最近連日のように会食が入っているが、以前から一回り、もしくは二回り、なかには二回り以上、年上の方と食事することが多い。よく私みたいな若造を誘ってくれるもんだと不思議に思っていたが、先日、某社の社長さん(=おそらく二回りくらい年上の方)と食事をしている時にこんなことを言ってくれた。

「武田さんと話がしたいんですよ。
 なぜかって、何年経っても話の軸が変わらないでしょ? 
 これからも絶対にブレないでしょ? 
 信念があるから、面白いんですよ。
 話を聞きたくなるんですよ。」と。

ますます不思議が増幅するお言葉だ。
人前で話すことにコンプレックスを抱いている私が、人生の大先輩にこんなことを言われようとは。
思い返せば、今まで何度かこんなことを言われたような。

私は、監査法人や上場企業での勤務経験から「経理を変えれば会社は変わる」と言い続けてきた。今でも言っているし、死ぬまで言うだろう。私自身の理念でもあり、信念でもある。

この前、誰もが知っている某上場企業の経理部の方から嬉しいメールを頂いた。私のブログを以前から毎日見てくれており、著書も購入してくれたらしい。複数の会社の経理部で勤務した経験から、「経理を変えれば会社は変わる」という私の掲げていた理念にシンパシーを感じてくれ、私に顧問になって欲しいという内容だった。もちろん快諾した。理念・信念に共感してもらえるということは、生きる上での最大級の喜びである。

会社のHPや会社案内に、「お客様のために・・・」とか、「クライアント・ファーストで・・・」とか書いているのを見ると、「もーいいよ!」と思ってしまう。そんなもの理念でも何でもなく、言わずもがなであり、そういうことを掲げている会社に限って、“お客様第一”なんて思っていないはずだ。

理念も信念もなかったら、儲かりそうな話があったらそっちへ行ったり、流行ると思ったらすぐに飛びついたり・・・と、ふらふらとした生き方をすることになる。節操がないと思うし、小人の最たるものだと思う。それが“お客様第一”につながるわけがない。“お客様第一”とは、お客様のために何かしてあげることではない。自らの理念・信念を貫くことだと思う。努力して、反省して、修養しなければならない。そうすれば、結果として、お客様に喜んでもらえ、また話を聞きたいと思ってもらえるのだと思う。“結果として”お客様のためになっているかどうかであり、それを目的にするのは何か違うような気がする。

話は戻るが、私の軸は生涯ブレることはない。



【関連記事】
2009/10/15 自然体
2009/11/24 天職というのは天から与えられるものではない!