公認会計士武田雄治のブログ

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おすすめの本

小休止のすすめ

小休止のすすめ (SB新書)
ヒロミ
SBクリエイティブ
2019-01-08



『小休止のすすめ』というタイトルの本を書店で見付けた。「いいタイトルやなぁ」と思った。表紙に写っているのは、生き様が好きなタレントのヒロミさん(53歳)と藤田晋社長(45歳)。二人とも若い頃は死ぬほど働いていたと思う。藤田晋社長は、20代の頃は、平日は9時〜26時まで、土日も12時間働いていたという(P38〜)。しかし、このような働き方をしていたのは20代だけで、30代、40代になってからは「小休止」を挟み、メリハリを付けているという。ヒロミさんも一時期テレビから消えたが、その間もめちゃくちゃ遊んだらしい。

20代から働き始めたら、長い人は50年、60年と働くことになる。休みなく50年も60年も走り続けるなんて無理に決まってる。私は35歳くらいでそれを悟り、資産形成をはじめた。

逆にいえば、気力体力のある20代は死ぬほど働くべきだと思う。世間は「働き方改革」だの、「残業禁止」だの、「休日出勤禁止」だの、労働時間を抑制することに躍起になっているが、いまだに納得できない。ハラスメントは絶対にダメだと思うが、好きで仕事をやってる人間に対して労働時間だけを抑制するのはナンセンスだと思う。死ぬほど働きたい人は死ぬほど働くべきだ。30代、40代になってからでは身体が言うことをきかなくなる。20代のうちに死ぬほど働いて付けた差は、30代、40代になっても埋まることはない。20代が勝負だと私は思う。

ただ、ある程度の歳になったら、ヒロミさんが述べているとおり、「引き際を自分で決める」(P50〜)、「山登りも人生も下山が大事」(P66〜)、「力の抜きどころを見極める」(P187〜)、「人生は長距離走で考える」(P223〜)といったことも大切だ。こういったことを考えないと肉体か精神を壊す可能性がある。


『小休止』とは関係ないが、本書でヒロミさんがとても共感できることを書いていたので、備忘録的に残しておく。
「俺、ヒロミさんにずっと付いていきます」と言ってくる人のことは、話半分で聞いておいた方がいい。大抵はいなくなる。経験上、言葉に出すヤツより、黙って付いてくる人の方が信頼できる。(P74)
ホンマ、そのとおり。こういうことを言ってきた人が何人かいたけど、見事に全員いなくなった。。。


【関連記事】
ヒロミ著『いい訳しない生き方。』(ロングセラーズ)

ナラタージュ

先日読んだ島本理生さんの『イノセント』という小説が良かったので、『ナラタージュ』(角川文庫)という作品も買ってみた。恋愛小説を立て続けに読むなんて多分人生で初めてのことだが、それは特に深い意味はない。

本作『ナラタージュ』は映画化もされており、主人公は有村架純だったらしい。映画は観てないが、どうしても有村架純をイメージしながら読んでしまう。

高校生の時に好きになった男性教諭(葉山先生)と、大学2年になってから再会する。今でも葉山のことが好き。しかし、葉山の嘘がばれる。バツイチ独身と思ってたが、妻と別居してるだけで離婚が成立していないことを知る。

「隠していたことを話したら最後、今度こそ君は離れていってしまうと思ったんだ」(P199)

ずるい男だし、不器用な男だ。前読んだ『イノセント』にも不器用な男が登場する。男は不器用なものだ。

私は葉山と別れることを決意する。別れと嘘と裏切られたという気持ちがぐちゃぐちゃに絡み合って責めたてられる。人目をはばからず号泣する、嗚咽する。全てをゼロに戻そうと思った時、私を想ってくれる同級生(小野君)に告白される。そして付き合うことになる。

小野君と付き合うことになったが、彼と寝てても目を閉じると思い浮かぶのは葉山の顔。結局、小野君も疲れ、二人は別れる。葉山は妻の元に戻っていくが、しかし・・・

という、なぜか不思議な既視感を覚えるストーリー。

『イノセント』に比べて深みがなく、展開が浅いのに400ページもある。長い。正直読むのに辟易とした。しかし、『イノセント』と同様に、所々に深く引き込まれていく魅力があり、一つ一つのシーンの表現力が秀逸で、ため息が出そうになった。小説なのに赤ペンを何ヶ所も引いた。

