シンガポールにいた時に、先輩会計士から、「シンガポールにも事務所を構えたら?」と言われたコトバが、帰国後もずっと引っかかっています。
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日本公認会計士協会で登壇させて頂いた『独立会計士のためのマーケティング&ブランディング研修』の最後、質疑応答の時間を設け幾つかの質問にお答えしたのですが、その中で、
これ、非常に良い質問だと思いました。
結論からいえば、『全くこだわる必要がない』と考えてます。
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私が独立した時は、「個人名(武田雄治)では仕事が取れないんじゃないか」と思い、株式会社を設立しました。「資本金が少なかったら信用が得られないんじゃないか」と思い、資本金1000万円を集めました。「地元(兵庫県)が所在地では受注できないんじゃないか」と思い、独立直後に東京でバーチャルオフィスを借りました。HPにも名刺にも東京のバーチャルオフィスの住所を上におき、あたかも東京にある会社という見せ方をしました。
今となっては、ホントにバカなことをやったもんだと思ってます。事務所を契約するのに何百万も払い、会社を作るの何十万も支払い、人を雇い、備品を揃え、バーチャルオフィスを借り・・・・・・と、一体組織を維持するためにどれだけのカネを捨ててきたのかと。新車でフェラーリが買える位のカネを「ハコ」に使った。原資は親と銀行からの借り入れ。
以前も書いたことがありますが、私が組織を離れ、個人で活動することにした際に、それまでのクライアントさんに挨拶回りに行ったのです。すると、多くのクライアントさんが、『武田さんが組織を離れるなら、契約も武田さん個人に巻き直す』と言ってくれたのです。『我々は、武田雄治という個人と契約しているつもりです。武田雄治という個人の能力や技術を求めているのです。』と。
なんで最初から個人名で戦わなかったのかと悔やみましたね。人生をやり直せるものなら、もう一度やり直したいくらいに悔やんでます。
日本一のマーケッターと称されている神田昌典さんは、『ブランドとはロゴのことではなく、(略)どれだけのファンがいるかである』といってます(出処)。私のような独立会計士レベルでは、「会社名」や「ロゴ」はブランドには成り得ないわけです。「個人名」できちんとブランディング(=ファンを作ること)をやれば、事務所の場所が港区であろうが、千代田区であろうが、そんなの全く関係ありません。
私の名刺には、「武田雄治」の名前とメールアドレスしか書いてません。そこに港区の住所を書けば受注が増えるのかといえば、そんなことは全くない。格好良い横文字の社名を書けば受注が増えるかといえば、そんなことは全くない。ブランディングに加え、マーケティングをやれば、どこにいたって依頼はくるはずです。実際、私は住所を公開してませんし、完全に一人でやってますが、組織に属していたとき以上に仕事の依頼があります。
神田昌典さんは、『マーケティングとは、「あなたの商品がぜひ欲しい」というお客を営業マンの前に並ばせること』だとも言っています(前掲書より)。つまり、マーケティングとは、マスに訴えかけることではなく、見込客に「売ってくれ」と言ってもらうことだというのです(このマーケティング手法を、ダイレクト・レスポンス・マーケティング(DRM)といいます)。つまり、事務所維持費にフェラーリを買えるくらいのカネを使うくらいなら、「あなたの商品がぜひ欲しい」というお客を増やすための自己投資(と仕組み作り)にカネを使うべきなのです。
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ですから、話を戻しますと、会計士として独立開業する際に、開業する場所には『全くこだわる必要がない』と考えますが、これには2つ条件が付きます。一つは、人を雇わないのであれば。もう一つは、マーケティングとブランディングと自己投資をきちんとやるのであれば。
そうすれば、西宮にいたって、シンガポールにいたって、スターバックスにいたって、お客様に価値提供することはできると思います。
【関連記事】
2016/7/13 やがて哀しき起業家たち
2013/7/9 独立について
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日本公認会計士協会で登壇させて頂いた『独立会計士のためのマーケティング&ブランディング研修』の最後、質疑応答の時間を設け幾つかの質問にお答えしたのですが、その中で、
会計士として独立開業する際に、開業する場所にこだわった方が良いでしょか?という質問がありました。
これ、非常に良い質問だと思いました。
結論からいえば、『全くこだわる必要がない』と考えてます。
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私が独立した時は、「個人名(武田雄治)では仕事が取れないんじゃないか」と思い、株式会社を設立しました。「資本金が少なかったら信用が得られないんじゃないか」と思い、資本金1000万円を集めました。「地元(兵庫県)が所在地では受注できないんじゃないか」と思い、独立直後に東京でバーチャルオフィスを借りました。HPにも名刺にも東京のバーチャルオフィスの住所を上におき、あたかも東京にある会社という見せ方をしました。
今となっては、ホントにバカなことをやったもんだと思ってます。事務所を契約するのに何百万も払い、会社を作るの何十万も支払い、人を雇い、備品を揃え、バーチャルオフィスを借り・・・・・・と、一体組織を維持するためにどれだけのカネを捨ててきたのかと。新車でフェラーリが買える位のカネを「ハコ」に使った。原資は親と銀行からの借り入れ。
以前も書いたことがありますが、私が組織を離れ、個人で活動することにした際に、それまでのクライアントさんに挨拶回りに行ったのです。すると、多くのクライアントさんが、『武田さんが組織を離れるなら、契約も武田さん個人に巻き直す』と言ってくれたのです。『我々は、武田雄治という個人と契約しているつもりです。武田雄治という個人の能力や技術を求めているのです。』と。
なんで最初から個人名で戦わなかったのかと悔やみましたね。人生をやり直せるものなら、もう一度やり直したいくらいに悔やんでます。
日本一のマーケッターと称されている神田昌典さんは、『ブランドとはロゴのことではなく、(略)どれだけのファンがいるかである』といってます(出処)。私のような独立会計士レベルでは、「会社名」や「ロゴ」はブランドには成り得ないわけです。「個人名」できちんとブランディング(=ファンを作ること)をやれば、事務所の場所が港区であろうが、千代田区であろうが、そんなの全く関係ありません。
私の名刺には、「武田雄治」の名前とメールアドレスしか書いてません。そこに港区の住所を書けば受注が増えるのかといえば、そんなことは全くない。格好良い横文字の社名を書けば受注が増えるかといえば、そんなことは全くない。ブランディングに加え、マーケティングをやれば、どこにいたって依頼はくるはずです。実際、私は住所を公開してませんし、完全に一人でやってますが、組織に属していたとき以上に仕事の依頼があります。
神田昌典さんは、『マーケティングとは、「あなたの商品がぜひ欲しい」というお客を営業マンの前に並ばせること』だとも言っています(前掲書より)。つまり、マーケティングとは、マスに訴えかけることではなく、見込客に「売ってくれ」と言ってもらうことだというのです(このマーケティング手法を、ダイレクト・レスポンス・マーケティング(DRM)といいます)。つまり、事務所維持費にフェラーリを買えるくらいのカネを使うくらいなら、「あなたの商品がぜひ欲しい」というお客を増やすための自己投資(と仕組み作り)にカネを使うべきなのです。
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ですから、話を戻しますと、会計士として独立開業する際に、開業する場所には『全くこだわる必要がない』と考えますが、これには2つ条件が付きます。一つは、人を雇わないのであれば。もう一つは、マーケティングとブランディングと自己投資をきちんとやるのであれば。
そうすれば、西宮にいたって、シンガポールにいたって、スターバックスにいたって、お客様に価値提供することはできると思います。
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