アホは神の望み (サンマーク文庫 む 1-7)
著者:村上 和雄
販売元:サンマーク出版
(2011-04-11)
販売元:Amazon.co.jp
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待望の文庫化!
人間の身体の中には60兆個もの細胞がある。世界の人口が69億人といわれているから、その1万倍もの小さな生き物が一人の人間の体の中にぎっしり集まっているということだ。それだけの生き物が集まっていても、いじめや戦争もなく平和的に共存して、互いに助け合いながら絶え間なく生存活動を行なっている。
そして、私たちは、遺伝子を活用して一つの細胞を万能細胞化する技術を手に入れたが、その細胞一つをゼロからつくり出すことは未だもって出来ない。
著者は、「これは科学の限界というよりも生命がすごすぎるのです」(P209)という。
著者の村上和雄教授は、遺伝子研究の権威。
この遺伝子という超ミクロの世界を日々覗いていると、信じられないほど精緻で絶妙で美しくさえもある存在、機能は、人間が作り上げたものでもなく、自然に出来上がったものでもなく、いったい誰がどのようにして描いたのかという感嘆の思いにとらわれるという(P71、P217)。この人知を超える「偉大な何か」を、著者の村上和雄教授は「サムシング・グレート」と名付けている。
つまり、私たちの生命の大もとは人間の力を超える不思議で偉大な力が働いていて、それによって私たちは生かされているのである(P218)。
では、その偉大な力である「サムシング・グレート」は我々に何を求めているのか。
以下、少し長いですが、引用します。読んでみてください。
『大いなるものの意志は、いまこの世に生きている私たちに何を求めているのでしょうか。神のほんとうの望みとは何なのか?
一つは、前いった「つつしみの心」だと思います。他の生命には備わっているのに、人間だけがそれを失うか忘れるかしている節度や調和や「おかげさま」の心です。そして、もう一つは「愚かさを守る」心ではないでしょうか。
その愚かさを守る生き方についてはこれまで述べてきました。すなわち、小利口でこざかしい知識や知恵、速度や効率、駆け引きや計略、私利私欲や傲慢さ、おごりや増長、攻撃性や支配性、鋭いが冷たい理知――そういうものには無縁か、距離を置きながら、目に見えないものを信じ、先を急がず、ゆったりとかまえ、学問や知識は多くなくても、自分の信じる道を正直に地道に歩み、手間を惜しまず、回り道を厭わない。
時代遅れで融通もきかず、利にも疎いが、焦らず、いばらず、くさらず、わずかなことで満足を覚え、不平不満よりは感謝の言葉が多く、批判的であるより親和的で、悲観的より楽観的で、いつもニコニコ笑みを絶やさず、でくのぼうのようなぬくもりをにじませつつ、人を裁くよりは許して、「自分などたいした人間ではない」と自己への戒めを忘れず、命とは何か、生きるとは何かについて時間をかけてゆっくり考え、大きな回路をぐるりとめぐって大きな答えにたどり着く。
そんな鈍く、遅く、重い生き方をしながら、自分の中の「愚」をひそかにしっかりと守ること。その深く大きな愚かさを一生涯かけて貫くこと。神が望んでいるのはそういう生き方ではないでしょうか。
スティーブ・ジョブズ流にいえば「Stay foolish」、かしこく小さくまとまるよりも、大きな愚か者であれ。器の大きなアホであれ。天の理が求め、サムシング・グレートが喜ぶのは、人間のそういう心のあり方や生き方なのだと思います。「陽気な心」もその一つでしょう。明るく前向きで、いつも喜ぶことや笑うことを忘れない心です。いい加減でいいとはいいませんが、パーフェクトばかり求めていても人間は行き詰まってしまうものです。心も苦しくなるばかり。
だから、「ああ、ダメかな」と思ったら、鏡の前で一人、ニッコリ笑ってすませてしまえばいいのです。笑えば邪気や暗い心も少しは晴れ、やり直そうという気持ちもわいてきます。人間、笑えるうちは大丈夫。人生は勝ち負けではないが、泣くよりは、たくさん笑ったほうが勝ちなのです。
そういう笑い上手、喜び上手が神さまから好まれる人であり、笑いや明るい心を保つ「陽の力」が体の健康を回復、増強し、いい遺伝子のスイッチをONにする効能があることは本書で述べてきたとおりです。
もちろん人生は、そうそううまくいくこばかりでもなければ、笑ってすませられることばかりでもありません。しかし、厳しく苛烈であるからこそ、私たちは喜びをもって生きることを忘れてはいけない。喜びがどこからかもたらされるのを待つのではなく、どんなささやかなことでもいいから、自分から喜びを探し出して、その日一日の収穫として喜ぶ「陽の思想」が大切になってくるのです。
そのような喜びの心、おかげさまの心、つつしみの心。そういうものが私たちの体を満たしたとき、私たちの命はいきいきと豊かに息づき、私たちの人生も幸福の歩みを始めるのではないでしょうか。
したがって、いっけん鈍重に見え、愚かとも思える生き方こそが、実は苦しいこの世を生きていくために神が人間に授けた知恵である――そのことをできるだけたくさんの人に知ってもらい、また、実践してもらうために、私は残されたこの世での時間を精いっぱい使いたいと考えています。
アホは神の望みであり、命はすばらしいものである。サムシング・グレートが黙示するその教えを、社会に広く伝えるメッセンジャー役を果たすことがこれからの私に課せられた大きな仕事なのです。』(P228〜)
〔文庫〕生命の暗号 (サンマーク文庫)
著者:村上和雄
販売元:サンマーク出版
(2004-02-17)
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サムシング・グレート―大自然の見えざる力 (サンマーク文庫)
著者:村上 和雄
販売元:サンマーク出版
(1999-06)
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著者:村上 和雄
販売元:サンマーク出版
(2011-04-11)
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待望の文庫化!