例えば、妻の元に戻っていく葉山と最後のセックスをするシーン。
私はふいに怖くなる。私はもう彼のことを愛していないのではないかと疑ってしまう。欲望の強さで愛情すら霞んでいく、この先もう誰と寝ても同じように満たされることはないのではないか。それとも今日この午後がすべてとなって、その余力で残りの一生を、セックスを持ちこたえていくのではないか。(P394)

これを著者は20歳の時に書いたというから驚かされる(「早熟の天才小説家」と称されているのも頷ける)。若くしてどれほどの恋愛をしてきたのだ・・・、それに引き換え、僕の20歳の頃は・・・と、どうでもいいことを考えてしまう。40歳を超えても、セックスをこのように表現する経験も表現力も私にはない。


ナラタージュ (角川文庫)
島本 理生
角川書店
2008-02-01



心の傷を癒す方法

自分のことを「言語化」しなさすぎる人は多い。
誰の周りにもいるはずだ。
”よく分からない人” が。

開示しないと「疑い」の対象になる場合がある。開示すれば「信頼」を得られる場合がある。では、自分のことを何でも開示すべきなのか。相手に何でも開示させるべきなのか。

例えば、好きになった異性や、結婚を考えている異性の「過去」を知る権利はあるのだろうか。Yesという人もいるかもしれないが、私はNoだと思う。そんな権利はないと思う。その相手が婚約者であろうが、「過去」に何があったのかはどうでもいいと思っている。夫婦になったってプライバシーというものがあるように、相手の全てを知る権利も必要性もない。「疑い」を始めたら、戸籍謄本から家系図から在学証明書から何から何まで調べなければならない。嘘は付いていないと「信頼」するしかない。

しかし、相手を全面的に「信頼」することが愛することではない。

どんな人間でも、大なり小なり、過去のトラウマ、コンプレックスなどを引きずっている。何か重いものを抱え、これ以上傷付くことを怖がって、色んなものから逃げてきた人もいるだろう。そういった過去を墓場まで持っていく人もいるだろうし、覆い隠すために ”大人の嘘” を付くことだってあるだろう。

ただ、何らかの事情で相手の「過去」を事後的に知ってしまった場合、それを全て引き受けることができるか。 例えば、未婚と思った相手が結婚していたら? バツが付いていたら? 隠し子がいたら? 浮気していたら? 罪を負っていたら? 自分はそれを引き受けることができるか。

相手の「過去」に目をつむって生きていく、という選択もできる。これ以上その相手と関わらない、という選択もできる。無責任な優しさで関係は続ける、という選択もできる。しかし、これらのどの選択をしても、それは「信頼」したことでもなければ、愛することでもない。

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書店でたまたま手に取った島本理生さんの『イノセント』(集英社文庫)という本をこの週末に読み耽っていた。「イノセント」とは純潔という意味だ。最初の数十頁は余りにもフツーの純愛小説的な内容だったので途中で読むのを止めようかとも思ったが、途中から引き込まれていった。後半は唸った。こんな素晴らしい小説に出会えるとは思わなかった。後から島本理生さんが直木賞作家だと知った。納得だ。こんな若いのにこんな本が書けるのは凄いとしか言いようがない。

万能の神でも全員を救ってくれる訳ではない。神でも善人でもない自分が人を救うことができるのか。聖書の教えを所々に織り交ぜながら、重い過去を抱えた人、深い絶望を抱えた人に対し、人生を捧げ、身を犠牲にして救うとはどういうことなのか、救済とは何なのか、そして本当の愛とは何なのかについて教えてくれる物語。

