続き

今日紹介する本は、東大合格者数全国一位に導いた灘校の伝説の教師、橋本武先生に関する書籍を2冊。

昨年101歳で逝去されましたが、この橋本武先生の授業は『奇跡の授業』として書籍・テレビ等でも取り上げられたことがあります。

その授業とは、教科書を一切使わず、中勘助の小説『銀の匙』を中学の3年間をかけて読み込むというもの。

『銀の匙』は非常に薄い本ですが、これを3年もかけて読むわけです。
『銀の匙』の中で凧揚げのシーンが出てくると運動場に出て凧揚げをし、駄菓子が出てくると駄菓子を食べ、小説のシーンを「追体験」していくという授業をされていたようです。

なんでこんな授業をするのか。
それは、橋本武先生自身が、自分が受けてきた国語の授業の内容がほどんど記憶に残っていないことに愕然としたから。

本をたくさん読んでも、記憶に残っていないものもありますが、それだと読んだ意味がない。だから、橋本武先生は、ただ本や教科書を読むだけではなく、当たり前だと思っている言葉に立ち止まってみたり、クラスで話し合ってみたりと、「体験」「経験」することを重視する授業を行ったのです。

この「スローリーディング」が、東大合格者数全国一に導いたといいます。



橋本先生には、以下の様な「教育哲学」ともいうべき信念があったようです。
 ●学ぶことは遊ぶこと
 ●当たり前のことに疑問をもつ
 ●意味がなくても面白ければいい
 ●横道にそれる
 ●すぐに役立つことはすぐに役立たなくなる

学びの要素は日常の中にあり、その中で疑問を持ち、じっくり考えるという思考・判断をすることが本当の学ぶ力になる。

私は、橋本先生の授業を知った時は衝撃を受けましたが、1冊の本をじっくりと読む大切さを知りました。

ただ、橋本先生は多読、乱読も必要だと考えておられました。「教養のための詰め込み」は必要であるが、「考える力を身に付けるため」に一冊の本をじっくりと読み込むことも必要。この両輪がそろうことにより、人生における難題を乗り越えることができる、といいます。



1時間で読む本もあれば、何年もかけて読む本もある。

1冊の本に集中することもあれば、何冊もの本を並行して読むこともある。

それでいいのです。

横道にそれていい。面白ければそれでいい。



人生二度なし。
良い本で、良い人生を。
No Fun,No Life !!