公認会計士武田雄治のブログ

公認会計士武田雄治のもう1つのブログです。

起業のはなし

やがて哀しき起業家たち

2005年7月4日に私は独立開業しましたので、気が付いたら独立して11年が経ち、12年目に突入しました。

いまだにコンサルティング業という単発契約のビジネスが中心であるにも関わらず、これまで一度も月次売上がゼロになったことがないことが奇跡だと思っていますし、11年増収を続けていることも奇跡だと思っています。単発契約中心のフロー型ビジネスではあるものの、ビジネスモデルはストック型になるようにやっているのですが、その話は置いときます。とにかく、依頼が途切れず、今でも多くのクライアント様に信頼頂いているのは「感謝」しかありません。

順風満帆といわれることもありますが、それは全力で否定しています。「ざけんな!」と。

いろんなものを失い、心に傷を負い、傷口に塩を塗りこまれ、辛酸を舐めさせられ、感情をエグり取られ、そうやって転んでは立ち上がり、這いつくばっては前進し、って不器用ながらもやってきたという感じです。

苦悩や不条理が人間を少しは成長させるのかと思えば、若いうちに色んな経験をしたことは良かったのかもしれません(・・・と思うしかやってられません)。

しかし、

そう思ったとしても、大した慰めにも癒やしにもなりません。傷や怒りというのは消えることなんてないからです。時間だけが、それを和らげてくれるだけです。

香山リカさんの『気にしない技術』という本に、『人生は災難続き、平凡になんとか生き延びるだけでも奇跡』というようなことを書かれていたのには、だいぶ救われました。

ジェラルド・G. ジャンポルスキーという人の『ゆるすということ ―もう過去にはとらわれない』という本が名著だというので読んでみました。言っていることはよく分かるのですが、3回読んでもピンときませんでした。それよりも、伊集院静さんの『許す力―大人の流儀4』という本に書かれていた、『私は許せないものを抱えたら、その大半は許さなくていいと思っている。許してあげられない自分を嫌いになる必要もない。』というコトバに大きく頷いてしまいます。なお、この文章には続きがあります。『ただひとつ私は”許せない”という考えに付帯条件を付けている。”許せない人”に関しては、それを口にしないことだ。』

伊集院静さんの別の本には、『昔からまともな大人というものはごくわずかしかいないのが世の中なのだ』とも書かれていましたが、よわいを重ねると、つくづくそう思います。

以前、『起業して学んだ20個のこと』というエントリーをしました。ここにも書いたとおり、私が起業して学んだことは、「人を信頼してはならない」「ネガティブな人間との関係を遮断する」「最悪な事態が起こるものだと想定しておく」ということです。「お前がネガティブなだけじゃねーのか?」と思われる方がいるかもしれませんが、そう思われるのであれば、契約書を交わさずにビジネスをやってみればいいと思います。普段信頼している人ほど、あっさりと裏切っていくものです。最悪な事態を回避するために、あらゆる手段・労力・時間・カネを惜しむべきではない、というのが私の考えです。

ゴーリキの『どん底』には、『仕事が楽しみなら人生は楽園だ。仕事が義務ならば人生は地獄だ』という一節があります。その通りだと思います。最悪なのは「楽園という思い込み」をしている人です。私も起業してしばらくの間は「楽園という思い込み」に浸っていたと思います。これが正に『どん底』を経験することになるのです。

こういう経験をしてきたから、「起業なんて安易にするもんじゃない」と言っているのですが、相も変わらずに、起業の経験もない大人たちが起業家を育成しようとしているのを見ると吐き気がします。「あんたに何が分かるんだ」。

起業をするということは、(労働力ではなくて)「価値」を提供するということ。顧客が求めている価値を提供できない人を、なぜ起業させようとするのか。明らかに間違えたことを一生懸命やらせている。まともな大人がやることじゃない。

起業することの素晴らしさなんて言われなくても分かっている。その陰にどれだけの人が『どん底』を味わっているのかということを知っているのか?