読みながら、自分自身がいかに相手と向き合っていなかったのかを思い知らされた。相手に踏み込んでいないのだ。踏み込むことに恐れているのかもしれない。他方で、自分自身にも過去のトラウマ、コンプレックスなどを引きずっている。そんな過去を覆い隠している。そんな過去は「言語化」したくない。そう、つまり、自分自身も周りから見たら ”よく分からない人” なのだ。根本には、相手が自分のことをさらけ出すこと、また自分が自分のことををさらけ出すことに対し、相手から拒絶されることが怖いという心理があるのだ。自己防衛が働き、相手と距離を置き、自分を殻に閉じ込めている。

かと言って、人間は万能の神にはなれない。完璧な平穏も完璧な人間もこの世にはいない。人の心は弱く、うつろいやすい。神の導きどころか、悪魔が用意いた誘惑に引っかかり続けるのだ。そうやって、向き合わなければならかいものからさらに逃げる。そして「過去」から追いかけられることになる。本書にもそういった3人の登場人物が、不器用に振り回されていく。まるで自分自身を見ているようだ。

本書を読んで、他者とどう交わり、どう生きていくべきかを教えてもらったような気がする。相手の「過去」に対しても、自分の「過去」に対しても、きちんと向き合わなければならない。自分の気持ちに素直になり、相手に気持ちを伝える。さらけ出す。自分のトラウマもコンプレックスも弱さも全てを開示する。それが「信頼」してもらうことになり、相手の心を開くことにつながる。相手の心を力でこじ開けることなんて出来ないし、そういう方法で相手の「過去」を知ることも出来ない。

そういえば、昔何度も読んだ岩田靖夫『よく生きる』(ちくま新書)にも同じようなことが書かれていた。

本当に、人生は苦しいものです。なんの苦しみも負っていない人などこの世の中にはいません。こんなこと人に知られたら大変だなんて思うことも、一つや二つ誰にでもあるのです。そういうことから逃げていたのでは本物にはならない。そういうものを正面から受け止めて、そういうものを自分で背負って、あからさまにさらけ出して生きることが出来た時に、本当の人に出会う可能性が生まれるのです。
(岩田靖夫『よく生きる』(ちくま新書)P98)

それがイノセント(純潔)な愛となるのだろう。それが過去の傷を癒す唯一の方法かもしれない。

私たちを振り回すアンビバレンスな人たち

人間は相反する気持ちを同時に抱えることがある。そのため、本心とは反対のことを言うことがある。

例えば、
 ・会いたいのに、「しばらく会えない」と言ったり
 ・愛しているのに、「あなたは私のことを愛してないのよ」と言ったり
 ・結婚したいのに、「今は仕事に専念することにした」なんて言ってみたり


相手がこういう言動に出ると、こちらとしてはどう受け止めたらいいのか戸惑うし、どう理解したらいいのか分からず混乱してしまう。愛されているのか、嫌われているのか、会いたいのか、会いたくないのか、方向性がみえにくいので、周囲は振り回されることになる。

精神科医の岡田尊司氏は、このような「方向性がみえないとき、そこには、まず間違いなく両価的なジレンマが潜んでいるとみていい」と断言する。精神分析の世界では、このような相反する気持ちを同時に抱えることを『両価性』(アンビバレンス)という。世の中には『両価性』が強い人と弱い人がいるが、悩んでいる問題や未解決な問題に関わる時、『両価性』が強まった状態になりやすい。例えば、結婚に踏み込むべきか、止めておくべきかで悩んでいる時に、人は『両価的なジレンマ』に陥る。

我々は、このような「あまのじゃく」な人が少なくないことを知っておくべきだ。「あまのじゃく」な言動を真に受けて、愕然としてはならない。ここで、怒りや憎しみや「許せない」という気持ちになり、それを引きずると、人間関係が破綻することだってあり得る。「あまのじゃく」と「嘘」とは違うのだと知っておくだけでも、人間関係で傷付けられることはある程度避けられるはずだ。


【参考文献】
岡田尊司『あなたの中の異常心理』(幻冬舎新書)

人を遠ざける人に共通する問題

人はなぜ、ウソをついたり、暴力を振るったりという、邪悪・異常な行動を取るのか。

例えば、イタズラ、イジメ、DV、虐待を見ても分かるように、そこには(本人が意識しているにしろしないにしろ)一種の「快感」があるのだ。麻薬のようなものであり、嗜好性があり、一度やり出すと止められなくなる。虚言、暴力、支配、戦争も「悪の快感」を味わっているのである。

