公認会計士武田雄治のブログ

公認会計士武田雄治のもう1つのブログです。

経営のはなし

一番長い期間サポートした会社

SNSを見てたら、非常に嬉しい投稿がありました。

「本日、株式会社〇〇は法人設立30周年の記念日を迎える事が出来ました!」という同社社長さんの投稿。この会社は、私の独立した2005年にコンサルティング契約をした中小企業です。独立したばかりの頃は、来るもの拒まず、中小企業の会計や経営コンサルティングも結構やっていました。

社長さんから「税理士に任せっきりで数字が何も分からない」、「税理士は年に1度しか決算の報告をしてこない。月次で決算をみたい」と依頼を受けました。月次決算をやるだけでなく、財務分析をし、毎月訪問して問題点を説明し、改善点・改善計画を立て、また翌月に月次決算の分析をする・・・ということ毎月毎月やっていきました。PDCAサイクルを毎月回していくような感じです。

契約受嘱時は資金繰りを圧迫するほどの多額の借金を抱えており、一時はホントに資金ショートをしそうになり銀行に駆け込んだこともありました。東日本大震災の時は連鎖倒産しかけました。何度も崖っぷちを乗り越え、負債も減らし、B/Sもキレイにしていきました。

社長さんからは「私が一人でどんなに努力したって、こうはならなかった」と言ってくれ、結局7〜8年サポートしたと思います。おそらく、一番長い期間サポートした会社だと思います。

私のサポートを離れてから、どうなっているのか気にはなっていましたが、その後も順調に経営され、設立30周年を迎えられたというのは非常に嬉しいことです。また久しぶり訪問してみようと思いました。

商売の原点




一度読んだら捨てるビジネス書が多い中、本書『経営者になるためのノート』は発売から3年経っても読み返してます。商売の原点経営の原理原則が語られている本は多い中で、本書はそれが大局的に語られている点と、結果を出された方が語っている点において、類書とは次元が異なる価値を感じます。(早く文庫化して欲しい。)

この本の中で、柳井氏は、経営者になるために必要なことは『お客様を喜ばせたいと腹の底から思う』ことであり、『お客様のために』が商売の原点と述べております(P66)。

先日、「誤解を恐れずにいいますが、起業家の方は、もっともっと金儲けに貪欲になるべきです」と書きましたが、私が言いたいのは「何をやったら儲かるかを考えろ」ということではありません。私がここで言いたかったことは、キャッシュポイントは複数あるということです。その前提として、社会から求められ、お客様から喜ばれるビジネスのシナリオを描かなければ商売は成り立たないと思います。

No Border

今日は有楽町の東京国際フォーラムに行ってきました。

ファーストリテイリングの柳井正社長の講演を聴くために。

「国は滅んでいる」「税制はおかしい」「制度自体が制度疲労」「既得権益に守られすぎ」・・・など、すべて同意できる内容でした(詳細はもう一つのブログにも書いてます)。

この講演の1時間前に、会計士の友達とお茶をしてまして、日本が高齢化 →既得権益保護 →右傾化・・・の傾向にあることが息苦しい・・・ってな話をしていたところでした。講演で「企業経営はボーダーレスだ」って話もあり、私の仕事・生活もボーダーレスにやっていこうと思った次第です。

はらほろひれはれ

ネットの情報をさくっと拾い集めただけですが、例の会社、以下のような感じのようです。

はれのひ株式会社
資本金150万円

2008年創業
2011年法人化

2015年9月期:決算を粉飾(売上高4800万円架空計上、黒字に改竄? 債務超過を隠蔽)

2016年9月期:10の金融機関から18回にわたって計約6億円の融資を受ける
2016年9月期:売上高約4億円を計上(架空売上分を特別損失計上)

  →以後、新規融資困難になり、資金繰り悪化

2018年1月8日:成人の日
2018年1月26日:破産開始決定(資産1,620万円、負債10億8,500万円

※ 「16年以降は税理士による税務申告もしていなかった」(日経より)