起業するということを目的にすべきではなく、自分が楽しいと思うことをやるべきで、その手段の一つに起業というものがあり、その先に上場というものがあるのではないですか。手段と目的を履き違えている人から、「起業したいんですけど!」とか、「上場したいんですけど!」とか言われても、「やめとけ」としか言えません。

「楽園という思い込み」から目が覚めたら、全身ガチガチに力を入れて生きてきた自分に気付くかもしれません。すべての重荷を下ろしたとき、人生は楽園だと感じるかもしれません。

私がそう思うのに、7〜8年もかかりました。

思い込みかもしれませんが・・・。



人間を別にすれば、あらゆる動物たちは

生きていることの主たる仕事が、

生を楽しむことだということを知っている。


   ―サミュエル・バトラー(イギリスの作家、1835-1902)



自分らしく、あるがままに生きろ。
No Fun,No Life !!

吐き気がする

私が起業したのは10年前のこと。

それまでの東京で生活していた私が、地元関西に戻ってコンサル会社を立ち上げた。
しかし、周りに知り合いはいない。
目標にするような同業者もいない。
そもそも、経営ってものをしたこともない。

きちんとしたビジネスモデルがあるわけでもない。
戦略があるわけでもない。
事業計画があるわけでもない。
プレゼン資料もない。
それ以前に、営業ってものをした経験が一度もない。

それなりの想いがあって起業したわけだが、
地元に戻ってきても、
『何もない』。

会計士だからといって、起業したら成功するなんて甘いもんじゃない。
資格を持っていたって、お客様がいなければ飯は食えない。
収入ゼロ。

周りに聞ける人がいなければ、本を読むしかない。



起業してから3年間で買った本は(数えたことないけど)1000冊は超える。
そのうち、今でも残っている本は20〜30冊程度だが、当時は「すぐに役に立たなくなる情報」であっても、とにかく吸収した。それしか自分を助けてくれるものはなかったから。

最も熟読したのはマーケティングの本。
神田昌典さんの本には随分と助けられた。

経営者の本もよく読んだ。
北尾吉孝さんの本からは、経営をする上で大切なことを教わった。
北尾さんのセミナー・講演があると、遠くても、高くても、足を運んだ。
市販されている北尾さんの音声はすべて買って、iPhoneに入れている。
今でも聴き返す。
私の、経営と精神の支柱を築いてくれたのは北尾さんだ。

北尾さんは、大切なことは「不易」(=変わらない)ということも教えてくれた。
「利の元は義」「顧客中心主義」「仕組みの差別化」ということも教えてくれた。
経営者は倫理的価値観を持つことが最も重要であるということも教えてくれた。
東洋思想を勉強するきっかけとなったのも北尾さんだ。

起業して3年間、北尾さんの本にかかれているように「顧客中心主義」による「仕組み」を作っていき、差別化を図り、経営する上での自分なりの「原理原則」を作った。これは、「不易」であり、今でも活かされている。そして、神田昌典さんの本に書かれているマーケティング手法をなぞるように実践した。
自分でいうのもナンだが、業界の中で圧倒的な差別化を図ったと思う。
上辺だけマネされることはあるが、本質をパクられることはない。



この3年間は、人生の中の本当に泥臭い期間だった。

起業なんて、美しいものでもない。
世界を、社会を、変えたい、という想いをカタチにするという地道な作業だ。

起業なんて、中途半端な気持ちでやるもんじゃないし、仲間とやるもんでもない。
覚悟を決めて、自分の人生を賭けてやるもんだと思う。

起業したら、公私は必ず混同する。色んなものを犠牲にする。そして失う。
それに躊躇するなら、もしくは安定を望むのなら、起業すべきではない。

起業してしばらくの間は、ワーク・ライフ・バランスなんてない。
仕事と人生の使命感の同一化が必要だ。

こんなことは、起業の経験をし、地をはうような努力をした人間にしか分かるまい。

もう一度言う。

こんなことは、起業の経験をし、地をはうような努力をした人間にしか分かるまい。



サルトルではないが、最近、吐き気がする。
起業支援という名のオレオレ詐欺が横行しているが、誰も詐欺だと言わない。

先日、ある起業支援者(お役所の外輪団体?)主催のイベントに参加した。
興味なかったが、諸事情により。

登壇者の一人が、「起業のエコシステムを作らなければ・・・」など意味不明なことを曰わっていた。
別の登壇者は、シンガポールに在住していたことを自慢気に話している。
また別の登壇者は、VCを組成したとか何とか言っている。

