不機嫌は幼稚な人間がやることだ。大人の付き合いを覚えること。

3つ目。「話し方」「喋り方」みたいなノウハウ本を読んでも絶対に話せるようにはならないが、「自分自身を深めていくこと」により本質的なコミュニケーションを築けるようになる。

いま学生の君達が本を出版するということはきっとできない。本を1冊出そうと思えば、最低でも10万文字の原稿を書かなければならない。「文章の書き方」「本の出し方」みたいなノウハウ本をどれだけ読んでも、10万文字の原稿は書けるようにはならない。それだけの文章を書こうと思えば、それ以上の知識・知恵、経験・体験、思想・哲学のようなものが蓄積されていなければならない。蓄積されたものがなければ10万文字の原稿をスラスラ書けるようにはならない。

会話・対話も同じで、蓄積されたものがなければ何十分も何時間も話すことはできない。いま会話・対話ができないのは、何も蓄積されていないからだ。これからの学生生活や社会人生活でいろんな人に出会い、いろんな勉強をし、いろんな経験・体験を行い、考え、思想し、哲学し、いろんなことを蓄積していけばいい。築き上げた世界観が面白ければ、周りの人達はあなたの話に耳を傾ける。そうすれば、今日みたいに初対面の会計士が「話を聴きたい」と遠方からやってきてくれるようになる。

私は相変わらず内向的だし、それが直ることはないが、それでも人前で何時間でも喋ることができるのは、それだけ自分自身を深めていったからだ。



今日はこんな話をしてから、授業に入った。
いつも「前置き」の方が長いが、それでいい。

今日は卒業生も会計士の方々も、ゴリゴリとノートを取りながら聴いてくれていた。





fujiya

夕方、卒業生と同窓会。
西宮北口の関学生の聖地、居酒屋「ふじや」へ。




unagi

2次会は、在学生がバイトをしている鰻屋へ。
夜10時前に鰻重を食べたのは人生初だと思うが、めちゃ美味しかった。

3次会は、その在学生のバイトが終わってから合流し、近くの居酒屋へ。
3次会は写真を撮り忘れた。

普段は1次会で帰る私も、今日は終電まで語り合った。楽しかった。
今日もまた思い出に残る1日となった。

卒業生の皆さん、会計士の皆さん、今日はありがとうございました。