「オンラインセミナーはもう二度とやらない」と前も書いた。受講者の顔も見えない、反応もない、笑いもない。こちらから質問を投げかけても無視。何がおもしろくてそんなセミナーをやらねばならないのか。オンラインセミナーの登壇依頼はすべて断っている。
が、しかし、随分前に収録した決算早期化セミナーのオンデマンド配信をしてもらっているプロネクサスの担当者から連絡が来た。セミナーのテキストに使用している『決算早期化の実務マニュアル』が改訂されたので、セミナーを撮り直した方が良いのではないか?? と。
あぁーーー、確かにおっしゃる通りだ。
急遽、今日収録をし直した。沖縄から、Zoomを使って、4時間ぶっ続けで。
場慣れしているとはいえ、誰も聴いていない、反応もない、笑いもない中、自分の顔だがけが映っているPCに向かって4時間喋り続けるってのは疲れる。仕事なので妥協は一切しないが、喋りながらテンションが低いのが分かる。対面ならもっとテンションを上げれるが、個室の中でひとりという状況でどうやってテンションを上げろというのか。
セミナーの内容自体は私が20年間やってきたことの説明であるため、8時間でも12時間でも24時間でも喋ろと言われれば喋ることはできる。なので、4時間なんてあっという間なのだが、収録後は自分でも驚くほど疲れていた。もちろん、フィジカルな疲労ではなく、メンタルな疲労。
収録後、黒字社長塾を手伝ってくれてるビジネスパートナーとタイ料理店へ。
こんな日にビールが飲めるのは嬉しい。喉がカラカラだったので、ビールの気分だった。1杯目はプレモル生で乾杯し、2杯目以降はシンハービール。
沖縄本島にはなぜかアジア料理店が多い。東南アジアの人も多いのだろうか。タイ料理が好きな私にとっては嬉しいことだ。安いしね。
4時間しか仕事してないけど、まぁ頑張ったわ。もうええわ。
------
白井さゆり著『環境とビジネス』(岩波新書)、読了。
これは良書。
なぜいま企業にサステナビリティや気候変動への対応が求められているのか、気候変動・環境リスクとは何なのか、そのリスクにどうやって対応するのか、気候関連情報開示がなぜ必要なのか、何を開示しなければならないのか、温室効果ガス(GHG)排出量の測定はどのように行うのか(特にスコープ3)、第三者保証は必要なのか、カーボンプライシング(炭素税、排出量取引)やカーボンクレジットとは何なのか、…といった知っておくべきトピックスをその背景からめちゃくちゃ詳しく書いてくれてる(TCFDガイドラインやISSB基準についても解説してくれている)。
本書で詳述されているが、気候変動、生物多様性、人権等への対応は、上場企業だけがやればいいものではなく、(スコープ3の開示対象になるかどうかに関わらず)中小企業や未上場企業であっても世界のトレンドから影響を受けずにすむことはない。それらの対応には短期的にはコストがかかるが、長期的にはコストを下げ、リスクを下げ、新たな顧客や取引先を獲得し、企業価値を高める機会となる(逆に、対応しなければ、訴訟・責任リスクを負い、顧客や取引先を失い、名声を失い、企業価値が毀損する可能性がある)。
本書は、企業のサステナビリティ担当者や、決算・開示担当者だけではなく、経営者も必読だと思う。