ひとはなぜ戦争をするのか (講談社学術文庫)
アルバート アインシュタイン
講談社
2016-06-11



昨日紹介した加藤陽子著『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』 (新潮文庫)を読んだ後に、「戦争」に関する本を数十冊買ったのですが、そのうちの1冊がこれ。

アインシュタインとフロイトの往復書簡。

書簡が交わされたのは1932年。ナチス政権が生まれる前の年。アインシュタイン53歳、フロイト76歳、共にユダヤ人。

アインシュタインからフロイトへの質問が、
『人間を戦争というくびきから解き放すことはできるのか?』

これに対して、フロイトが少し長い返信を送りますが、これが少し驚きの内容。

フロイトの専門である精神分析の理論を交えながら、人間にも、どのような生物にも、「破壊欲動」というものがあるため、「人間から攻撃的な性質を取り除くなどできそうにもない!」(P45)というのです。

だから、戦争を克服する間接的な方法が求められる。

ここで、「文化の発展が人間の心のあり方に変化を引き起こす」(P53)・・・という話になり、その心のあり方と、戦争がもたらす惨禍への不安が、戦争をなくす方向に人間を動かしていくと期待できる(P55)という話になるのですが、これは想像もしてなかった展開。さすがのフロイト先生。

しかし、この往復書簡から80年以上経っても、戦争が消えることはありません。この80年の間の文化の発展により我々は何を得たのでしょう。あれこれと考えさせられました。