読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門
著者:佐藤 優
販売元:東洋経済新報社
(2012-07-27)
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知の巨人・佐藤優氏の新刊書『読書の技法』

知的生産活動を行う者、必読です。

全体を通して、「時間は有限であり希少財である」(P88)という大原則を前提に書かれています。そのため、「既知の部分を何度読んでも時間の無駄」(P27)であり、「教養のための(略)というような、動機があいまいなままだらだら学習することは時間と機会費用の無駄」(P171)であり、「仕事だけでなく読書についても優先順位をつけることが必要」(P249)と、時間の使い方については相当シビア。

筆者は毎月300冊くらいの本に目を通しているということでかなりビビリましたが、熟読している本は平均4〜5冊(P26)といいます。ただ、そのような本は「3回読む」(P63)ようなので、他の本は熟読することを余儀なくされるようです。「速読術は、(略)読む必要のない本を排除するために必要」(P5)とのこと。

本書は、時間の使い方と共に「基礎知識」の大切さを説いていることも特徴かと思います。「基礎知識」とは、高校レベルの知識を基本(P115)とし、教科書や学習参考書の活用法についても述べられれています。これは個人的にとても参考になりました。

全体的に、「読書の技法」に限らず、知の巨人の物の見方・考え方、表現の仕方まで書かれており、非常に面白く、刺激になった一冊でした。

それにしても、「400字詰め原稿用紙換算で、月1000枚を超える執筆が続いている。」(P4)というのはマネできない・・・・。