公認会計士武田雄治のブログ

公認会計士武田雄治のもう1つのブログです。

仕事のはなし

合格発表

今日はは公認会計士試験の合格発表の日でした。
合格された皆様、おめでとうございます。


公認会計士試験の合格発表日になると、(私以外の公認会計士さんも同じだと思いますが)自分が合格した日のことを思い出します。

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合格者名簿が張り出された近畿財務局のシーン、受話器の向こうの父親の雄叫び、そのまま直行した新大阪駅までの道のり、東京駅に着いてから(内定をもらっていた)監査法人までのタクシーの中のソワソワ感、監査法人での熱烈歓迎ぶり、マンションを探すために立ち寄った大森の不動産屋、生まれて始めて食べた(そして最初で最後の)「富士そば」の黒い出汁の蕎麦の違和感、尊敬する大先輩M会計士にご馳走になったお寿司屋さん・・・・・・、人生で最も濃い1日といってもいい。

ずっと崖っぷちで生きてきて、落ちこぼれだった人間が、この1日だけで何十人という人から「おめでとう」を頂いた。

しかし、不安だらけ。

実質初めての東京での生活。初めての社会人生活。初めての会計士生活。友達ゼロ。同期は東大卒・慶応卒ばかり。ほとんど年下。関西学院は「かんさいがくいん」と言われ、「関西人のくせに大人しいな」と意味不明なことを言われる。スタート地点からハンディキャップを負っているような気分だった。会計士になったという自信もプライドも、都会のど真ん中に放り出されたら全く無力で、恐怖すら感じたのを今でも思い出します。

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新人研修が終わってからは、何かに取りつかれたようにアクセルを全開で突っ走ってたように思います。ブレーキを踏んだ記憶がない。先日、監査法人のOB会に行った際、かつて大変お世話になった大先輩と久々に再会しましたが、「今の監査法人では、かつての武田のような働き方は出来なくなってしまったんだよ」と言われました。ブラック企業の典型のような法人でしたが、「超ホワイトになってしまった」と。その大先輩と何度も朝日が登る時間まで監査をしたものですが、時代は変わってしまったようです。

労働時間が長ければいいってもんじゃありませんが、若くて体力があるうちは、自分に多少の負荷をかけてでも働き、できるだけ多くのものを吸収した方がいいと思っています。また、できるだけ若い年次のうちに、できるだけ高い所へ飛び上がった方がいいと思っています。入社して2〜3年で付けた差は、その後も縮まることがありませんから。

合格された方は、私と同じように不安だらけかもしれませんが、大きな志、大きな夢をもって、飛び上がって欲しいです。自分のため、クライアントのため、社会のために。

監査法人の中

今日、某監査法人を表敬訪問しました。で、特別に執務室を内覧させてもらいました。監査法人の執務室に入るのは約10年ぶりです。10年経っても何も変わっていませんね。懐かしい風景、懐かしい匂い。かつて兵隊になって働いてきた時のことを想い出しました。あれが私の原点でした。

今はあんな働き方を許してもらえないのかもしれませんが、若い間にどれだけ吸収し、どれだけ高い所に飛び上がるかが、残りの30年、40年のビジネスライフを決めるのではないかと思います。(上から目線で言ってる訳でははありませんが)若い会計士さんには素晴らしい環境の中で、おもいっきり頑張って欲しいと思います。

プレゼン力

先日、ある会計系フォーラム(シンポジウム)に参加しました。こういうフォーラムは、会計系の学者、会計系のシステム会社、独立会計士、監査法人などが講演を行った後に、パネルディスカッションや懇親会を行う・・・って流れになることが多いと思います。

この類のフォーラムに参加する度に思うのですが、監査法人の方々の講演は聞くに堪えないですね。文字だけのパワーポイントを作り、その文字をひたすら読み上げるだけという講演者がなんと多いことか。「伝えたい」「教えたい」「理解して欲しい」・・・といった感情はないのだろうか、っていつも思います。

同業者をdisっている訳ではありません。同じように思っている参加者は少なくないと思うのです。「会計士の話はいつもつまんね〜なぁ〜」って思われるのは残念でなりません。

プレゼン力を鍛えてほしい。
パワーポイントに文字の羅列をやめてほしい。
講演中に文字を読むのをやめてほしい。

我々が聞きたいのは文字になっていない情報ですから。

高い授業料を払って学んだこと

トラブルになって訴えられたとか、争いごとがあり訴えたとか、知人がSNSに書き込みをしているのを目にしました。私も似たような経験を何度もしているので、さらっと書き込んでいる裏でどれほどもがき苦しんでいるのかが痛いほど分かります。原告であろうが、被告であろうが、裁判は精神的に辛いし、途轍もない時間を喰う。