「だから何なの?」
というような中身の無い話を、イベントに参加している起業家たちはフムフムと頷いていて聴いている。
質疑応答が長時間に及び、名刺交換に長蛇の列が出来る。
なんだこの世界。
目眩と吐き気がした。



起業したい人たちは、そんなハイエナを相手にする時間があれば、会社を作ればいい。
そして、まずは一人、お客様を見付けるべきだ。
お客様の期待を超える商品を作り、サービスを提供するべきだ。

「顧客中心主義」を貫き、顧客の意見を聞きながら改良を重ねること。
その繰り返しの中から、「仕組みの差別化」を図ること。
そのためには、自分とひたすら格闘するしかない。
地をはうような努力をするしかない。

そこをすっ飛ばして、世界を、社会を、変えるなんてことはできない。


【関連記事】
2014/7/4 起業して学んだ20個のこと

転職・独立・起業を考えている方へ

転職・独立・起業の相談は相変わらず多いのですが、
私が彼らに言うことはいつも同じなのです。

「今やっている仕事で、もう得られるものはないのか? 成長はないのか?」

「ある」ならば、それをやれ。
「ない」ならば、直ぐに辞めろ。

以上。



先日、ある方と久しぶりに食事しました。5年間勤めた職場を来月退職し、独立するとの報告でした。

この方、3、4年前に転職の相談を受けたことがあるのです。
その時にも、上と同じことを言って、
「ある」ならば、それをやれ
と答えたんです。

すると、「分かりました」と、転職を白紙撤回されました。

それから数年、目の前の仕事に没頭し、成果を出してきたようで、自分の中で「プロ」といえる領域まで行ったようです。

「あの時、武田さんに相談できたから、今の仕事をここまで続けてこれました。」と御礼を言ってもらえました。



何度か書いているように、プロフェッショナルとは、「私は◯◯で日本一」といえるものを持っていることだと思っています。

ジェネラリストとして生きていくのであれば、隣の芝を見ながら、年収の高いところにホッピングしていけばいいと思いますけど、プロフェッショナルを目指すのであれば、日本一といえる技量や知識やノウハウを身に付けなければなりません。

それは資格の学校に通うことではなく、MBAを取得することでもなく、目の前の仕事を極めることです。「1万時間の法則」です。「そのことだけに集中し専念したたゆまぬ努力」を1万時間やった人間は、転職しても、独立しても、結果を出せるのではないでしょうか。



公認会計士の資格を持っていても、何年も勉強しておらず、ジェネラリストに成り下がった人間はゴロゴロいます。顧客から見たら一発で分かりますよ。誰がそんな人に仕事を頼みますか。



天才! 成功する人々の法則
マルコム・グラッドウェル
講談社
2014-01-29




プロフェッショナルとは何か

独立10周年の7月4日は、なんだか日頃の疲れが溜まっていた上に、天気も良くない土曜日といこともあり、自宅で休養していました。

10年経ったからといって何か特別な感情があるわけでもなく、普通に時が流れた感じです。



過去のブログ記事を見ていると、去年の7月4日はこんなことを書いていました。

起業して学んだ20個のこと



また別の日には、こんなことを書いていました。

これから公認会計士になる人に伝えたい20個のこと



今でも同じことを書くと思いますね。



プロフェッショナルとは何かと問われたら、「私は◯◯で日本一」といえるものを持っていること、と答えます。資格やMBAを持っているからプロというわけではないと思います。「自称日本一」でもいいんです。他の人が持っていないモノをもっている人がプロだと思います。

