半期に一度のエントリー。
今年1月〜6月までに読んだ本の中で、良かった本をピックアップしておきます。
(この期間に発売された本ではありません)
臨床心理学者の河合隼雄さんが約50年前に書いた本であるが、いま読んでも色褪せない日本人論。
本書に「場の倫理」「個の倫理」という話が載っている(P24〜)。簡単にいえば、欧米人は「場の倫理」より「個の倫理」を重んじる(個>場)。他方で日本人は「個の倫理」より「場の倫理」(=場の空気)を重んじる(場>個)。すなわち、欧米人は「人と違うこと」を前提に個性を重んじるが、日本人は「人と同じ」を前提に生きており、これを河合隼雄さんは「平等信仰」と呼んでいる(P77)。このような日本人の絶対的な平等観が、裏を返すと「他人に差をつける」という価値観がおかれることになり、成績で順位を付け、運動会で順位をつけるという「序列性」を生む(P82〜)。日本人の劣等感、コンプレックスの原因は、この「平等信仰」にある。「人と違うことは素晴らしい」ことなのに、人の目を気にしながら他人軸で生きている日本人。50年経っても何も変わらない。
『嫌われる勇気』の岸見一郎さんの新刊書。
「対人関係のあり方について特に意識していなければ、対人関係は依存か支配のどちらかである」(P98)。本書で提案しているのは、「依存・支配関係からの脱却」であり、「不服従の勇気」である(P106〜)。では「真のつながり」とは何なのか。本書は、他者とのつながりを離れて一人で生きていくことができない中で、他者とどうつながっていくのかという生きていく上で最も大切なことを教えてくれる。
岸見一郎さんの『孤独の哲学』、『愛とためらいの哲学』も人間関係、つながりについて教えてくれる。3冊ともオススメ。
友達が家に置いていった本だったのに、赤線だらけ、折り目だらけにしてしまった…。幸せに生きるために必要なことが1冊にまとめられている。もっと早く出会いたかった。「人と話す時は、その人を抱きしめるようにして話すんだよ」という言葉が心に染みた。
最近読んだビジネス書の中でダントツNO.1。柳井正の75年、ユニクロの40年の壮絶・壮大な物語。日経新聞編集委員の著者による取材力がすごすぎる。分厚い本であるが、読む手が止まらなかった。得るものが多すぎる。経営者は必読!書評はこちら。
2005年に公表が最後となった長者番付で、サラリーマンの清原達郎氏が納税者日本一となり話題となったが、その清原氏が昨年引退し、投資での成功・失敗等の経験を綴ったのが本書。役に立たない訳がない。株式投資をしている人は必読。
学生から薦められた小説。この数年に読んだ小説の中でトップ10に入る。
毒親ではなくても、親の呪縛に苦しんだり悩んだりしている子供は多いだろう。その呪縛を10年、20年とかけ続けられ、それが正しいと思い込んでいる人もいる。例えば、一流大学に入学し、一流企業に就職し、結婚し、子供を産み、実家の近くで住み、子供も一流大学を目指すべく塾に入れ……というような……。それが時代錯誤であり思考停止であるとは疑わず、親は子供に歪んだ価値観を押し付け、子供は自己の願望よりも親の期待に応えなければと自分に呪縛をかけていく。私の周りにもそんな親子は山ほどいる。子供が親に反抗できるような強い子であればいいが、親に反抗できない優しい子も沢山いるのだ。本書に登場する2人の少女は、苦しみながら、もがきながら、生きていった。そして、自分への呪いを解いていったのだ。それは親が願う人生ではなかったかもしれないが、それでいいのだ。親の言う通りの人生を歩まなくても、自分のやりたいことをトコトンやればいいんだよ。「私の呪いを解けるのは私だけ」。
この上期もたくさんの良い本に出会うことができた。
スマホを置いて、本を読もう。
一冊の本が旅よりも遠くに連れて行ってくれることがある。
良い本で、良い人生を。
No Fun,No Life !!