私が生まれて初めて関わった裁判は被告側でした。裁判所から見たこともないような高額切手が貼られた郵便物が届くんですよね。「なんじゃ?」と思って開封すると訴状が入っている。そこで初めて訴えられたことを知る訳です。人によっては血の気が引いてぶっ倒れると思います。そこから長い長い闘いが続く。私の場合は訴えられる筋合いのない訴訟だったので、逆に損害賠償請求訴訟を起こしてやりましたが、それでも全ての裁判が終わるまでに2年はかかったでしょうか。優秀な弁護士を雇ったから負けることはないと思ってましたが、それでも疲れました。

結審後、弁護士に御礼の挨拶に行った際に、弁護士から言われた言葉を忘れないようにしています。

「思った通りの結果になって良かったけど、脇が甘かったね。」

身近な相手ほど揉める、ってことを授業料(=弁護士報酬)を払って教えてもらいました。それ以降、契約書を締結せずにビジネスを開始することは絶対ありませんし、借用書なしにカネを貸すことも絶対にありませんし、知らない人には基本的に会うこともありません。私なりの防御本能です。

どれだけ防御してもどうにもならないこともありますが、防御していければ防ぐことができるトラブルは多くあります。弁護士は揉めてから雇うのでは遅いのです。できる限りの自己防御をしておかなければ、カネと時間を失うことになります。そういうことを30代前半で経験できたことは、残りの長い人生を考えると良かったのかなぁと思います。

転職相談

随分と懐かしい方からメールがありました。10年位まえに決算早期化コンサルティングで関与したクライアントの経理部の方から。

で、7〜8年ぶりにお会いしました。

案の定、転職の相談でした。某上場企業と経営統合することになったが、統合先の企業と社風が違い過ぎるし、そこの経営者とも肌が合わないから、転職しようと思うと。

長年経理畑におられた方ですが、これからも経理をやりたいとのこと。

私は経理部から経理部に転職することを考えている方には、売上高が1桁大きい会社に転職することを薦めています。桁が1つ増えるということは、桁違いのビジネスをやっているということですから、取引の数も、内容も、質も、全く違う世界になります。勉強しなければならないことが確実に増えますが、勉強することが多いということは自分のValueが上がるということです。今までの経験を元に、より大きな世界に飛び込むことをオススメしています。

その方も、早速エージェントに登録されたようです。良い出会い・良いご縁があることを祈っています。

バランス経営の重要性

都内某所にて、ある経営者向けセミナーに登壇させて頂きました。

ご依頼を受けたテーマは、『バランス経営の重要性』について。

プライベートとビジネスのバランスをどのように取っていくのかという、私としても関心のあるテーマです。

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私は、監査法人時代も独立した後も、色んなものを犠牲にして仕事に打ち込んでいました。独立直後は都内にマンションを借りて、寝る直前まで仕事をし、起きた直後から仕事を再開する、という生活でした。ほぼ毎晩接待漬けで、今より20キロ以上太っており、30代前半にて高脂血症・肝障害・痛風手前・太りすぎて腰痛が治らないというヒドイ有様。それでも仕事に打ち込み、売上高を伸ばし続けることが経営者として正しいことだと疑いませんでした。売上が1億を達成すると、次は2億、3億、5億・・・と上へ上へと目指していくことだけを考えました。

しかし、肉体的な面よりも、精神的な面でおかしくなっていきました。「何のために働いているのか」という根本的なところの意味を問うようになりました。

自分ががむしゃらに働いてきたのは、「お客様のため」ではなく、月末の支払いのためだったのではないか。資金繰りの不安を解消するために「仕事をください」と頭を下げているだけではないか。

自分が作った会社に辞表を出す日がくるとは思ってもみませんでしたが、私は「お客様のため」に働くことを選択し、経営者になることを辞め、再び公認会計士として再独立することにしました。

今、私が大事にしていることは「自分らしさ」を追求することです。

自分がしたいことは何か、自分にしかできないことは何か、そこを一点集中で提供し、お客様の期待を超えること、それがお客様からの「ありがとう」という最高の報酬となってかえってくる。それを繰り返すことが自分の価値の向上となる。