「こんな酷い会社があるのか!?」と思われる方が多いのかもしれませんが、こんな会社、履いて捨てるほどあります。拙書において9割の会社の決算書は間違えている、って書きましたが、大袈裟に言ったつもりはなく、実際にそうだと思っています。

P/Lをめちゃくちゃに改竄したわけですから、その膿はB/Sに溜まります。P/LもB/Sもめちゃくちゃだけど、銀行の融資担当者はそれに気付かないことが多い。で、銀行から1年間に6億もの融資を引き出す。これも珍しい話でもなんでもないです。

一連の報道の一部を見る限り、上の会社の社長の倫理的価値観の欠如たるや凄まじいものがありますが、決算書を良くみせて銀行から融資を取り付けるということは経営者の倫理観だけの問題なのか。

世界には全ての企業に公認会計士の会計監査を義務付けている国があります(日本は主に上場企業のみです)。全社義務付けまでやる必要性はないかもしれませんが、銀行から数億・数十億の融資を受けたり、投資家から出資を受ける時に、会計監査も受けていない決算書が提示されていることが許されているということに誰かがおかしいと言わなきゃならんと思います。事実は如何ようにも改竄、書き換えができるのですから。国だって、銀行だって、書類を改竄、書き換えするのですから。

青山ブックセンター六本木店が閉店ですか・・・

Yahoo!ニュースで知りました。

これはショッキング。

この度、青山ブックセンター六本木店は、6月25日(月)をもちまして営業を終了し、青山ブックセンター本店に統合することとなりました。皆様の温かいご支援の中、これまで営業してこられましたことを厚くお礼申し上げます。
([出処] 青山ブックセンター六本木店 公式Twitterより一部抜粋(2018/5/6 23:58配信))

先日、『本屋さんが消えていくのは残念極まりないことですが、進化論的にみても「仕方ない」としか言いようがない』というようなことを書きましたが、この店が消えるというのはショックですね・・・。昔はよく通ったお店でしたが、私も最近は足が遠ざかっていました。ビジネスとしては相当厳しかったと思いますが、いろんな出会いがあり、楽しく、ワクワクする本屋でした。

青山ブックセンターを運営しているブックオフコーポレーションの有報を見ましたが、業績はやはり厳しそうです。六本木店閉店後は、表参道の本店のみで営業するようですが、こちらも厳しいだろうなぁ。

個別コンサル

3月に2日間(計23時間)で1つの事業を創り上げるという超・長時間セミナーを開催しましたが、創り上げた事業プランがホントにこれで良いのか自信がないという受講者もいるかもしれませんので、3月〜4月にかけてマンツーマンの「個別コンサル」(1日1時間)を実施しました。で、本日、計17名の方へコンサルをすべて終了しました。

以前もこのブログで書いたことがありますが、大半の起業家は、単一事業から1つのキャッシュポイント(収入源)しか考えられていません。複数のキャッシュポイントがあるはずです。例えばですが、セミナー業をやる場合、単発のセミナー収入だけではなく、その二次配信(動画販売、書籍化等を含む)による収入を得ることもできます。セミナー後のフォロー(コンサル等)で収入を得ることもできます。会員制にして定額収入を得ることもできます。BtoB向けのコンテンツをBtoC向けにすることもできるかもしれません。1つの事業から、何パターン、何十パターンもの収入を得ることは可能です。

また、顧客に自社の商品・サービスを購入してもらうための「導線」を考えていない方が大半でした。例えば、HPを開設したり、instagramでコンテンツを配信したりしても、商品・サービスを購入してもらうための「導線」がなかったり、セミナーを開催しても次の階段に登ってもらうための「導線」がなかったり・・・。もったいない。極論をいえば、モノが売れないのではなくて、モノの買い方が分からない・・・。

さらにいえば、ビジネモデルがオリジナルすぎます。世の中に成功事例が山のようにあるのに、なぜそのビジネモデルを研究して、パクらないのか。経営は「TTP」(徹底的にパクる)が鉄則です。


