100歳以上の健康な長寿の人たちがたくさん住んでいる地域を「ブルーゾーン」といい、それは世界に5ヶ所ある(世界5大長寿地域)。

1.イタリア/サルディーニャ島バルバギア地方
2.ギリシャ/イカリア島
3.コスタリカ/ニコヤ半島
4.アメリカ/カリフォルニア州ロマリンダ
5.日本/沖縄県大宜味村


BlueZone
出処


ダン・ビュイトナーという研究者が2004年から「ナショナル・ジオグラフィック」と組んで、この長寿地域の調査を行い、2010年に『ブルーゾーン』という書籍が日本でも刊行されたのだが、残念ながら絶版になり、中古でも1万円近くするほど価格が高騰してしまった。なので、仕方なく、私は洋書で購入したのだが、それを読み切る前に『ブルーゾーン』の2nd Editionの邦訳が再販された! これは嬉しい! 初版では「世界5大長寿地域」のうち4地域しか紹介していなかったのだが、2nd Editionでは残り1地域の紹介が追加され、「世界5大長寿地域」の紹介がそろったバージョンが初めて日本で紹介されることになった。


長寿の要因のうち遺伝子に左右されるものはわずか25%であり、あとの75%はライフスタイルや日常生活で選択する習慣に関わっているという(P24)。では、「ブルーゾーン」の人たちは、どのような習慣をしているのだろうか。本書では、それを「9つのルール」として紹介している(第7章)

▼健康と長寿の9つのルール
ルール1 適度な運動を続ける
ルール2 腹八分で摂取カロリーを押さえる
ルール3 植物性食品を食べる
ルール4 適度の赤ワインを飲む
ルール5 はっきりとした目的意識を持つ
ルール6 人生をスローダウンする
ルール7 信仰心を持つ
ルール8 家族を最優先する
ルール9 人とつながる

ルール1〜4は運動・食事の習慣であり、ルール5〜9は人間関係・コミュニティの習慣といえる。

「適度な運動」とはどの程度のものなのか、「人とつながる」とはどういうレベルのことなのかなどなど、具体的に「ブルーゾーン」の人たちが日常的に何をしているのかについては、それぞれの地域ごとに5章に分けて説明してくれている(第2章〜第6章)。例えば、沖縄では「模合(もあい)」という独特の風習・文化があるが(P112〜参照)、これが「ストレスを洗い流す文化的な仕組み」(P113)となっており、長寿の秘訣のひとつになっているといわれる。

他にも本書から学ぶことはめちゃくちゃ多い。健康や長寿に関心がある方は、読んだ方がいいと思う。