松下幸之助「最後の言葉」 角川SSC新書 (角川SSC新書)著者:秋葉 賢也
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(2011-01-08)
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内閣総理大臣野田佳彦氏は、松下政経塾に第1期生。
本書の著者・秋葉賢也氏は、松下政経塾の第9期生。
秋葉賢也氏が松下政経塾の入塾した1988年は、松下幸之助が93歳と時。松下幸之助は94歳でご逝去されているので、第9期生の秋葉賢也氏は、松下政経塾における“最後の直弟子”となった。
本書は、松下幸之助の“最後の直弟子”である秋葉賢也氏が、松下幸之助という人物や、松下政経塾の教えを紹介している本。
「水道哲学」の話や(P36〜)、「新しい人間観の提唱」や(P65)、「松下政経塾 塾訓」「松下政経塾 五誓」(P85)など、改めて聞く内容も含まれれるが、非常に共感できるものである。
それより何より、(野田内閣発足直後に本書を読んだだけに)「無税国家」構想の話(P32〜)は、深く考えされられる話だった。
松下幸之助は1953年から15年にわたって個人所得税納税額が全国1位か2位だったらしい。その松下幸之助が、1964年に、日本経済新聞において『税金の適正化を望む』と、以下のような提言をしていたらしい。
『租税は国家運営の財政的基盤である。しかし、国民の心情を無視した重税は納税意欲を減退せしめ、国家社会に対する義務観念を弱めて、一般の道義をも衰えさせる結果となる。政治の衡に当たる方々は、政治の生産性を高めるとともに、低率の税金で税収を増大する道を工夫するように切望する。』
そして、国家に「ダム式経営」を入れることにより、「無税国家」は「必ずできる」と言っていたらしい。
残念ながら、その後も税収で国家予算がまかないきれない状況が続いている。「もし松下幸之助が首相だったら・・・」と考えてしまうエピソードである。
野田佳彦首相や、秋葉賢也氏など、松下政経塾を卒業した国会議員さんには、松下政経塾の教えに沿って政治をまともに「経営」してほしいと期待するばかりである。
(ちなみに、松下政経塾の「政経」とは、政治経済ではなく、政治経営のこと。政治も経営も同じという松下幸之助の考えが根底にある。)
【松下幸之助に関連するオススメ本】
『エピソードで読む松下幸之助』(PHP総合研究所)
『松下幸之助 成功の法則』(江口克彦)










