tokyo

8ヶ月ぶりの東京出張。
こんなに間が空いたのは社会人になってはじめて。

東京で生活し、連日4つも5つもアポが入っていたのは遠い昔。
いまより20kg太っていた。不健康の極みのような生活をしていた。

あんな生活には永遠に戻らない。

人生は変わる。変えられる。




tokyo

ホテルに着くや、軽く筋トレとジョギング。
すべての機材が「TECHNO GYM」だった。最高。




tokyo

夜は、小学校3年生の時に隣の席だった I ちゃんと夕食。
なんやかんやで40年のお付き合い。

小学校4年でカリフォルニアに転校したので、私も学生時代に何度かカリフォルニアに行った。彼女の高校のダンスパーティーに潜らせてもらったこともある。"Back to the Future" に出てくるあのシーン、そのものだった。いい思い出だわ。

「最古の友達」との会話は尽きることがない。

心の底から楽しいと思える時間だった。



----------


風は西から (幻冬舎文庫)
村山由佳
幻冬舎
2020-08-06



すごい小説に出会った。

居酒屋チェーン「ワ◯ミ」の社員の過労自殺(2008年)を題材にしたと思われる小説。

カリスマ経営者に憧れて、大きな希望を持って入社したが、店舗開店数時間前から明け方まで働き(しかも店舗の業績ノルマを達成するためにタイムカードを押さずに働くことも)、社長の理念が書かれた著書は丸暗記させられ、業務のレポートも書かされ、休日にはボランティア研修を受けさせられる(ボランティアなので無給。実質的には半強制参加。)。業務ノルマを達成できなければ本社に呼び出され、社長や役員が並ぶ席で激しい叱責を浴びる。肉体的にも精神的に限界まで追い詰められ、社宅の近くのビルから飛び降り自殺をする。

遺族と故人の婚約者は、故人の名誉を取り戻すべく会社を相手に闘いを挑むが、会社側は、証拠隠滅を図ろうとするなど、誠実な対応をせず、法的責任も否定し続ける。

この闘いも肉体的・精神的にも限界まで追い詰められるものであっただろうが、数年に及ぶ闘いの末、会社側が遺族の主張を全面的に認め和解が成立。通常の慰謝料とは別に、日本では前例がなかった「懲罰的慰謝料」も認められることになった。

相当な取材を経て、書き上げられたものだと思う。

戦後から2000年代初頭までは、個人を犠牲にしてでもフルタイム・フルライフを会社に注ぐことが当然であり、会社への忠誠心や、メンバーとの同質性・協調性などが求められ、それが人事評価の対象ともなった時代であった。しかし、時代は変わった。いまはそんな組織の論理は通用せず、優秀な若者はそのような古い価値観を極端に嫌う。

「ワ◯ミ」が掲げていた「休まず働け」といった行動指針や、「社員は家族」といった社長の発言は時代に馴染まず、社員満足度は低下し、理念と現場にギャップを生むことになったと思われる。そのギャップを埋めるために、さらに社員に圧力をかけていき、若者を死に追い込んだ。

「24時間働けますか」のCMの頃に死ぬほど働いた昭和のオッサンには、今の若者や社会の変化が理解しがたいのかもしれないが、社会環境の変化にいち早く対応することが真の経営者の仕事でもある。

上述の裁判は、日本から「ブラック企業」が排除される大きなキッカケになったに違いないが、まだまだ旧態依然とした組織に古い価値観は残っている。若い命をムダにすることなく、改革は続けなければならないと思う。