公認会計士武田雄治のブログ

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社会問題のはなし

日本製鉄 呉製鉄所の閉鎖に思う

本日の日経新聞「春秋」より。

呉

以前、広島に出張に行った際に、呉に寄ったことがある。このコラムに書かれている通り、私も市街地は素通りし、「大和ミュージアム」に直行した。入場者数が1400万人を超えるとはこのコラムを読むまで知らなかったが納得である。「広島平和記念資料館」や「ひめゆり平和祈念資料館」と並ぶ程に、展示物の数々にハマった。私の中の「日本3大資料館」の一つである。

ただ、広島から呉までの移動中のタクシーから見える景色は、ちょっと驚いた。まるで戦後の高度成長期の時代にタイムスリップしたかのような、映画のセットのような街並みだった。ところどころ、本当に昭和前半から残っているんじゃないかと思われる建造物が並んでいる場所がある。とはいっても、倉敷美観地区のような街並みでもない。イノベーションを忘れてしまった古びた街という印象が拭えなかった。それはこの街のショッピングセンターに立ち寄った時にも感じた。

この「大和ミュージアム」の近くに、巨大製鉄所がある。地域の雇用を支えてきたに違いないが、これが来年閉鎖するというんだから、雇用面の影響力は大和級だろう。3300人の雇用の受け皿があるのだろうか。

なんとなく、令和の象徴となるニュースな気がしてならない。

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たまたまだが、今読んでる本に「大和ミュージアム」の写真が載っていた。こんな感じで、戦闘機も戦艦大和も展示されている。ここは面白いので是非一度。

大和ミュージアム

([出処]久保田 貢著「知っていますか?日本の戦争」(新日本出版社)より抜粋)






バカがまた壁を作っている。

新しい年を迎えて1週間。

昨年の1月7日に続き、今年も1月7日に宝島社が強烈な見開き広告(意見広告)を掲載していた。

上が日経新聞。下が朝日新聞。
(画像は宝島社HPより拝借した)


宝島社1

次のジョブズも
次のケネディも
次のアインシュタインも
きっと、女。


未来は、女の側にある。本当のところ、世界は停滞も閉塞もしていない。しているのは、エライおじさんたち。変化を嫌い、新参を排除し、現状維持に奔走した結果、彼らは毎週のように謝罪会見を開いている。そこからはもう、何も生まれない。世界を変える新たな何かは、既得権から解放され、遠慮や忖度や前例を知らない女たちから生まれるだろう。好奇心も自由も、女の得意技。彼女たちにこそ、未来は微笑む。


宝島社2

ハンマーを持て。
バカがまた
壁を作っている。


こんどの壁は、見えない壁だ。
あれから30年。ベルリンで壁を壊した人類は、
なんのことはない。せっせと新しい壁をつくっている。
貧富の壁、性差の壁、世代の壁…。
見えない分だけ、やっかいな壁だち。
そろそろもう一度、ハンマーを手にする時ではないか。
私たちはまた、時代に試されている。



昨年の企業広告のテーマは「嘘」だった。昨年は世界中で嘘・フェイクが蔓延していた。

今年の広告のテーマは「女性」

「女性活躍推進法」が施行されて、はや5年らしいが、日本の女性進出率は低い。女性公認会計士の比率は15.0%。上場企業の女性役員比率は3.8%。WEFの世界「男女平等ランキング2018」では、日本は110位でG7ダントツの最下位

『世界は停滞も閉塞もしていない。しているのは、エライおじさんたち。変化を嫌い、新参を排除し、現状維持に奔走…』

これが、日本のアチコチで見られる光景。そして、私が一番視界に入れたくない光景。

先日も書いたが、「老兵」が社会・組織の上層部に居座っている状況が長期間続いていることが、日本から新しいプレイヤーが生まれない原因であると思っている。

こういうおかしな光景に慣れてしまってはいけないと思う。今回の宝島社の広告も、昨年同様に「立ち向かえ!」という強いメッセージを感じる。ベルリンで壁を壊した人たちのように。

とはいっても、現実的なところ、自分がこの国で新しいプレイヤーになろうとは全く思わない。私は、既得権益やエライおじさんたちに立ち向かうよりも、その環境を変えることを選択する。次のジョブズも、次のケネディも、次のアインシュタインも、きっと日本からは生まれないと思うから。

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広告といえば、元日の新聞に掲載された、そごう・西武の全面広告。
(画像はネットから拝借した)

sogo_seibu


大逆転は、起こりうる。

わたしは、その言葉を信じない。

どうせ奇跡なんて起こらない。

それでも人々は無責任に言うだろう。

小さな者でも大きな相手に立ち向かえ。

誰とも違う発想や工夫を駆使して闘え。

今こそ自分を貫くときだ。

しかし、そんな考え方は馬鹿げている。

勝ち目のない勝負はあきらめるのが賢明だ。

わたしはただ、為す術もなく押し込まれる。

土俵際、もはや絶体絶命。


一行ずつ逆さに読むと、全く逆の意味になる。おもしろい。

「生き方すべてにおいて、周囲からのさまざまな制約にとらわれてしまうのではなく、あなたらしくいてくださいというメッセージ」とのこと(そごう・西武の広報担当者談、出処