再独立した上に、業務内容を絞りこみましたので、年収は大幅に減ると思っていました。やりたくないことをやるくらいなら年収は減ってもいいと今でも思っています。しかし、がむしゃらに仕事をしていた時代の10倍の年収(年商)を頂いております。がむしゃらに働くことよりも、「自分らしさ」を追求すること、自分の才能を使って仕事をすること、お客様を喜ばせるために仕事をすること・・・を考えていけば、結果として大きなリターンを得られるのではないか思います。

何もかもを犠牲にして仕事に打ち込み、会社を大きくするという働き方を否定するつもりは全くありません。それが自分の価値観に合う働き方であれば、とことんやるべきだと思います。自分の価値観に合わないのであれば、「自分らしさ」を追求すべきだと思います。仕事量と年収は比例しません。仕事とプライベートのバランスを保ちながら、「自分らしさ」を求めていくことが、より幸せになることに繋がるかもしれません。

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そんな感じのお話しをさせて頂きました。
参考になる方がいればと、概要のみ掲載させて頂きました。



【関連記事】
2014/7/4 起業して学んだ20個のこと

kick-off

上場企業への決算早期化コンサルティングは、通常、1年契約をさせて頂いております。大きな外科手術の場合、一定の成果をあげるのに1年は要するためです。逆にいえば、1年を頂ければ一定の成果をあげる自信はあります。しかし、IFRS導入のコンサルティングについては1年で完結させることが難しいため、2年〜3年の契約を頂くことがあります。

某上場企業にて、来月(6月1日)より約2年半に及ぶIFRS導入プロジェクトが開始することから、本日kick-off ミーティングが開催されました。クライアント様にとっても非常に大きなミッションですから、ミーティングには取締役、監査役、経理部課長、経営企画部長などが参加されました。「これから2年以上にわたり、宜しくお願い致します」と言われた時は、嬉しさと同時に、身が引き締まる思いがしました。


私がビジネスをする上で、常に心がけていることは、「期待を超える」ということです。

私の中で、「プラス1%の法則」と名付けています。
お客様の期待値のプラス1%のことをやると「ありがとう」と言われる。
お客様の期待値のマイナス1%で済ませると信頼を失う。
プラスマイナス1%の努力の差は気持ちの問題。

そして、
信頼維持は信頼獲得より10倍苦労し、
信頼回復は信頼維持より10倍苦労する。

だから、
普段から信頼を得るために、プラス1%をやり続けるべき。

これは、私の経験から導かれた商売の原理原則。

短期契約であろうと、長期契約であろうと、上場企業であろうと、中小企業であろうと、私を指名してくれた限りは期待を超えるものを残す。それができなくなったら、商売を辞める時だと思っています。

人と人との関係

国会議員さんの「収支報告書」に公認会計士などの監査(という名のチェック)が義務付けられたのが2007年度からで、この時から何名かの議員さんの監査人を担当させて頂きております。本日をもって、2017年度の監査が全て終了しました。

制度がはじまって11年が経ちます。国会議員さんって、顔が広いですから、公認会計士や税理士の知り合いもいるでしょうし、直接の知り合いがいなくても、何人でも何十人でも紹介を受けることができると思うのです。にも関わらず、私を11年連続で指名してくれる議員さんもいます。もちろん、そうじゃない人もいます。監査に入る数日前に「やっぱり知り合いの紹介の監査人にやってもらうことになったので、今年は来なくていいです!」なんていう失礼極まりない連絡をしてきた議員秘書もいました。

毎回選挙の都度、私が担当した議員さんの得票数を見ていますが、11年連続で指名してくれる議員さんはいずれも安定した得票数を得ています。節操のない議員さんの得票数はいずれも低いです。たまたまかもしれませんが、因果関係があると私は思っています。

「新人諸君。仕事に辛くなったら、読書に逃げ込むという手があります。」/池上彰氏

4月1日。

先日(2018/3/26)の日経新聞朝刊の池上彰さんのコラム『池上彰の大岡山通信 若者たちへ』に、池上彰さんが4月から新しい人生の門出を迎える若者たちへのメッセージが載っていました。

あの池上彰さんも新人の頃は辛い経験をされてきたようです。

非常に良い内容なので、少し長いですが、引用させて頂きます。

私が大学を出たのは、いまから45年前のこと。NHKに記者として採用され、初任地は島根県松江市の松江放送局でした。松江市内の住宅の2階4畳半に下宿しました。いまならマンション住まいが当然でしょうが、古い城下町には、当時マンションと呼べるものが見当たりませんでした。

