@北谷町 宮城海岸
朝イチで筋トレしてから、ジョギングするというルーティン継続中。
すでに枯れ始めたものもあれば、咲き始めたものもある。
気温差の少ない沖縄でも四季を感じる。
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今日は、琉球大学で開催された公開講座『海洋SDGsセミナー』に参加した。
初めて琉球大学に行ったが、キャンパスのデカさにビビッた。「東京ドーム27個分」(の敷地面積)と言われてもピンとこないが、全国で5番目に大きな大学らしい。クルマじゃなければ校内を何十分も歩かねばならぬところだった。敷地内にガジュマルがある大学も初めて見た。
基調講演は沖縄県民の女優 田中律子さん。中学生の頃から沖縄に住みたいと思い、12年前から沖縄でサンゴの養殖などの活動をされている。珊瑚礁の中に海洋生物9万種が生きており、海の二酸化炭素を吸収し酸素を供給してくれる。しかし、水温が30℃以上になるとサンゴは白化してしまう。2030年にはサンゴの90%が全滅すると言われている。そこで田中律子さんはサンゴの再生活動をされているのだ(詳細は、田中律子さんが理事長をしている「NPO法人 アクアプラネット」のサイトをご参照ください)。
多くの日焼け止めに含まれる発がん性物質やプラゴミが、サンゴや海に甚大な影響を及ぼしているため、「自分たちのできる範囲で海を守ってほしい」と訴えていた。北谷の海岸も、観光客がゴミを放置して帰っていくので、ボランティアの町民が毎日毎日毎日毎日毎朝毎朝毎朝毎朝ゴミ拾いをしている。各自がゴミを持って帰るところから始めるだけでもサンゴは守られる。
なお、台風が来ると水温が下がるため、海の環境にとって台風も必要らしい。去年のような台風はご遠慮頂きたいが、小さな台風はないとマズイのかもね。
他の講演者も、日焼け止めがサンゴの白化を引き起こすだけでなく、体内に吸収され人体にも影響を及ぼしているという話をされていた。ハワイでも、「オキシベンゾン」「オクチノキサート」という2つの成分が含まれる日焼け止めの流通・販売が禁止されている。日本で売られている日焼け止めには、これ以外に「メトキシケイヒ酸エチルヘキシル」という成分が含まれているものが多いらしいが、これらが含まれている日焼け止めは人体にもヤバい影響を及ぼすため使用してはならない(詳細はこちらのサイトをご参照ください)。
ちなみに、大手日用品メーカーが発売しているUVケアの日焼け止めの成分を調べたら、ちゃんと「メトキシケイヒ酸エチルヘキシル」が含まれていた。Be Careful !
今回の公開講座の司会進行をされていた荒川雅志 琉球大学教授(『ブルーゾーン』の翻訳者)と田中律子さん。沖縄に来た時からお会いしたいと思っていたお二人にやっと会えた。
公開講座を受講した人に、海を汚さない日焼け止めをプレゼントしてくれた。MAAs(マース、マイコスポリン様アミノ酸)という成分は覚えておいた方が良さそう。
それにしても、田中律子さんの喋り方、振る舞い方、表情、笑顔はすごかった。自然体の中から湧き出るオーラもすごい。さすが女優。どんなに努力をしたって同じようには喋れないが、モデリングはしたいと思った。
(※ 公開講座の写真は、田中律子さんのInstagramから拝借しました)
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ナルゲス・モハンマディ著『白い拷問』(講談社)#読了
イランでは、女性が自由を求めたり、好きな服を着るだけで、思想犯・政治犯として逮捕されるらしい。
そして、衛生状態のよくない刑務所では、看守による自白の強要、鞭打ち、性的虐待、家族への脅迫、そして「白い拷問」が行われる。「白い拷問」とは、照明を操作した独房で昼夜の感覚を奪い、睡眠パターンを妨げ、時に目隠しをし、身体的接触をすべて奪うことで、囚人の身体と精神を蝕む非人道的な拷問である。「白い拷問」を受けた人物は、刑務所を出た後も健康上の問題を抱えることになり、神経疾患、心臓発作まで引き起こすこともあるという(P48〜)。
本書の著者、ナルゲス・モハンマディさんは、女性の権利や自由を求める権利を訴えたことなどにより、13回逮捕され、5回の有罪判決を受け、31回の禁固刑と154回の鞭打ち刑を言い渡される。2023年に獄中でノーベル平和賞を受賞したが、獄中にいたため、授賞式には10代の双子の息子が代理で出席したという。
本書は、ナルゲスさんによる獄中手記と、ナルゲスさんが獄中で行った13人の不当収監された女性受刑者へのインタビューをまとめたノンフィクション。多くの受刑者が、突然路上で逮捕され、超長期間にわたって独房に入れられ、悪辣な尋問、脅し、侮辱を受け、目隠しされ、太陽を見ることもなく、闘う気力も生きる勇気も粉砕されるという拷問を受けている実態に、読んでいて言葉を失う。インタビューを受けた人の中には身代金目的で身柄を6年間も拘束された外国人もいる。多くの囚人が身体・精神に異常をきたしている。
ある囚人は、こんなことを言っている。
いま一度強調しておきたいのは、無音で得体の知れない環境で生きる苦しみは、どれほど時間が経とうとも全く軽減されないということです。(P175)
なお、ナルゲスさんや、本書でインタビューに答えている方の略歴を見ると、多くの方が(国やその代表者を侮辱したなどの罪により)複数回の逮捕歴がある。国家を敵に回すようなことはすべきではないと思うが、それでも闘いを止めず、あらゆる危険にさらされながらも、自由、人権、平等を求めて声を上げ続ける不屈の精神はすごいとしか言いようがない。