本田健さんが、『読書』について書き下ろし。
プロローグより。
読書には、挙げればキチがないほどたくさんの効用がありますが、一番は、「人間的な成長に役立つ」ということではないかと私は考えます。
本を読むことで、自分と向き合い、人生の方向性を考え、時には軌道修正をする。そんなことが、読書で可能になるのです。
この、自分と向き合うということを、試行錯誤しながら進めていくことが、私は人生の醍醐味だと考えています。
多くの人は、遠回りに見えるこの作業を怠ります。でも、そのツケは、あなたが思っているより大きいのです。
自分が誰なのか、何のために自分は生きるのか、といったことがわからなければ、どれだけ社会的に成功しても、幸せにはなれないからです。
この文章、隅から隅まで同感です。
この文章だけは何度も何度も読み返しましたが、私が言いたいことを代弁して下さっているようです。
社会人になってから今まで月数十冊の本を読んでますが、何が私をそうさせているのかといえば、この文章の通りなんだろうと思います。読書が、仕事に必要な知識・ノウハウを与えてくれ、生きていくのに必要な教養を与えてくれ、思索する時間を与えてくれ、人間力を高めてくれ、自分や著者と対峙させてくれ、インスピレーションを与えてくれ、生きたい方向を示してくれ、自分の可能性を感じさせてくれ、人間的な成長を持続させてくれているのだと思います。大袈裟かもしれませんが、そう思ってます。
また、本書にも書かれていますが、読書によって人と人が繋がり、そして、本について語り合える友がいるというのは本当に幸せで贅沢なことです(P42〜、P189)。ブログでこうやって本の紹介をすることによって、リアルの世界で本が好きな仲間ができたり、著者に会えたりすることも贅沢なことです。
なお、本田健さんの本は、非常に柔らかい語調の中に何箇所か棘のある表現が混じっているという特徴があり、個人的にはそういう所にこそ本田健さんの主張があるのではないかと解釈しているのですが、今回も出版業界に対する苦言を呈されておりました。「複数回読むに堪えられないような質」(P62)の本や、「気の抜けたジンジャエールのような本」(P151)が多いと。
ホントに良い本は、「10冊に1冊」(P152)、もしくは「100冊に1冊」(P153)という感覚を持っておくと共に、量を読むのではなく、質の良い本を選ぶことが自分の人生を高めるために必要なことです。
本書の末尾に、本田健さんオススメの名著111冊が紹介されています。これ、めちゃくちゃ贅沢。