同じ人を殺すという行為にしても、やむにやまれず身を守るために行った場合と、殺すこと自体が目的化した場合では、受け止め方が全く違う。我々は概して、「自己目的化」した行為というものに生理的な反発を感じるし、理解出来ない「異常性」を感じる。さらには、強い嫌悪感、許し難い怒りを覚える。当然、そういう相手との関わりは避けるし、信頼もしない。

では、そういう行為がやめられない人間は、相手からの信頼失墜という代償を払ってでも、なぜそういう行為を繰り返すのか。そこには快感という「麻薬的な報酬」があるからであるが、次のような共通する問題(背景)が見え隠れするという。

それは、自分が愛されていないという寂しさであり、欠落したものを抱えているという飢餓感である。それを本来は満たし、癒してくれるはずの相互的かかわりが不足しているのである。その結果、自己目的化した快楽の円環に飢餓感を閉じ込めるために、いくら繰り返しても満たされることのない行動に耽り続けるのである。
(岡田尊司『あなたの中の異常心理』P97より)

こうした悪循環に陥ってしまうと、本人は自己目的化した行為を正当化し続けてしまう。そうやって邪悪・異常な行動は繰り返されていく。イジメや虐待が人殺しになるように。心の暴力が相手に永遠の傷を負わせるように。

では、そのような「異常心理」をもった人間が異常性から克服することはできるのか。前出の本によると、克服するためには、両親、配偶者、恋人、友達などの相互的な関係を愛情で満たされたものにすることだ。自分を愛し、大切にしてくれる存在がいるということを実感することそれによって自分も愛されるに値する存在だと思うこと(この点、先日紹介した『平気でうそをつく人たち』の結論と似ている)。

そうしなければ、さらに人を遠ざけ、自分が愛されない存在となり、孤立し、寂しさが増し、自分の弱さが露呈することになる。


【参考文献】
岡田尊司『あなたの中の異常心理』(幻冬舎新書)

あなたが消えた夜に

南国


旅をする時は、殆ど荷物を持っていかない。周りの観光客を見ると、あんなに馬鹿でかいスーツケースに何を入れてるのかが気になる。数日分の下着と、本とkindleとペンとメモがあれば十分だ。観光でスケジュールを埋めることはしない。ビーチかプールサイドかカフェでぼーっと本を読んでいるのが心地良い。

今回の旅で中村文則さんの『あなたが消えた夜に』という小説を持っていった。旅行好き・読書好きの友達Tの薦めで。中村文則さんの本は初めて手に取ったが、この本はハマった。持参した他の本は放ったらかしで、この本を年末年始に二度読んだ。

-----

「あなた」が消えたら、「わたし」はどうなるんだろうか。

「あなた」が他の異性とSEXしてたら
「あなた」が他の異性と逃げたら
「あなた」がどこにいったか分からなくなったら

「わたし」はどのような感情が生まれるんだろうか。

特にそれが、愛をはぐぐんだ相手だったとしたら。


悔しい、寂しい、辛いといった悲しみの感情ばかりか、怒り、憎しみ、許せないといった憎悪の感情が生まれる場合もある。「わたし」は絶望の淵を彷徨うかもしれない。そうなれば、消えた「あなた」をひたすら追いかけるかもしれない。復讐するかもしれない。不幸のどん底に突き落とすかもしれない。殺すかもしれない。それが、まるで愛情表現の手段であるかのように。実際そうして自分の人生を破滅させてしまう人もいる。

そういう人が本書に登場する。

本書に登場する複雑な人間関係にしばらく ”意味が分からない” と思った。しかし、読み進めていくにしたがい、その糸がほどかれていき、過去の記憶、心の傷、人間の暗部に焦点が当たり、人間の狂気性、罪悪感をえぐり出す。人はなぜ愛に狂い、闇に堕ちていくのか。人はなぜ自ら歪んだ状況をつくり、破裂していくのか。