誤解を恐れずにいいますが、起業家の方は、もっともっと金儲けに貪欲になるべきです。自分を過小評価し過ぎですし、ビジネモデルが小さすぎると思います。


この個別コンサルだけが原因ではないですが、体重が2キロ痩せました。私もかなりエネルギーを消費したようです(^^)


会社を維持・存続させるということ

幸福書房


今朝の日経新聞『春秋』より。

本を売りたい人がいて、そこに本を愛する客がいる。でも、それだけでは商売が成り立たない。ビジネスで大切なことを教えてくれるコラムです。

本屋さんの店舗数は右肩下がりに減っていますが、それは(上のコラムにあるような)活字離れだけが原因なのでしょうか。この数十年で、街の本屋さんだけではなく、街の駄菓子屋さん、街の電気屋さん、街の薬屋さん・・・といった「街の〇〇屋」が姿を消しました。代わりに売上を伸ばしたのは、大手の書店、大手のコンビニ、大手の家電量販店、大手のドラッグストア・・・といった「大型チェーン」。時代の変化の先頭をいくものが生き残り、置いていかれたものが衰退するというのは進化論さながら。「進化」とは、「不」を解消するために大陸移動するようなもので、必然的に小売業は経営統合して巨大化していきます。「小」が「大」を飲み込むことは難しく、個性的な本屋さんも淘汰されていく。こういう本屋さんが消えていくのは残念極まりないことですが、進化論的にみても「仕方ない」としか言いようがない。

でも、私はこういう本屋さんにも通います。そして、こういう本屋へ行くと必ず1冊は何かを買うようにしています。本屋さんへのリスペクトの意味も込めて。いずれ淘汰されると分かっているけれど。。。

成長企業の強みの源泉

録画していたTV番組『カンブリア宮殿』を観ました。

ゲストはRIZAP(ライザップグループ株式会社)の瀬戸健社長。まだ30代の社長さんです。

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RIZAPは以前から注目していた企業の一つで、私の経営者・起業家向けのセミナーでも革新的なイノベーションを起こした企業の事例として取り上げたことがあります。売上高の推移は以下のグラフの通り。創業十年ちょっとで連結売上高1500億円(時価総額は5000億円:現時点)の企業となりましたが、創業当時は「豆乳クッキーダイエット」というクッキーを作っていた会社だということを知らない方は少なくありません。

今ではRIZAPといえばパーソナルトレーニングのジム運営会社と認知されていますが、実はジムの売上高は全体の4分の1以下で、積極的なM&Aを仕掛けて急拡大している会社なのです。

ちなみに、M&Aだけではなく、「ライザップゴルフ」や「ライザップイングリッシュ」などの新規事業も展開しています。


ライザップ業績推移

(RAZAPグループ株式会社 公表データを元に武田作成。 2006年まで単体、2007年から連結、2016年からIFRS(国際会計基準)適用、2018年は見込み。)
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番組では、『私の履歴書』が書けそうな瀬戸社長の苦難の人生や、成功後も続く倹約生活なども紹介され、その一貫した価値観にフォーカスがあたっていたように思いますが、私はこの会社の強みの源泉はどこにあるのか・・・という点にフォーカスをあてて観ていました。

観ていて感じたのは、「三日坊主市場」を狙うという事業ドメインと、「『人は変われる。』を証明する」という企業理念が寸分たがわずピッタリであることと、両者の間に”三日坊主”を防ぐための「パーソナルトレーナー」という経営資源が存在することが、ライザップの強みの源泉なんだろうなぁと。

立派な経営理念を掲げているだけではなく、それを具現化するために「パーソナルトレーナー」の育成に余念が無いところが競争優位性・差別化要因となっているようにも感じます。

また、この「三日坊主市場」を狙うのであれば、ゴルフやイングリッシュだけでなく、他にも進める分野はあるわけで、まだまだ成長のポテンシャルを秘めているようにも感じました。