【過去に紹介した良かった本】
2023年下期 良かった本
2023年上期 良かった本
2022年下期 良かった本
2022年上期 良かった本
2021年下期 良かった本
2021年上期 良かった本
2020年下期 良かった本
2020年上期 良かった本
2019年下期 良かった本
2019年上期 良かった本
2018年下期 良かった本
2018年上期 良かった本
2017年下期 良かった本
2017年上期 良かった本
2016年下期 良かった本
2016年上期 良かった本
2015年下期 良かった本
2015年上期 良かった本
2014年下期 良かった本
2014年上期 良かった本
2013年下期 良かった本
2013年上期 良かった本
2012年下期 良かった本
2012年上期 良かった本
2011年下期 良かった本
2011年上期 良かった本
2010年下期 良かった本
2010年上期 良かった本
2009年下期 良かった本
2009年上期 良かった本
2008年 良かった本
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以下のQRコードからアクセスするか、Instagramから「takeda_books」で検索してくださいませ。
今年1月〜6月までに読んだ本の中で、良かった本をピックアップしておきます。
(この期間に発売された本ではありません)
臨床心理学者の河合隼雄さんが約50年前に書いた本であるが、いま読んでも色褪せない日本人論。
本書に「場の倫理」「個の倫理」という話が載っている(P24〜)。簡単にいえば、欧米人は「場の倫理」より「個の倫理」を重んじる(個>場)。他方で日本人は「個の倫理」より「場の倫理」(=場の空気)を重んじる(場>個)。すなわち、欧米人は「人と違うこと」を前提に個性を重んじるが、日本人は「人と同じ」を前提に生きており、これを河合隼雄さんは「平等信仰」と呼んでいる(P77)。このような日本人の絶対的な平等観が、裏を返すと「他人に差をつける」という価値観がおかれることになり、成績で順位を付け、運動会で順位をつけるという「序列性」を生む(P82〜)。日本人の劣等感、コンプレックスの原因は、この「平等信仰」にある。「人と違うことは素晴らしい」ことなのに、人の目を気にしながら他人軸で生きている日本人。50年経っても何も変わらない。
『嫌われる勇気』の岸見一郎さんの新刊書。
「対人関係のあり方について特に意識していなければ、対人関係は依存か支配のどちらかである」(P98)。本書で提案しているのは、「依存・支配関係からの脱却」であり、「不服従の勇気」である(P106〜)。では「真のつながり」とは何なのか。本書は、他者とのつながりを離れて一人で生きていくことができない中で、他者とどうつながっていくのかという生きていく上で最も大切なことを教えてくれる。
岸見一郎さんの『孤独の哲学』、『愛とためらいの哲学』も人間関係、つながりについて教えてくれる。3冊ともオススメ。
友達が家に置いていった本だったのに、赤線だらけ、折り目だらけにしてしまった…。幸せに生きるために必要なことが1冊にまとめられている。もっと早く出会いたかった。「人と話す時は、その人を抱きしめるようにして話すんだよ」という言葉が心に染みた。
最近読んだビジネス書の中でダントツNO.1。柳井正の75年、ユニクロの40年の壮絶・壮大な物語。日経新聞編集委員の著者による取材力がすごすぎる。分厚い本であるが、読む手が止まらなかった。得るものが多すぎる。経営者は必読!書評はこちら。
2005年に公表が最後となった長者番付で、サラリーマンの清原達郎氏が納税者日本一となり話題となったが、その清原氏が昨年引退し、投資での成功・失敗等の経験を綴ったのが本書。役に立たない訳がない。株式投資をしている人は必読。
学生から薦められた小説。この数年に読んだ小説の中でトップ10に入る。
毒親ではなくても、親の呪縛に苦しんだり悩んだりしている子供は多いだろう。その呪縛を10年、20年とかけ続けられ、それが正しいと思い込んでいる人もいる。例えば、一流大学に入学し、一流企業に就職し、結婚し、子供を産み、実家の近くで住み、子供も一流大学を目指すべく塾に入れ……というような……。それが時代錯誤であり思考停止であるとは疑わず、親は子供に歪んだ価値観を押し付け、子供は自己の願望よりも親の期待に応えなければと自分に呪縛をかけていく。私の周りにもそんな親子は山ほどいる。子供が親に反抗できるような強い子であればいいが、親に反抗できない優しい子も沢山いるのだ。本書に登場する2人の少女は、苦しみながら、もがきながら、生きていった。そして、自分への呪いを解いていったのだ。それは親が願う人生ではなかったかもしれないが、それでいいのだ。親の言う通りの人生を歩まなくても、自分のやりたいことをトコトンやればいいんだよ。「私の呪いを解けるのは私だけ」。
この上期もたくさんの良い本に出会うことができた。
スマホを置いて、本を読もう。
一冊の本が旅よりも遠くに連れて行ってくれることがある。
良い本で、良い人生を。
No Fun,No Life !!
【過去に紹介した良かった本】
2023年下期 良かった本
2023年上期 良かった本
2022年下期 良かった本
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2021年下期 良かった本
2021年上期 良かった本
2020年下期 良かった本
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2019年上期 良かった本
2018年下期 良かった本
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