それも無意識に。

自分が望んでもない方向に…。

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読みながら自分自身の過去の記憶とオーバーラップしていく。気にかけてくれる人が現れるとわたしの元から消えていった「あなた」。堕ちていく「わたし」。すべてが空虚になり、自分の存在意義を失いかける。人間はそんな経験を何度も経て内面が作られていく。良くも悪くも。

最近「孤独」「寂しさ」をテーマにした本が多いし、そういうタイトルの本が売れているように思う。人間は何かに依存しなければ生きていけない生き物だから。それは神かもしれない、宗教かもしれないし、異性かもしれない。「性依存」というコトバがあることを本書で初めて知ったが、性に依存しなければ生きていけない人もいる。その依りかかれるものを失った時、「もう終わった生活をしているような感じ」(P221参照)になる。だから、それが自分が望んでいる方向ではなくても、何かに依存せざるを得ないのだ。それが周りから ”狂気” と見えても。だから、世の中には自分が理解に努めても理解できない人がいる。

果たして、今のわたしは何に依りかかっているんだろうか。それは自分が望んでいる人生なのだろうか。さざなみの音を聞きながらしばらく考えた。



あなたが消えた夜に (毎日文庫)
中村 文則
毎日新聞出版
2018-11-07



2018年下期 良かった本

半期に一度のエントリー。

今年7月〜12月までに読んだ本の中で、良かった本をご紹介します。
(この期間に発売された本ではありません)





この本は今年読んだ小説の中では一番です。18禁のエロ私小説ではありません。人間の「正常」or「異常」について、真正面から、どストライクで問うた作品。完璧な人間なんていません。人それぞれに価値観・倫理観があるわけで、それを他人に押し付けたり、押し付けられたり、人の価値観・倫理観に迎合する必要はない。『夫のちんぽが入らない』という著者が、「普通」じゃないことに悩み、「正常」に苦しめられ、それを乗り越えていく。凡百の哲学書を読むより本書をオススメ(っていうと言い過ぎかな)。





精神科医岡田尊司氏の本は数多く読みましたが、本書は特にオススメ。「マインド・コントロール」というと何か悪いことのように聞こえるかもしれませんが、決してそれだけの意味ではなく、主体的に生きるか、受け身のまま生きるのか、という人生のコントロール術でもあると思います。佐藤優氏が本書の帯で『本書は21世紀の必読書である』と大絶賛しています。書評はこちら





今年は訳あって心理学関連の本を乱読しました。その中で最も面白かったのが本書。「虚偽と邪悪の心理学」という副題のとおり、「平気でうそをつく人たち」や「邪悪な行動をする人たち」の本質を明かしてくれます。なぜ人は平然とうそをつくのか。なぜ他人を欺き、自分をも欺くのか。何を隠し、何から逃げているのか。人間の本性を知ることができる一冊。書評はこちら



良心をもたない人たち (草思社文庫)
マーサ スタウト
草思社
2012-10-04


同じく心理学関連では本書も非常に面白かった。現在のアメリカでは25人に1人(人口の4%)が『サイコパス』だといいます。自分の周りに、良心や愛情が欠落したサイコパスのような人間が必ずいるということです。そして自分の中にもサイコパス的な邪悪な要素が潜んでいるかもしれません。他人を傷つけ、良心の呵責もなく、罪悪感もなく、短絡的に、冷淡に、自己中心的に生きていき、結果として哀れな末路を辿るのか、それとも真の幸せを生きるのか。『良心をもたない人たち』から学ぶことは非常に大きい。書評はこちら





来年はもっと読書に耽溺する時間を持ちたいと思います。

人生二度なし
良い本で、良い人生を!
No Fun,No Life !!