人間の身体の中には60兆個もの細胞がある。世界の人口が69億人といわれているから、その1万倍もの小さな生き物が一人の人間の体の中にぎっしり集まっているということだ。それだけの生き物が集まっていても、いじめや戦争もなく平和的に共存して、互いに助け合いながら絶え間なく生存活動を行なっている。
そして、私たちは、遺伝子を活用して一つの細胞を万能細胞化する技術を手に入れたが、その細胞一つをゼロからつくり出すことは未だもって出来ない。
著者は、「これは科学の限界というよりも生命がすごすぎるのです」(P209)という。
著者の村上和雄教授は、遺伝子研究の権威。
この遺伝子という超ミクロの世界を日々覗いていると、信じられないほど精緻で絶妙で美しくさえもある存在、機能は、人間が作り上げたものでもなく、自然に出来上がったものでもなく、いったい誰がどのようにして描いたのかという感嘆の思いにとらわれるという(P71、P217)。この人知を超える「偉大な何か」を、著者の村上和雄教授は「サムシング・グレート」と名付けている。
つまり、私たちの生命の大もとは人間の力を超える不思議で偉大な力が働いていて、それによって私たちは生かされているのである(P218)。
では、その偉大な力である「サムシング・グレート」は我々に何を求めているのか。
以下、少し長いですが、引用します。読んでみてください。
『大いなるものの意志は、いまこの世に生きている私たちに何を求めているのでしょうか。神のほんとうの望みとは何なのか?
一つは、前いった「つつしみの心」だと思います。他の生命には備わっているのに、人間だけがそれを失うか忘れるかしている節度や調和や「おかげさま」の心です。そして、もう一つは「愚かさを守る」心ではないでしょうか。
その愚かさを守る生き方についてはこれまで述べてきました。すなわち、小利口でこざかしい知識や知恵、速度や効率、駆け引きや計略、私利私欲や傲慢さ、おごりや増長、攻撃性や支配性、鋭いが冷たい理知――そういうものには無縁か、距離を置きながら、目に見えないものを信じ、先を急がず、ゆったりとかまえ、学問や知識は多くなくても、自分の信じる道を正直に地道に歩み、手間を惜しまず、回り道を厭わない。
時代遅れで融通もきかず、利にも疎いが、焦らず、いばらず、くさらず、わずかなことで満足を覚え、不平不満よりは感謝の言葉が多く、批判的であるより親和的で、悲観的より楽観的で、いつもニコニコ笑みを絶やさず、でくのぼうのようなぬくもりをにじませつつ、人を裁くよりは許して、「自分などたいした人間ではない」と自己への戒めを忘れず、命とは何か、生きるとは何かについて時間をかけてゆっくり考え、大きな回路をぐるりとめぐって大きな答えにたどり着く。
そんな鈍く、遅く、重い生き方をしながら、自分の中の「愚」をひそかにしっかりと守ること。その深く大きな愚かさを一生涯かけて貫くこと。神が望んでいるのはそういう生き方ではないでしょうか。
スティーブ・ジョブズ流にいえば「Stay foolish」、かしこく小さくまとまるよりも、大きな愚か者であれ。器の大きなアホであれ。天の理が求め、サムシング・グレートが喜ぶのは、人間のそういう心のあり方や生き方なのだと思います。「陽気な心」もその一つでしょう。明るく前向きで、いつも喜ぶことや笑うことを忘れない心です。いい加減でいいとはいいませんが、パーフェクトばかり求めていても人間は行き詰まってしまうものです。心も苦しくなるばかり。
だから、「ああ、ダメかな」と思ったら、鏡の前で一人、ニッコリ笑ってすませてしまえばいいのです。笑えば邪気や暗い心も少しは晴れ、やり直そうという気持ちもわいてきます。人間、笑えるうちは大丈夫。人生は勝ち負けではないが、泣くよりは、たくさん笑ったほうが勝ちなのです。
そういう笑い上手、喜び上手が神さまから好まれる人であり、笑いや明るい心を保つ「陽の力」が体の健康を回復、増強し、いい遺伝子のスイッチをONにする効能があることは本書で述べてきたとおりです。
もちろん人生は、そうそううまくいくこばかりでもなければ、笑ってすませられることばかりでもありません。しかし、厳しく苛烈であるからこそ、私たちは喜びをもって生きることを忘れてはいけない。喜びがどこからかもたらされるのを待つのではなく、どんなささやかなことでもいいから、自分から喜びを探し出して、その日一日の収穫として喜ぶ「陽の思想」が大切になってくるのです。
そのような喜びの心、おかげさまの心、つつしみの心。そういうものが私たちの体を満たしたとき、私たちの命はいきいきと豊かに息づき、私たちの人生も幸福の歩みを始めるのではないでしょうか。
したがって、いっけん鈍重に見え、愚かとも思える生き方こそが、実は苦しいこの世を生きていくために神が人間に授けた知恵である――そのことをできるだけたくさんの人に知ってもらい、また、実践してもらうために、私は残されたこの世での時間を精いっぱい使いたいと考えています。
アホは神の望みであり、命はすばらしいものである。サムシング・グレートが黙示するその教えを、社会に広く伝えるメッセンジャー役を果たすことがこれからの私に課せられた大きな仕事なのです。』(P228〜)
〔文庫〕生命の暗号 (サンマーク文庫)
著者:村上和雄
販売元:サンマーク出版
(2004-02-17)
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サムシング・グレート―大自然の見えざる力 (サンマーク文庫)
著者:村上 和雄
販売元:サンマーク出版
(1999-06)
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