私の場合は、日本一といえるものが複数あります。そのベースになっているものは、下積み時代の1万時間と、独立後の1万時間です。1万時間の法則のとおりです。

10年も会計士業を継続してきたことは我ながらすごいと思いますが(色んな意味で)、継続する努力以上に、若い時に「そのことだけに集中し専念したたゆまぬ努力」をしてきたかということの方が大事だと思います。

「日本の教育システムは腐っている!」

ノーベル賞を受賞された中村修二さんが、日本に帰国され、母校などで講演をされていたようで。


今から8年以上前のことですが、大阪国際会議場で開催された『ベンチャー2006KANSAI 』というシンポジウムに中村修二さんが登壇・講演されたことがあります。

この講演を聞いた時のメモがまだ私の手元に残っています。

『既成概念への挑戦が生む新技術』という講演で、青色発光ダイオードの発明に至るまでの話などもされていたのですが、私が特に印象に残っているのは、中村修二氏が渡米し、日米の学生の違いを見て、日本の教育に絶望したという話。

ざっくり要約すると、次のような内容でした。

--------
日本でも米国でも、小学生までは違いがない。しかし、中学生、高校生になったら違いが生まれる。米国の場合、中学生になっても、高校生になっても、小学生と同じような好奇心をもって大きくなるが、日本の場合、そのような好奇心はない。米国ではサイエンスの雑誌などが学生に売れるが、日本では売れない。日本の場合、サイエンスに対する好奇心より、東大に入ることを目的にするような学生が生まれてしまうからだ。その結果、大学生になると、日米の研究に対するやる気が全然違う。
--------

そして、中村修二氏は、日本の教育システムの改善を訴えていました。

 「その原因は、大学入試制度にある!」
 「大学入試は、超難関ウルトラクイズにすぎない!」
 「日本は大学入試制度を廃止せよ!」
 「日本の教育システムは腐っている!」
 と。

このあたりの話は、相当怒り口調でした。

で、このような教育システムの”不備”により、大学生のやる気に差が生じた結果どうなったかというと、米国の学生はベンチャー志向・起業志向であるのに対して、日本の学生は大企業志向・永遠のサラリーマン志向になってしまった。

中村修二氏は、「日本でベンチャーが育たない最大の癌は、大学入試制度である!」 とも言っていました。



8年前の講演内容を何で今でもはっきりと覚えているかというと、メモを取っていたからというのもあるのですが、中村氏の講演内容にことごとく同感だからです。

私は、大学までエスカレーターで進学できる高校に行きましたが、同時、めちゃくちゃ数学が好きだったことから、数学が先行できる学部がない上の大学には進学せずに別の国立大学に行きたかったんです。で、高校入学直後から同級生には内緒で駿台予備校にも通っていました。しかし、やってるうちにだんだんとバカバカしくなってきて、数ヶ月で駿台を辞めました。

余程のことがない限り、99%の生徒が上の大学に進学できるという高校で、おそらく日本一自由ではないかと思う校風の中、やりたいことをトコトン打ち込めるという環境が与えられていました。周りの友達は皆人生を味わい尽くしている中で、自分だけ学校が終わったら1時間かけて予備校に通い、大して面白くない授業を聞いていることに疑問を感じてきたのです。予備校で面白くない知識を詰め込むよりも、やりたいことにトコトン打ち込んで、いろんなことに没頭して、遊び倒した方が長い人生にとってきっとプラスになるに違いないと思ったのです。

そう思った瞬間、数学者になる夢も、国立大学に行くという目標も消えました。一瞬の決断だったと思います。それから3年間、やりたいことに没頭したように思います。クラブ活動を掛け持ちしたり、早朝からアルバイトをやったり、海外の高校に語学研修に行ったり、ホームステイしたり、アメリカ一人旅に行ったりした経験により、人生の骨格を築くことができたと言ってもいいくらいです。私にとって高校3年間というのは、「かけがえのない3年間」でした。結局、大学受験はしませんでしたが、全く後悔してませんし、しなくて良かったと思っています。