放送局での仕事が一段落して夜の8時頃にNHKを出ると、外は真っ暗。酔客を乗せたタクシーが通るだけで町は静まりかえっていました。その時間に開いている喫茶店がないということを知ったときの驚き。探し回った揚げ句、市の中心部からはずれた場所に夜10時まで営業しているジャズ喫茶を見つけたときの喜び。きのうのことのように思い出します。

記者の仕事は帰りが遅く、4畳半に入ると、松江駅の方から蒸気機関車の汽笛が聞こえてきます。住宅街だというのに牛蛙(うしがえる)の鳴き声が響きます。

都会暮らしから離れ、知人友人もいない土地での一人暮らし。心細い思いだったのは当然のことでした。慣れない仕事で疲れがたまり、休日は昼すぎまで寝ていました。

初任地での仕事は、警察と検察、裁判所担当です。毎朝、松江警察署と島根県警察本部の中を回るのですが、これの辛(つら)いこと。ベテラン刑事たちは、新米記者など歯牙にもかけません。「おはようございます!」と元気よく声をかけても、ギロリと睨(にら)むだけ。身が縮む思いでした。

そのうちに警察署の玄関を入ることができなくなりました。中に入るのが怖いのです。でも、これをしないと記者の仕事にならない。歯を食いしばって署内に入っていきました。

ひとりひとりの刑事と仲良くなるにはどうしたらいいか。先輩のアドバイスに従い、夜の当直勤務の刑事のところに顔を出すようにしました。松江の夜は、大都会と違って警察の出番は多くありません。刑事たちが暇を持て余しているときを狙って顔を出せば、雑談相手にもなってくれます。こうして知り合いを増やしていきました。

この仕事は、自動車のセールスマンと似ていることに気づきます。セールスマンは、まず自分を相手に売り込み、信用を得なければなりません。記者も情報を取るには、相手の信用が不可欠。たくさんの車を売ったカリスマセールスマンの体験記を読んで勉強しました。

異業種のことを知ると、自分の仕事にも役立つことを、このとき知ります。それからは、あらゆるジャンルの本を乱読。松本清張の推理小説を愛読するようになったのも、この頃からでした。社会派ミステリーが多く、視野も広がります。

経済学の勉強も再開しました。大学時代に勉強していなかったことへの反省からです。

結局、新人時代の仕事の困難さを突破できたのは、豊富な読書量に裏付けられた知識でした。

なので、新人諸君。仕事に辛くなったら、読書に逃げ込むという手があります。そこで得た知識や教養が、やがて仕事でも生きてくるのです

私も、社会人になったばかりの頃が一番読書量が多かったと思います。それまで数千時間も公認会計士試験の勉強をしてきたのに、社会に出たら必要な知識の1%も持ち合わせていない。教えてくれる人もいない。頼るものは本しかなく、あらゆる本を乱読したような気がします。私も池上さんと同じ意見です。新人の時に、必要に迫られて読んだ本から得た知識や教養が、やがて仕事でも生きてきます。


【関連記事】
2014/10/22 これから公認会計士になる人に伝えたい20個のこと
2013/7/2 入社2年目の憂鬱

年度末

年度末(3月末)の最終営業日まであと1日。

ちょうど1年前、『新年度は、出会いもあるが、別れもある』と書きましたが、今年も同じく出会いと別れがやってきました。

今月中旬以降、多くの方から連絡を頂きました。退職する方、転職する方、異動する方、海外赴任する方、独立する方・・・。寂しい知らせもあれば、嬉しい知らせもある。

クライアント様ではない方からも多くの連絡を頂きました。ブログをご覧頂いていた方、セミナーにご来場頂いた方からも。

IFRSを適用した上場企業の方からは、IFRS適用準備に相当苦労されたようですが、私の情報発信に「救われた」と御礼を書いてくれていました。もう、そういうのを読むと涙が出そうになります。4月から新しい職場で新しい挑戦をされるようです。本当に頑張って欲しいと思います。

クライアント様では、異動や退職をされる方はなかったものの、顧問先のうち2社とは3月末で契約満了。いずれも長いお付き合いをさせて頂きましたが、やるべきことはやり切りました。満了するクライアント様がいると、必ずといっていいほど新しいオファーがやってきます。4月以降もまた新しいプロジェクトが動きそうです。次の1年も、クライアント、セミナー来場者、ブログ読者の皆様から「ありがとう」といってもらえるように、目の前のことをコツコツやっていきます。

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プロフィール
武田雄治



公認会計士 武田雄治


●武田公認会計士事務所 代表
●中小企業支援の「黒字社長塾」代表
●中小企業のコスト削減・業務効率化支援の「バックオフィスサービス株式会社」取締役



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