【過去に紹介した良かった本】
2017年下期 良かった本
2017年上期 良かった本
2016年下期 良かった本
2016年上期 良かった本
2015年下期 良かった本
2015年上期 良かった本
2014年下期 良かった本
2014年上期 良かった本
2013年下期 良かった本
2013年上期 良かった本
2012年下期 良かった本
2012年上期 良かった本
2011年下期 良かった本
2011年上期 良かった本
2010年下期 良かった本
2010年上期 良かった本
2009年下期 良かった本
2009年上期 良かった本
2008年 良かった本

【オススメ本】雑誌『BRUTUS』の「危険な読書」特集

BRUTUS


雑誌『BRUTUS』の「危険な読書」が今年もやってきた。
2016年が白、2017年が黒、2018年が赤の表紙。

今年は2016年、2017年版よりも遥かにバージョンアップしたような気がします。
冒頭の荻上チキ氏と武田砂鉄氏の対談なんて、最高。
"理系読書” という特集も最高。

dマガジンでも読めるけど、紙で買い直しました。
読書好きにはオススメです。

どんな本であっても、読み方次第では人生を変え得る危険性をはらんでいる。
読書は未知なる遭遇であり、思いもしなかった自分自身に出会う旅でなければならない。

世の中にはまだこんな本があったのか!
そんな驚きを求め、凝り固まった己の殻を穿つ、”弾丸”となり得る読書を楽しもうではないか。
(P20より。一部編集しました。)



(※ 上の写真はネットより拝借しました。)



【オススメ本】ジョージ サイモン著『他人を支配したがる人たち』 (草思社文庫)

文庫 他人を支配したがる人たち (草思社文庫)
ジョージ サイモン
草思社
2014-10-02



先日紹介した『平気でうそをつく人たち ―虚偽と邪悪の心理学』(草思社文庫) 、『良心をもたない人たち』 (草思社文庫)に続き、”草思社文庫つながり” で本書『他人を支配したがる人たち』も読んでみました。

「平気で嘘をつく」→「良心をもたない」→「他人を支配する」…という ”心の暴力3兄弟” ココにあり、です。邪悪な人間から ”心の暴力” を受けて人生をボロボロにされないために、こういった心理学(認知科学、行動科学)の領域を知っておくのは有益かと。


原題は『In Sheep's Clothing』(ヒツジの皮をまとう者

新約聖書に出てくる「ヒツジの皮をまとう狼(a wolf in sheep's clothing)」(=うわべはいい人のふりをして、相手を意のままに操ろうとする者)から取ったタイトルのようです。


相手を意のままに操作する(manipulate)人のことをマニピュレーター(manipulator)というようです。で、このマニピュレーターは「潜在的攻撃性」というパーソナリティー(人格)を持っている(P20)。その名の通り、「潜在的」に「攻撃的」に人を操る人たちのこと。サイコパスは「潜在的」ではないため、厳密にはマニピュレーターではないようですが(P53参照)、「攻撃的」に人を操る意味では同じなので、本書を読む時はマニピュレーターもサイコパスも同じ括りで読んでも問題ないと思います。


では、マニピュレーター(manipulator)とはどんな人間なのか。第9章に書かれている、マニピュレーターの『戦術』は参考になると思いますので、以下に列挙しておきます。先日紹介したロバート・D. ヘア氏の『精神病質チェックリスト』や、『良心をもたない人たち』で紹介されていたアメリカ精神医学会の『サイコパス(反社会的人格障害)のチェックリスト』と比較すると、 ”心の暴力” を振るう人間の特徴が見えてきます。


▼人を操り支配する戦略と手法(第9章より、一部表現を変えています)
(1)矮小化
問題の矮小化を図る。自分のやったことなど取るに足らないものに見えかけようとする。

(2)虚言(嘘をつく)
目的のためならどんな手段も辞さないので、相手には必ず嘘をつく。嘘と判別しがたい巧妙な虚言を口にする。重要な言葉を伝えない事実をねじまげる意図して意味を曖昧にする

(3)否認する
悪意から人を害し、あるいは傷つけるような行為に及んだのが明らかにも関わらず、攻撃した本人がその事実を認めるのを拒む。場合によっては、犠牲者の方こそ問題ではないかと思い込ませる。