大学はエスカレーターでそのまま上に上がりましたが、大学に入ってからは、教育する側も教育を受ける側も、あまりのやる気のなさに失望し、ほとんど通っていません。親には申し訳ないですが、通う時間が無駄だと思いました。日本の教育システムというのは、若者の好奇心を奪い取り、再び火がつくことがない暖炉の底の燃えカスのようなものを量産しているだけだと思います。中村氏のいうように、大学入試制度も根本的な原因の一つだと思います。

だからといって、私が政治家になって日本の教育システムを変えてやろうなんて微塵も思いませんし、教員免許を取って教育者になろうとも思いません。だいたい、教員免許がなければ教壇に立てないという文科省の考えが腐ってると思っています。私のたくさんある夢の一つは、「今の若い人たちに、自分が思っている以上に可能性があり、未来は変えることができる」という気付きを与えられるような、学校教育とは違う何らかの「教育」をビジネスとして行うことです。天の時が来たら直ぐにやれるよう、その準備をしています。


【関連記事】
2014/10/9 ノーベル賞 中村修二氏 「地道な努力をコツコツこなしていれば、必然的に職人的な技能も可能になる。」

起業するということ(5)

先日、「最近よく起業の相談を受けます」と書きましたが、
転職の相談というか、人生相談というか、そういうのも最近よく受けます。

私、転職なんて実質1回しかしたことありませんし、
人生相談にのれるほど豊かな人生送ってませんけどね・・・・・・



でも、かわいくて、若い女の子から「相談にのってください」なんて言われたら
のりますわな。



ところで、転職を考えている方がよく口にする

『キャリアを積みたい』

の「キャリア」って、なんですか!?



製造をやってる人は、「キャリアを積むために営業やりたい」というし、
営業やってる人は、「キャリアを積むためにマーケティングをやりたい」というし、
マーケティングやってる人は、「キャリアを積むためにコピーライターになりたい」というし、



キャリア、キャリア、キャリア・・・・・・っていうけど、

「あんたのいうキャリアってなんだ!?」

と思うわけです。



三大珍味か!?



J・ドラークルという方が
『結婚とはセルフサービスの食事のようなものだ。 自分の欲しい料理を選んだ後で、隣りの人たちのお皿の中身を見る。 そして、どうして自分は彼らと同じ物を選ばなかったのだろうと自問するのである。』
というコトバを残され、名言集的な本などに取り上げられています。



私から言わせれば、『結婚』を『転職』に変えた方がしっくりくる。



隣の人の業務、隣の人の年収、隣の人のいる芝生、すべてが青く輝いている
私も隣の芝に行けば、もっと年収が上がるに違いない
ってなるんでしょうね。



でも、「年収高い方へ転職したい」とストレートに言ったら、
「は? お前はカネで仕事を選ぶのか!?」と見下されるかもしれないので、
ここで、例の合言葉が登場します。



『キャリアを積みたい』



さらに、その言葉を正当化する理由が必要ですから、
今の会社、今の職場、今の上司、今の業務、今の年収を全否定しにかかる。



(ホントはそれほどひどいわけではないのにね)



JK みたいな若い女の子に
「キャリアを積みたいんですけど、どう思いますか!?」
って言われるわけでして、

転職に向けて背中を押して欲しいんだろうなぁと思うわけですが、

KY な私が、
「いやいやいやいや、それって、現実逃避だよねーー」
みたいなことを言ってしまうわけでして、

皆さん、しゅーんとしてしまうわけです。



(めっちゃ感謝されること2割、めっちゃ嫌われること8割・・・・・・



ちなみに、私は転職を否定するつもりはありません。
ホントに、今の職場でキャリアが積めないのであれば、1日も早く辞めれば良いという考えです。

今の会社、今の職場、今の上司、今の業務から得るものはない。
もっと自己成長をしたい。
というのであれば、今の環境を直ぐに抜け出すべきだと思います。
それこそ、大気圏を抜け出すような勢いで

1度しかない人生、生産性のないルーチンワークをしこしことやっているのは本当に勿体無い。




ただ、キャリアというのは、隣の芝に行けば築くことができるものではないと思っています。
キャリアとは、(隣に行くことではなく)上に積み上げて行くものです。



だから、私はかわいこちゃんに言うのです。
「今やっている仕事で、もう得られるものはないのか? 成長はないのか?」と。

すると、全員がこう答えます。
「まだまだやれることはあります」と。



じゃぁ、目の前のことにフォーカスして、そこで突き抜けてみんかい!


