chatan

4月4日は、沖縄県が誕生した日らしい。

1898年の今日、琉球藩を廃し、「沖縄県」を設置することが布告されたとさ。

とはいえ、特にイベントがある訳でもなく、life as usual。


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今日の日経「春秋」もとても良い内容だった。

apr4
([出所]日経電子版)

約500文字で、これだけのことを伝え、読者の心を突き刺すって、神やと思う。


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公認会計士の平均年収が750万というデータがあるらしく(もっと高いと思うが…)、「その程度なら一般企業にいても到達できるから、コスパ悪すぎ…」みたいな投稿をチラホラみかけるけど、750万とか1000万とかってレベルの年収で仕事選んでどーすんの、と思う。ってか、コスパで人生・仕事を選ぶの??

自分のバリューを最大限活かせる職や環境を真剣に探して、そこで死ぬほど修行して、自分の能力・才能を高めて、この分野では日本一といえるくらいの実績を積めば、億稼ぐことだってできるんじゃねーか。

そういう努力もせず、ちょっと年収が高そうな会社にぴょんぴょんと飛んでいくような人間に、いったい何が残るというのか。

公認会計士(監査法人)は若くして修行できる最高の環境だと思うけどねぇ。


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ソニーグループ元社長 平井一夫氏の著書『ソニー再生』遂に文庫化!
(日経の『私の履歴書』の連載に合わせてきたのでしょうね)


CBSソニーの新卒社員が、ソニーグループのトップまで登りつめ、4年連続赤字だったソニーをターンアラウンドさせたという話が役に立たないはずがない。


本書の中で、リーダーに不可欠な素養として、「異見(異なる意見)を求めること」「EQが高い人間になること」が何度も何度も強調されている。

「異見をどう発見するか、どうやって経営戦略に昇華させて実行させるかは、私の経営哲学の根幹をなす思考法の一つだ」というほどに、「異見」を大切にしているらしい(最終的にはリーダー自身が方向性を決めなければならない、とも書かれている)。

平井一夫氏が社長になった時も「異見」を求めた。社長に遠慮することなく「異見」をぶつけてくれる人として、平井一夫氏のひとつ年上で、当時、子会社のソネット社長だった吉田憲一郎氏をスカウトし、ソニー再建の相棒に割り当てる(吉田憲一郎氏は後にソニーグループのCFO→CFO→会長となる)。

赤字続きだったエレクトロニクス事業を黒字転換させ、VAIOを売却し、次に映画事業をターンアラウンドさせなければならない時は、経営トップの平井一夫氏が(本社のある)東京を数ヶ月間不在にし、アメリカに乗り込むという大胆な行動に出る。吉田憲一郎氏に絶対の信頼を置き、東京を任せたのだ。

EQを高め、「異見」を聞き、最後はトップが決断し、決めたことは言い訳をせずに実行をし、結果を出す。「それが私に与えれた役目なのだ」という。社長かくありき。

2018年3月期に20年ぶりに最高益を更新し、平井氏は社長を吉田憲一郎氏へ譲る。その後も、ソニーグループは売上、利益、株価を上げ続けている(末尾図表参照)。行動派平井氏の撒いた種が、頭脳派吉田氏によって理詰めで枝を伸ばしていった、という印象がある。

ソニーグループの元社長が本を書くということ自体がすごいことだが、本書は、そのソニーグループの元社長が、会社や事業をどうやって成長・再生させ、経営トップがどのように経営し、マネジメントをするのかということを教えてくれるすごい一冊。めちゃくちゃ勉強になる。単なる経営本ではなく、平井氏の半生を振り返りながら、巨大企業グループのトップに登り詰めるまでの軌跡を追えるのも面白い。

最近読んだビジネス書でNO.1。

拙著『「社長」の本分』でも参考文献に入れさせて頂いた本。超オススメ。


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