(4)選択的不注意
相手の警告・申し立て・願いをわざと無視する

(5)合理化
何をやろうとその正当性を相手に納得させる。攻撃者の良心も黙らせ、相手の口出しも封じ込める。

(6)話題転換
問題をすり替え、問題をはぐらかす。相手の目を自分の行動から遠ざけたり、相手の注意を逸らしたりする。

(7)はぐらかし
わざと曖昧にする。単刀直入な質問にも漠然とした返事をする。自分が窮地に追い詰められるのを避けたり、問題を意図的に回避したりする場合に使われる。

(8)暗黙の威嚇
ああ言えば、こう言う」弁舌にたけている。相手をゆさぶり、不安をあおり、一段低い地位に留め、支配したままにしておこうとする。あからさまな憎悪や脅しだと悟られない相手を守勢に追い込むことができる。

(9)罪悪感を抱かせる
相手の良心につけこんで、相手に罪悪感を抱かせる。特殊な威嚇法。

(10)羞恥心を刺激する
さりげない皮肉やあてこすりで相手の不安をかきたて、相手の能力や価値観に疑問を持つようにしむけたり、劣等感を煽ったりして、自分の意に従わせようとする。

(11)被害者を演じる
意図して不運な人間や傷付けられた被害者を演じ、相手の感情をかきたて、目的とするものを手中におさめようとする。

(12)犠牲者を中傷する
被害を受けているのは自分で、自分を守るために図らずもも闘いに応じるしかなかったと見せかけ、本当の被害者をさらに守勢に追い込む。

(13)忠実なる ”しもべ” を演じる
自分勝手な目的をあたかも崇高な理念に奉じているかのように取り繕う。ひそかに抱いている力への渇望や野心、他者を支配する地位を手にしたいという下心を隠蔽する。

(14)人をそそのかす
人を称賛して褒め、有頂天にさせる。相手の警戒心を解き、その信頼や忠誠心を自分に差し出させる。

(15)責任を転嫁する(他人のせいにする)
自分に向けられた非難を転嫁できる先をつねに探し求めている。スケープゴートを見つけ出すのにたけている。

(16)無実を装う
非難されるような行為はしていないと被害者を納得させる。

(17)無知を装う・混乱を装う
しらばっくれることにより、自分に向けられた相手の詰問の正当性を疑うように仕向ける。

(18)これ見よがしに威嚇する
怒りを(無意識の感情的な反応ではなく)入念に練った意図的な行為として表明する。人を威嚇して支配するという点では、これ以上ない手法である。


最終章(第10章)は、こういった人たちへの対処方法が書かれています。今後の自己防衛(防衛機制)のためには参考になります。こういった人たちは我々が考えられないような言動を取ります。「致命的な誤解は、人間は基本的にみな同じだという思い込み」(P193)をすることだと著者は警鐘を鳴らします。「相手がなぜこんな行為におよぶのか、それに対して ”深読み” をしたり、あれこれ思いを巡らせたりしてはいけない」(P205)、「相手の真意を知ることなどできるものではない」(同)のです。こういった人たちに流され、傷つかないために、我々にはコーチング力や交渉力など、それなりの「技術」を身に付けなければならないということがよく分かります。そういった力を身に付け、相手を知り、自分を知るためにも、 ”心の暴力3兄弟” は有益な本だと思います。

【オススメ本】鎌田浩毅著『座右の古典』 (ちくま文庫)

座右の古典 (ちくま文庫)
鎌田 浩毅
筑摩書房
2018-09-11



本を選ぶ時に、『ガイド本』は大いに参考にしています。書籍でも雑誌でも、『読書ガイド』はとりあえず買います。そこから新たな世界を知ることもできますし、そこで紹介された本が人生観を変えることもある。

色んな『ガイド本』を読んできましたが、鎌田浩毅教授の『座右の古典』は特にお気に入りの一冊。初版は2010年に発売。もう8年も経ったのですね。今でも時々読み返しています。この本がキッカケで、レヴィ=ストロース(野生の思考)、ハマトン(知的生活)、九鬼周造(「いき」の構造)などを手に取ることになりました。

この『座右の古典』が文庫化されました。古典的名著50冊が紹介されています。鎌田浩毅教授の書評・解説が最高に分かりやすい。読書好きの方には強くオススメします。



【こちらもオススメ】
鎌田浩毅著『理科系の読書術 ―インプットからアウトプットまでの28のヒント』 (中公新書)

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