今月もタイに行く予定だったのだが、色々あって台湾に来た。パートナーが2ヶ月前に台湾一人旅をしたのだが、美味しいものに出会えなかったらしく、リベンジしたいと。観光はいいので、食べ歩きしたいと。私も観光は興味ないが、食べ歩きには興味ある。じゃぁ付いて行くわと、なって台北へ。
私は、約10年ぶりの台湾。第一印象は、高齢者多すぎ。若者少なすぎ。欧米人少なすぎ。活気なさすぎ。こんな場所だったっけ。
そして、寒すぎ。
台湾って、沖縄本島よりだいぶ南だよね。なんでこんな寒いの?
風邪が悪化しそうなほど寒い。なんでやねん。台湾…。
我ながら「引きの強さ」に驚く。学生のA君が台北に卒業旅行に来ていた。4月から東京の会社で就職する学生で、以前から「東京に来たら絶対連絡ください!」「東京でも飲みましょう!」と言ってくれていたのだが、その前に台北で実現してしまった。
「先生、酔う前にひとつ聞いていいですか?」、「なに?」、「僕の期末試験の点数、なんであんなに高得点なんですか?」、「書いて欲しいことをちゃんと書いてたからだよ」、「ホンマですか!?」、「ホンマや。忖度なんてしてないよ。」
上場企業が、サステナビリティ情報を含め、非財務情報を積極的に開示するようになった理由は何かを問う問題で、A君は大人でも書けないような名回答をあっさりと書いてくれた。それだけではない。期末試験の答案が早く書けたのだろう。答案用紙の裏面に、私への「ラブレター」をぎっしりと書いてくれていた。そこには、私と出会ってから、どれだけ「生きる」ということに変化が起きたのかということと、その感謝の言葉が述べられていた。そして、THE BLUE HEARTSの「世界のまん中」という曲の歌詞が添えられていた。
『生きるということに命をかけてみたい』と。
採点しながらこみ上げてくるものがあった。とても印象に残っている学生のひとりである。今日も会えて素直に嬉しい。ちなみに答案用紙の裏面は評価の対象にはしていない。
中山区(Zhongshan District)の地元の人で大賑わいの台湾料理店に行って、A君が食べたいというものを頼んでもらったが、全てが美味しかった。台北でもゴーヤチャンプルってあるんやね。牡蠣のオムレツも最高だった。カラスミの炒飯も最高。
初日から良い店に出会えた。『丸滿台灣味手路菜』というお店。
後で知ったが、ミシュランガイド掲載店らしい。
そのまま近くにあるナイトマーケット『雙城街夜市』へ。
A君が「地瓜球」というスイーツがオススメだという。台湾屋台で有名なスイーツらしい。さつまいもと大学いもを混ぜ合わせたような味だという。
買ってみた。50ドル(約200円)でタコ焼きくらいの大きさの「地瓜球」が10個くらい入ってる。確かに、さつまいもと大学いもを混ぜ合わせたような味だ。美味しかった。
夜市では酒を売ってる店が少なく、そもそも長居する場所でもない。
なので近くのBARへ。テキトーに入ったBARだったが、とても良い雰囲気のBARだった。日本人の方が経営されているのだろうか。ひとり、日本人のバーテンダーさんがいて、日本人駐在員っぽい客も多かった。『Bar ansleep』というBAR。
私はGin、A君はArdbeg、ホンマ23歳か?
貴重な卒業旅行だというのに、随分遅くまで話し込んだ。いろんなことを聞かれたので、いろんなことを話した。スマホに色々とメモしていた。あと2週間で社会人。生き急ぎすぎず、隣の芝を見ず、目の前のことを一生懸命やれ。それが天職というものだ。お金持ちになりたいなら、それにふさわしいバリューを持った人間に早くなれ。圧倒的な努力と、圧倒的な行動が、全てを凌駕する。弾を撃ちまくれ。
数時間前に台北に着いたばかりなのに、もう何日も台北にいるような気分だった。かなり濃厚な初日を過ごすことができた。A君のお陰で一生忘れられない楽しい思い出ができた。次は東京で飲もう。
最後、我々がタクシーに乗り、見えなくなるまで、歩道で頭を下げ続けていたA君。私が学生の頃は、そんな常識すら持ち合わせていなかったなぁ。素晴らしい学生と出会えた。