今回シンガポールにやってきたのは、私が役員をやっている会社の打ち合わせ兼会食があったから。それ以外は特に予定もなく、プールサイドで本を読み、うたた寝しながら、英気を養おう・・・という気分で、何冊かの本を持ち込んだのですが、なんやかんやと予定が詰まり、殆ど読書も出来ぬ程にフル回転でした。
帰路、チャンギ国際空港のラウンジでぼんやりしようと思い、少し早めに空港に向かったのですが、MRT(地下鉄)で、「武田さん?」と現地駐在の会計士さんに声をかけられるという偶然も。なんという引きの強さ。そのまま一緒に空港に行って食事。お陰様で出国直前まで充実したbusiness tripとなりました。
シンガポールに限らず、多くの知り合いが海外で活躍されているのを見たり聞いたりすると、凹まされること半分、刺激を受けること半分。私が新人会計士の頃は、海外駐在=アメリカで、東南アジアは選択肢にもありませんでしたが、時代の変化を先取りして東南アジアにやってきた人達は先行者利益を得ている人もいるし、ウハウハ状態の人もいる。もちろん、光と影でいえば、影の方が大きいわけで、それなりの苦労もされていると思いますが、私が選択肢になかった道へ進まれた方の話は面白い。
2〜3年前にホーチミンで再会したKPMG時代の先輩が、なぜかシンガポールに在住している。聞いてみると、「住環境を考えた結果、シンガポールに住むことにした」と。住みたい場所が優先順位のトップにあり、シンガポールに住むためにホーチミンの事務所を辞めて、家族で移住、独立・開業したようです。私も、「優先順位付け」で人生が変わると思っているため、この先輩のお話しは非常に共感できました。「武田さんのような働き方なら、西宮じゃなくて、シンガポールでも良いんじゃない?」って言われましたが、それも選択肢としてはアリだと思います。東京までの移動時間が若干増えるだけで、どこにいても仕事は出来ますので。
そんな先輩との再会をSNSにアップしたら、別の公認会計士の知り合いから連絡がありました。「実は今シンガポールにいるので、お会いしませんか?」と。訳あってシンガポールに移住したことを周囲に内緒にしていたようです。直ぐにお会いしました。この会計士さんは、私と同じ歳なのですが、日本でも海外でも活躍された経験があるだけでなく、上場企業を外からも中からも見てきたという稀有なキャリアの持ち主であり、さらに地頭がめちゃくちゃ良いクレバーな方ので、会う度に刺激をもらいます。今回も相当色々なことを教えてもらいましたが、特に印象に残っているのは、「シンガポールにも多くの日本人会計士がいるけど、大きなビジネスが出来ない」という話。なぜか。それは他の国民と比べて圧倒的に英語が喋れないから。妙に納得。発注者の立場に立てば、会計、財務、税務を英語でコミュニケーション出来ない人に、仕事の依頼は出来ない。
専門的な話になるけど、シンガポールでは2017年から監査報告書が長文化されたり、サステナビリティー報告書が義務化されたり、変革の1年となるらしい。何事もスピードが早過ぎる。
公認会計士以外では、シンガポールで(いわゆる)“EXIT”をしたベンチャー経営者とも食事をしました。どれだけの富を得たのかまでは存じ上げませんが、話す内容も、頼むワインもぶっ飛んでいました。久しぶりに自分のリミッターを解除してくれた人に出会いました。
他にも色々なことがありましたが、この辺で。
濃密な2日半でした。
帰りの飛行機で、映画「君の名は。」と「シン・ゴリラ」を観ましたが、両方共非常に面白かったです。特に、「君の名は。」はアニメ映画の常識を覆した感がありますね。唸りました。