下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。
そうしたら、誰も君を下足番にしておかぬ。

(小林一三)

これが、キャリア形成だと私は思います。



起業するということ(4)

続き


景気が良いのか、最近よく起業の相談を受けます。

起業しようかどうか考えている人から、
起業を決断した人から、
起業してしまった人から、

脱サラした人から、
会計士・税理士から、

若い人から
年配の人まで。



私が起業して学んだことは、この前、『起業して学んだ20個のこと』にまとめた通りです。

起業して学んだ20個のこと



この中には「起業後」に気を付けて欲しいこともありますが、

「起業前」に特に気を付けて欲しいことは

●ビジネスは、ビジネスシナリオ、ビジネスモデル、マーケティングで決まる
●儲からない仕事はやってはいけない
の2点です。



私に起業相談をしてくるくらいだから、皆様、それなりに情熱はあるんです。

でも、ビジネスシナリオも、ビジネスモデルもない方がほとんど (っていうか、ほぼ全員)。



ちなみに、ビジネスシナリオや、ビジネスモデルの意味が分からない方は、こちらの本を読んで下さい。



起業するくらいですから、「あれをやりたい!」「これをやりたい!」という情熱があるのは分かるのです。

それができるという意思があることも分かります。

経営資源があることも分かります。




問題は、

「で、儲かるの?」 

「圧倒的に稼げるの?」


ってことです。





儲からない仕事は「商売」ではない。

儲からない仕事はやってはいけない


以上。


起業して学んだ20個のこと

2005年7月4日

独立し、事業を開始した日です。

独立した日なんて記念日でもなんでもなく、「あー、9年経ったんやー」という程度のものに過ぎず、どちらかというと過去を消し去りたいくらいの日ですが、7月4日になるとどうしても9年前を思い出してしまいます。

良くも悪くも、すべてはあの時に決断したことによって人生は変わったのです。



たまーに、「順風満帆だねー」なんて言われますが、、

その度に、「ふざけんじゃねーよ! どんだけツライおもいをしてきたと思ってんだ!」と思いますし、

私がどれほどの「どん底」を経験してきたかなんて、あんたに分かってたまるか・・・と思うのです。




先日、ラジオでご一緒させて頂いた豊田圭一さんの本に、こんなことが書かれていました。

柳井正でも「一勝九敗」って言うてるのに、凡人は100回のうち99回は失敗するかもしれない。

「失敗したらどうしよう?」と考えるよりも、99回は失敗するかもしれないと意識を切り替えろ、

1回や2回の失敗で諦めるな、と。

おっしゃるとおり。



私は、事業面で大きな失敗はしたことがありませんが (いや、「あれはもしかしたら失敗だったのかも・・・」というのがいくつもありますが、私は失敗と思っていなかっただけかもしれん・・・)、事業面以外では散々です。



9年間、色々やってきて学んだことは、こんなことです。

●すべては選択・決断・行動の結果
●「原理原則」を学習しろ
●書いたことは実現する、書かないことは忘れる
●努力しても成功しない
●価値観と習慣を変えたら成功する

●ビジネスは、ビジネスシナリオ、ビジネスモデル、マーケティングで決まる
●儲からない仕事はやってはいけない
●「勝てば官軍」
●「らしさ」は「無敵」
●信頼維持は信頼獲得より10倍苦労し、
 信頼回復は信頼維持より10倍苦労する

●自分がやるべきでないことはやらない
●いま手にあるものを離さなければ、新しいものは掴めない
●忙しいから貧乏
●行動を伴わない勉強は時間の無駄
●2次会・ゴルフは断ってでも仕事しろ、仕事を断ってでも旅に出ろ

