今日は、日本経営協会主催の「決算早期化セミナー」に登壇した。
昨年まで北参道駅前にあった日本経営協会が、新宿御苑の近くに移転された。セミナー会場からの景色が絶景すぎる。外を見ながら講義してもいいっすか??
今回は、対面とオンラインのハイブリッド開催。
金融庁が有報の総会前開示を要請した影響かもしれないが、対面受講者がいつもより少なかった。開催日は半年前に決まるので、今回は致し方ない。ただ、受講された方々は、6時間という長時間セミナーにも関わらず、疲れた顔を一切見せず、時には笑顔も見せてくれ、時には発言もしてくれ、とても熱心に聴いてくれた。私の前に座っていた方は、ルーズリーフを10枚位メモしていたのではないだろうか。今日の気付きを実務に活かして欲しい。
日本経営協会での決算早期化セミナーは、10年位前から毎年、東京と大阪で開催させて頂いている。10年前とは異なり、現時点では決算の「早期化」のニーズはほとんどない。実際に、決算発表を月内(30日以内)に行っている東証上場企業は減り続けており、直近の2025年3月期では10.5%まで減少した。開示の幅が広範になりすぎ、人員も不足し、早期に決算発表をすることが困難になってきたためだと思われる。これまで決算早期化優等生といわれていたグローバルカンパニーも、この1、2年で月内開示を断念している。おそらく、この流れは続く。ここにきて、有報の総会前開示の要請には首を傾げる。部分よりも全体を最適化させるべきだし、サステナビリティ開示よりも経理部門のサステナビリティを考えるべきだと思うが、この国の縦割り行政では改善されることがない。私が学生の頃は、「会計基準のスクラップ・アンド・ビルド(を行う)」みたいなことを教授が何度も言っていたが、この20年でスクラップされたのはごく一部にすぎず、ひたすらジェンガを積み上げるようなことをやってきた。そして、誰も理解できないような会計基準と開示が行われている。
必然的に決算は属人化していくので、決算は遅延する。その悪循環にハマっている企業は多い。私の決算早期化セミナーも、時代の変化と共に、内容は変えている。決算早期化のテクニックのような話は1時間位しかしていない。あとの5時間は「経理はどう在るべきか」「経理部員は何をすべきか」という総論を話ししているが、それこそが今、全経理部員に知っておいて欲しいことである。
経理部とは、経営の中枢部門であり、経営の司令基地である。単に仕訳を切り、集計するだけの部署ではない。決算を締めた後が大事なのだ。そういうことを今日も全力で伝えた。これは生涯伝え続けたい。これが私の公認会計士としての生涯のミッションでもある。1社でも多くの会社の経理部が「強い経理部」に進化して欲しい。1社でも多くの会社の経理部が経営者や投資家から感謝される「真の経理部」に進化して欲しい。そして、1人でも多くの方に経理は面白い仕事だということを分かって欲しい。
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過去のデータを整理していたら、3年前(2022/6/21)の「交遊抄」が出てきた。経理やってる方は、カギ括弧の中だけでも声を出して読んで欲しい!
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セミナー後、羽田空港へ直行。最終便の搭乗まで時間があったので回転寿司屋に入った。初めて入ったが、なかなか美味しかった。6時間もセミナーをすると、だいたい翌日1〜1.5kgは痩せている。どんなに走ってもそんな痩せないのに…。すごい熱量で喋ってるんだろうね。腹ペコだったので、ガッツリ食べた。
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『決算早期化の実務マニュアル』が再び増刷決定!
初版発売から13年経っても増刷が続くことはホント幸せなことよ。
「強い経理部」「真の経理部」とは何かってことを書いてますので、決算早期化が経営課題でない企業の方も是非ご一読ください。