人生も解釈次第で全く逆の意味になるかもしれない。1つの事実に対して、解釈は無限。ハンマーを持ってベルリンの壁を壊すような人生でなくても、(上の広告にもあるように)「自分を貫く」をことが大事だと思う。自分らしく。



自分がされて嫌なことは人にするな

この世に生を授かったのも、日本人として生まれたのも、きっと何か意味があるんだろう。人生に目的はないとしても。歴史をさほど勉強してこなかった私も8月になると歴史モノの本を読み返すし、色々と考えさせられる。

長い人類の歴史を振り返ると、常に国家間・民族間・宗教間で武器や武力を使って領土・権力の奪い合いをしてきた訳だし、常に異人種や異性に対して(性)暴力により他者を支配し、欲望を充たしてきた訳で、人類の歴史そのものが戦争や暴力の歴史なんじゃないかと感じる。20世紀になって科学が発達し、化学兵器や核兵器が出てきて大量殺戮が可能となったが、戦争や暴力自体はサピエンスの時代から行われていたことではないんだろうか。自分の縄張りを犯す者は攻撃の対象であり、それはイエ・ムラ・夫婦といった単位でも同じことだ。

だから、道徳的に戦争や暴力は良くないと分かっていても、進化論的にみれば地球上からなくなることはないと思う。

「わたしはわたし」(=他人は他人)というエゴイズム的な生き方は大いに結構だと思う。私もエゴイストだから。でも、何の罪もない一般人を巻き込む戦争や暴力はすべきではない。科学技術の発達に伴って人間の倫理観も発達しなければ、過去の「過ち」を繰り返すことになる。「戦争を知らない子供達」の世代の我々は、戦争を体験したおじいちゃん、おばあちゃんから原体験を聞くことも大切かもしれないが、それ以上に大切なことを自分のお母さんから何度も何度も教え込まれているんじゃないだろか。

それは、「自分がされて嫌なことは人にするな」というシンプルな教え。

争いはきっとなくならない。けど、不条理なことや理不尽なことはなくなって欲しい。

自分がされて嫌なことを、しないで欲しい。

終戦記念日に、そんなことを考えた。

万人が幸せでありますように。



本日の仕入れ物。

暴力と不平等の人類史: 戦争・革命・崩壊・疫病
ウォルター シャイデル
東洋経済新報社
2019-06-07



がん患者が言われて傷つく言葉

苦しんでいる人、頑張っている人に、どのように声をかけるべきなのかは難しい。かけた言葉が相手を傷つけるかもしれない。軽い言葉と受け止められてお互いが気を悪くするかもしれない。かといって何も声をかけないのもどうかと思う。無力という言葉で片付けたくもない。言葉はチカラになるが、棘にも武器にもなる。

今日の日経新聞朝刊の「春秋」は多くの人に読んで欲しいと思ったので共有しておきます。

春秋

おはようございます。新聞です。

愛媛新聞


これは、すごい文章。
被災者の方に勇気を与える素晴らしい内容に感動です。

と同時に、「なんでこんな文章が書けんだ!」という感動も。

本日の愛媛新聞のコラムのようです。画像はネットより拝借。




昨年2月の読売新聞「編集手帳」(↓)のような、
芸術的な作品だと思います。

読売新聞


  【世の中】

毎朝、シャワーを浴びた後に、コーヒーを飲みながら竹内政明さんのコラムを読むのが日課になっています。

新聞を開ける前からアメフトの話題で攻めてくるだろうと予想はしていましたが、いつも想定外の展開を見せてくる。「辞書にも名文がある」からの書き出しとは。


アメフト


「個々の人間が、だれしもそこから逃げることにできない宿命を負わされているこの世。そこには複雑な人間関係がもたらす矛盾(中略)が見られ、許容しうる面怒り・失望をいだかせる面が混在する。」

【世の中】って、ホント、こういうものが混在した混沌としたものだと思います。世の中、不条理で不合理で不公平で不平等で不安定なものだと思います。これまでアメフトに人生を捧げていたはずの若者から情熱を奪い、人生を変えてしまう。これも【世の中】であり、人生なのでしょうか。奪われた人生の先に、新たな輝かしき人生が待っているに違いない、と思うしかありません。

サルトルの言葉を思い出します。
世の中は不条理だ。
人間は本質をもって生まれてきたのではなく、
自分がいなかる存在かは、偶然性でしかない。
各人が「選択」するしかない。
つまり、「自由」なのだ。「無」なのだ。


【オススメ本】
池上彰・竹内政明著 『書く力 私たちはこうして文章を磨いた』 (朝日新書)