●世間体を気にしない
●最悪の事態が起こるものだと想定しておく
●人を信頼しない
●悪は裁かなくても自爆する
●ネガティブな人間との関係を断絶する



私のクライアントの社長さんとか、独立支援している人とか、同じ失敗をしないで欲しいと思っています。




起業するということ(3)

続き


「起業した方が良いでしょうかー??」


なーんてボンヤリしたことを言ってくる人には、


「やめとけ!」


と言います。

起業なんて、そんな甘いもんじゃない。


エセ専門家・自称専門家が起業とか上場を煽ってますけど、
「何か違うのではないか!?」
と思います。

大阪弁で言うと
「ちゃうんちゃう!?」


起業したい人は気を付けて下さい。

起業する前から、
事業計画とか資本政策とかガバナンスとかコンプライアンスとかいう人がいます。
難しいことを言う人は、スゴイ人だと錯覚するかもしれませんが、
私からいえば、彼らは「ヤフー翻訳」で翻訳された日本語以上に意味不明なことを言ってますから。


そんな「スゴイ人」にプレゼンするヒマあったら、
先にお客様を見付けた方が良い。



起業に必要なことは、
儲かる「商売のタネ」を見付けることであり、
ビジネスモデルに落とし込めたのであれば、
情熱をもって「行動する」ことです。


それ以外に何が必要と言うんですか?



私の本にも書きましたが、
起業しても、10年後に残る会社は、100社に6社程度と言われています。
生き残っている会社も、100社に75社は赤字です。

起業家の方は、それなりの情熱をもって起業したはずなのに、
10年後に残る会社は100社に6社程度。
税金を納めている会社は4社に1社。

なんじゃらほい。

儲からないことを熱意をもって一生懸命やっている経営者・起業家がいかに多いかということです。



かなり昔に起業の支援をした社長さんから、
創業6周年を迎え、7年目のスタートを切ったと、ご丁寧に御礼の連絡を頂きました。

私が起業のきっかけを作ったかもしれませんけど、
6年も会社を維持・存続させ、今も多くの方に貢献出来ているのは、
社長さんが正しい行動をしただけのこと。

利の元は義なり、です。

儲かる「商売のタネ」を見付けることは大切ですが、
金儲けが商売の中心になっている人は、起業したってうまくいきません。


【関連記事】
2013/7/9 独立について




起業するということ(2)

続き


先週、「起業するということ」というエントリーをしましたが、そこで、「起業するために必要なことを考えると、商売のタネを見付けて、バカげるほどの情熱を持って行動できるかどうか」と書きました。

この「商売のタネ」の見付け方として、参考にして欲しい記事がこちら。

少し前ですが、5月6日の日経新聞朝刊。
日本M&Aセンターの分林会長のインタビュー記事です。

日本M&Aセンター


分林会長が日本M&Aセンターを設立する時、「M&Aの経験がなく、契約書を目にしたこともなかった」というのです。

これは、ちょっと衝撃でした。

M&Aの経験がなく、M&Aの契約書を目にしたこともないのに、M&Aの仲介をビジネスにするのですよ!?

分林会長はもともと外資系コンピューター会社の営業マン。顧客が事業承継問題を抱えているのを目の当たりにし、「救いの手を差し伸べて社会問題を解決したい」と思い、日本M&Aセンターを設立したようです。

「商売のタネ」の見付け方って、コレなんですよね。


ある本を読んで知ったのですが、「QBハウス」の創業者小西國義氏も、もともと理髪店をやっていたわけではなく、医療機器の営業マン。仕事柄、身なりに気を配り、月2回理髪店に通っていたけど、忙しい中待たされたうえに、調髪の時間が長いことに不満を持っていたようです。そこで、短時間で髪を切ることが顧客価値であると考え、「QBハウス」を立ち上げたようです。


つまり、

起業というのは、知識・経験・能力は一切不要! ということです。

顧客価値を高めることができるような「商売のタネ」を見付け、決断、実行することが、起業や新規事業立ち上げに必要なことだと思います。



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