本を出版したいという方から「企画書の書き方を教えて欲しい」という依頼が結構あります。

私は何冊か書籍を出したことはあるものの、2つの出版社から出したに過ぎませんので、出版業界のことは何も知りませんが、おそらく出版企画書に決まったテンプレート(雛形)も、決まった書き方もないと思います。

出版社の内部には決まった出版企画書のテンプレート(雛形)があり、それを編集者が記載して、編集会議のようなものにあげるのではないかと思われますが、我々がそのテンプレート(雛形)を入手することは出来ません。

ですので、我々が作らなければならない「出版企画書」といわれるものは、出版社の編集会議にあげる資料を作ることではなく、編集会議にあげてくれる編集者へのラブレターと考えた方が良いと思います。ラブレターに決まったテンプレート(雛形)はないように、出版企画書にも決まったテンプレート(雛形)はなく、むしろ「出版への想い」を伝えることが大切だと思います。

ただ、情熱だけで企画がとおるわけではないので、最低限必要なことを盛り込んでおく必要があります。

私の数少ない経験ではありますが、以下の3つは編集者へ伝える必要があると思います。

まずは、( こちらにも書きましたが)類書がないということを示すこと。類書があるとしても、類書と何が違うのかという差別化要因を示すこと。出版する意義を示すこと。

次に、目次。これは、「章」だけでなく、「節」「項」レベルまで示すこと。「章」だけだと中身がさっぱり伝わらないと思います。なお、書き手側からしても「項」レベルまでガッチリと目次が固まっているかどうかで、執筆速度は大幅に変わります。

最後に、著者プロフィール。特に初めて書く人は重要だと思います。
「公認会計士武田雄治 大手監査法人出身、現在コンサルティング会社役員」な〜んてプロフィールの人間、面白いですか? 面白くないですよね。本を書店で手にとってくれた人は、「表紙」「目次」「著者プロフィール」の3カ所を見ることが多いようです。このうち、どこか一つでもつまらないと感じるものがあれば、その本は本棚に戻されます。企画段階でも同様。出版社は「あんた何者?」と思ってますから、「こんなオモロイ人間だぜ!」ってことをアピールしてください。

なお、タイトルも決めておくべきですが、タイトルで企画が通ることはないと思います。はやり、中身(目次)が大切です。私の経験上、タイトルは出版段階で変わります(変えられます)。

書きたいことはまだありますが、私のようなド素人が差し出がましいことを書くと編集長に笑われそうですので、この辺で止めておきます。

まぁ、ラブレターだけで恋は実りませんから、出版企画書作りにナーバスになるよりも、編集長となんとかして会って、話をして、くどき落として、「そこまで言うなら・・・」と恋に落ちてもらう方が早いかも。