教育者たるもの

「最近、母校が話題になってるね。」

と毎日言われます。

私は関西学院(KWANSEI GAKUIN、くわんせい がくいん)出身です。関西学院高等部から大学までの7年間を過ごしました。

当時からアメフト部は一番人気のクラブでした。中学部からアメフト部(タッチフットボール部)に入部していた者も多く、高校1年の時には既にディフェンスの同級生は体重100キロを超えていた者もいましたし、クオーターバック(QB)の人間は筋肉ムキムキでした。「とてもじゃないが、こいつらと一緒に居てもレギュラーにはなれない」と感じ、私は(チームプレーではなく、個人競技で勝負できる)陸上部に入部しました。

大学生のアメフト部の人たちは一回りも二回りもデカイのです。そんなディフェンスの奴らが、無防備な状態の人間に本気でタックルをしたらどうなるか。運が悪ければ死にますよ。

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今日の異例の会見
違反のタックルした学生が、きちんと誠実に事実を説明し、謝罪する。二十歳そこそこの学生が、日本中が注目する中で、顔を出して会見をすることは勇気が必要だったと思います。ここまでやるとは立派なことです。学生はアメフトの世界から身を引くといいます。

他方、監督は頑なに事実の説明を避ける。大学のポストについたまま。指示役のコーチは表にも出てこない。大学も、この会見の後で改めて反則行為を否定するコメントを発表。愕然とさせられます。

大学という教育機関の中の活動における、教育者による不祥事であると考えると、本来、学生を守るべき大学、監督、コーチがこの対応ではやるせない。絶望です。

歴史を学ぶ意味

今朝の日経新聞によると、高校、大学の教員団体である高大連携歴史教育研究会(高大研)というところが、高校の日本史、世界史で学ぶ用語(=暗記用語)が多過ぎるとして、用語を現在の半分弱の1600語程度に減らすべきだとする提言案を発表したようです。

大学入試で教科書に載っていない細かい知識を問う問題が出ると、その用語が教科書に追加されることが繰り返され、今では「世界史 B」の教科書には 3400〜3800語も収録されているようです。

削減案の中には、上杉謙信、坂本龍馬、武田信玄なども入っています。

歴史用語
([出処]日経電子版)

このニュースに対して、学力が低下するなどと批判的なツイートもありましたが、私は大賛成です。是非実現させて欲しいと願います。

私は小学校の頃から歴史(社会)の授業というものが不毛に思っており、ほとんで聞いていませんでした。年号・人名・地名などをただ暗記させられるだけで(それも自分のキャパを明らかに超えた分量)、それをすることに何の意味があるのか分かりませんでしたし、そこに時間を割くのなら算数(数学)の問題を解いている方が有意義だと思っていました。

中学の歴史の授業は、私の6・3・3・4の16年の学生生活の中で最低最悪のものでした。教科書を端から端までなぞるように読み、暗記させられるだけのもの。教育者として最低だと見下しながら中学3年間を過ごしました。

高校受験は、受験科目に社会がない学校に志望校を絞り込み、関西学院高等部に進学しましたが、ここも相当クセのある教師ばかりで、世界史の授業は1年中”フランス革命”だった気がします。まぁ、いいんですけど、面白くないんです、これが。

「とにかく面白くない暗記科目」というのが学生時代の歴史に対する私の印象。

佐藤優氏が「世界史 B」の教科書くらいは教養として知っておくべきだと主張していることには同意しますが、暗記するという勉強は今でも不毛だと思います。

私は、歴史は暗記するものではなく、「流れ」(時間軸)「事実」(断面図)をつかむものだと思いますし、小中高では「流れ」だけつかめば十分ではないかと思っています。歴史家のE.H.カーが『歴史とは歴史家と事実との間の(略)尽きることを知らぬ対話』(『歴史とは何か』岩波新書より)と述べていることは有名ですが、歴史は歴史家が選んだ事実で作られているものであり、教科書に載っていない事実もその裏には存在します。そういうことをじっくり考えることが歴史を学ぶということではないでしょうか。

これくらいにしておきます。


ちなみに、だいわ文庫に「2時間でおさらいできる」シリーズがありますが、これは「流れ」をつかむには非常に良い本です。学生時代に出会っておきたかったし、そもそも学生時代に学ぶ歴史はこのレベルで十分じゃないかと思います。







不快で残酷な話

毎朝の日課は、読売新聞の一面を下から読むこと。

既読してスルーするものもあれば、新聞の前で打ちのめされることもある。

今日は打ちのめされた。打ちひしがれた。いろんな意味で。

人生100年時代



『ライフ・シフト』、読んでみようと思います。

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)
リンダ グラットン
東洋経済新報社
2016-10-21

キャッチボール

朝、宿泊しているホテルに届けてくれた新聞を読んでから、

この文章の余韻が消えず、

何度も何度も何度も読み返していたら、夜中になった。

そしたら泣けてきた。


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