今週は、大阪、神戸、京都へ出張。ちょっと仕事した。
上場企業のお客様のコンサルはほぼ100%リモート対応をしているが、未上場企業(中小企業)のお客様のコンサルは対面で対応することが多い。「飲みニケーション」も入れながら。
中小企業の顧問先については、月次決算を提出してもらうと共に、財務分析結果を毎月報告してもらっている。これは、経理担当だけではなく、社長自らが私に報告してもらうようにしている。稲盛和夫さんが言うように、(社長が)「会計を分からずして経営はできるか!」なのだ。社長からの報告に対して、私が(対面で)フィードバックを行い、次月の課題を与える。それを毎月繰り返して、B/S・P/Lの改善を図っている。
1年も経てば、B/S・P/Lの改善はできる。かつて「黒字社長塾」において、「あなたの会社を1年で黒字にします!」というキャッチコピーを掲げていたが、何も特別なことをしている訳ではない。同じことを12ヶ月繰り返し、社長が会計に向き合う習慣を付けてもらえれば、黒字化は達成できる。
1年で黒字化を達成し、財務基盤を強固にすれば、2年目以降は売上を上げていく戦略を練っていく。昨日の「起業して学んだ20個のこと」でも書いたが、「ビジネスは、ビジネスシナリオ、ビジネスモデル、マーケティングで決まる」(詳細は、拙著『「社長」の本分』をご参照ください)。この3点をキチンとやれば売上を作ることはできる。
これまで中小企業の社長とも20年間ガチンコで向き合ってきたが、中小企業が中小企業たる理由(=大企業になれない理由)は、おおよそ次の5つくらいに集約できるような気がする。
1.単一事業しか行っていない
→たった1つのキャッシュポイント(収入源)しかない
2.マーケティングをやらなさすぎ
→セールスに追われすぎ
3.イノベーションを起こさせなさすぎ
→いつまでも和式便器を売ろうとしている
4.ビジネスモデルがオリジナルすぎ
→成功事例からTTP(=徹底的にパクる)していない
5.「導線」なさすぎ
→「売れない」のでなく「わかりにくい」
特に問題だなあーと思うのが、5の「導線」なさすぎ問題(1〜4については、『「社長」の本分』にも書いているので、そちらをご覧ください)。
モノを売るためには、「認知」してもらってから、「購買」してもらうまでの間に、「導線」が必要であるといわれるが、多くの社長が「導線」を考えていない。
例えば、HPを開設したり、YouTubeやinstagramでコンテンツを配信したりしても、モノを購入してもらうための「導線」がなかったり、セミナーを開催しても次の階段に登ってもらうための「導線」がなかったり・・・。もったいなさすぎる。
顧客は「買いたい」と思ってくれているのに、分かりにくいから買わないのだ。
商品を買うつもりでいるのに、レジで会員登録を求められて、面倒くさくて買うのをやめた、という経験をした人も多いのではないか。サイトやアプリのUIが悪すぎて買うのをやめたという経験は、私も何度もある。それこそ、つい先日もそんなことがあった。
極論をいえば、モノが売れないのではなくて、顧客目線がなさすぎなのだ。「買いたい」と思った瞬間に買わせてもらえないから、「二度とこの店から買わない」となる。
「認知」が先か、「導線」が先か、といえば「導線」である。「導線」を作らずにマーケティングにカネや時間をかけても、儲かることはない。しかし、多くの社長が逆のことをしている。YouTubeやinstagramなどでコンテンツを配信し続けたら、モノが売れる、と思っているのだろうけど、そんなはずはない。
顧問先の社長とは、そんなことも対話しながら売上を上げるための戦略を練っている。こんな仕事は会計士の領域ではないが、私にとっては非常に楽しい。
(神田昌典著『仕事のヒント』より)
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