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この番組を観た後に、「アナザースカイ」の録画も観ましたが、やっぱりシンガポールはいいですねぇ。リタイア後の移住先候補のひとつです。


億稼ぐビジネスプラン 〜続き

先日から続いている「個別コンサル」が昨日、一旦すべて終了しました。5日間かけて、計24名(計24時間)のコンサルを実施しました。

24名分のビジネスモデル・ビジネスプランを拝見すると、私も色々と勉強になりました。

ここでは2つ、私の気付きを書いておきます。

(1)事業ドメインの決定について

孫正義さんは『経営者の最も重要な仕事はドメイン(事業領域)を常に再定義することだ』と述べております(日本経済新聞 2012/12/30朝刊、孫正義氏へのインタビュー記事より)。

事業ドメインは、「進むべき方向」と言い換えても良いと思います。

このドメインの決定にあたり、「ドメイン」=「私がしたいこと」(夢・願望)という方がかなりいました。「ドメイン」=「私ができること」(能力・資源・キャリア等)という方は少数でした。「私がしたいこと」がビジネスになれば幸せですが、「私ができること」(もしくは「私にしかできないこと」)をやる方が儲かるビジネスになると思いますし、ワクワクすると思いますし、顧客からも喜ばれると思いますし、感動を与えることができると思いますし、双方win-winになるのではないかと思います。

「私ができること」を過小評価していたり、棚卸し出来ていない方が少なくありませんでした。「私ができること」なんて何もない!! って方もいましたが、そんなことはないはずです。小さい時に夢中になったこと、ハマったこと、怒られてもやり続けたこと・・・などが誰しもあると思いますが、そういったものが才能の原型ではないかと思います。

(2)ビジネスモデルについて

単一事業から1つのキャッシュポイント(収入源)しか考えられていないビジネスモデルが大半でしたが、複数のキャッシュポイントがあるはずです。例えばですが、セミナー業をやる場合、単発のセミナー収入だけではなく、その二次配信(動画販売、書籍化等を含む)による収入を得ることもできます。セミナー後のフォロー(コンサル等)で収入を得ることもできます。会員制にして定額収入を得ることもできます。BtoB向けのコンテンツをBtoC向けにすることもできるかもしれません。1つの事業から、何パターン、何十パターンもの収入を得ることは可能です。

1つのキャッシュポイントから月額20万円しか得られる見込みがない、これでは生活もできない、といって諦めかけてた方もいました。しかし、1つの事業コンセプトから10パターンの価値(value)の提供方法はあるはずですし、10パターンの顧客の定義もできるはずです。組み合わせると100パターンの価値提供ができます。そうすると月額20万円のビジネスモデルも、月額2000万円(年商2億超)のビジネスモデルに変貌させることができます。

そうやって、ビジネスモデルを考える際には、できるだけ多くのキャッシュポイントを考えてもらえれば、大きなビジネスができるのではないかと思います。


【関連記事】
2018/1/26 絶対儲かるビジネスモデルの作り方

Think big

今日読んでいた本に、
『(ナルシシスティックな人は)自分と自分のものは過大評価する。他のものはすべて過小評価する』(P97)
と書かれていました。

確かにナルシストはそうかもしれません。

だから、
『理性と客観性が損なわれるのは明らかだ』(同)
と。


ただ、先日から続いている「個別コンサル」において、多くの経営者・起業家とお話しして感じるのは、どちらかといえばナルシシスティックな人が多いのに、自分を過小評価し、さらに自分のビジネスモデルはさらに過小評価する人があまりにも多い。

理性と客観性が損なわれたらまともにビジネスはできませんが、もっと大きなことを考えてビジネスモデルを構築したら、もっと面白いことができるし、もっと稼げるのになぁ〜、って思うことがあります。

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●武田公認会計士事務所 代表
●中小企業支援の「黒字社長塾」代表
●中小企業のコスト削減・業務効率化支援の「バックオフィスサービス株式会社」取締役



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