公認会計士武田雄治のブログ

公認会計士武田雄治のもう1つのブログです。

おすすめの本

【オススメ本】歌野 晶午『葉桜の季節に君を想うということ』 (文春文庫)




自宅の最寄りの小さな書店で平積みされていた小説。

帯を見ると、いろんな賞で第1位になってるみたいだし、『各界著名人が絶賛の嵐』らしいし、「それって本屋大賞受賞作くらい面白いってことだよな!?」って解釈して、中も見ずに購入。

葉桜の季節に


ちなみに、裏の帯には、こんなことが書かれている・・・。気になって仕方ない。

葉桜の季節に


この週末に読みました。

はい、騙されました。

最後の一文に至るまで、ひたすらに驚き続けることになりました。

歌野晶午さんの小説は初めて読みましたが、ネット商法の実態を暴いたり、ヤクザの事務所にスパイとして潜入したり・・・、ネタバレになるのでこれ以上は伏せますが、内容も展開も、私がどれだけ努力したって、こんなもの書けません。。。すごい面白かったです。


鳩の撃退法』以来、ドハマりしました。オススメです。

【オススメ本】高橋 昌一郎著『愛の論理学』 (角川新書)

愛の論理学 (角川新書)
高橋 昌一郎
KADOKAWA
2018-06-09



『理性の限界』『知性の限界』『感性の限界』シリーズで有名な高橋昌一郎氏が新刊書を出されました。

「愛」とは何かについて、様々なアプローチから解く。

■目次
第一夜: 「隣人愛」と「遺伝子」〈宗教学的アプローチ〉
第二夜: 「服従愛」と「名誉殺人」〈文化人類学的アプローチ〉
第三夜: 「動物愛」と「子猫殺し」〈芸術学的アプローチ〉
第四夜: 「異性愛」と「化学物質」〈心理学的アプローチ〉
第五夜: 「同性愛」と「同性婚」〈社会学的アプローチ〉
第六夜: 「平等愛」と「新生児救命」〈医学的アプローチ〉
第七夜: 「人類愛」と「宇宙」〈哲学的アプローチ〉

ひとことで ”愛” といっても、さまざまです。

宗教学的アプローチ(第一章)の観点から述べている、「汝の敵を愛せよ」的な”隣人愛”は、あまりにも理想主義的すぎて私には理解に苦しみます。

文化人類学的アプローチ(第二章)の観点から述べている、人間の私利私欲を捨てた神への「絶対的服従」を誓うことを美徳とみなすような ”服従愛” は、(今でも地球上で当然のように行われているようですが)私には歪んだ愛に感じます。

社会学的アプローチ(第五章)の観点から述べている ”同姓愛” や、医学的アプローチ(第六章)の観点から述べている ”平等愛” については深く考えさせられました。ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の宗派は”同姓愛”をタブーと捉えていますが(P155)、宗教的理由のない日本や韓国などのアジア圏でも”同姓愛”に対する寛容度が低いという調査結果があります(P163)。一種の「ヘイト」(P164)がない社会にしなければなりません。「社会的マイノリティ」に対する差別を撤廃しよという”平等愛”については、「アファーマティブ・アクション」についても取り上げられていますが(P174〜)、マイノリティ優遇が「逆差別」を生み、それが憲法違反を争う裁判にまでなる事例もあり、何が平等なのかは非常に難しい問題であると感じました。我が国では、人種による差別はほとんどないと思いますが、男女間の差別(不平等)があり、「先進国としては、考えられないような悲惨な結果」(P190)を生んでいます。某医大入試のような男女差別が今でも行われていることも驚きましたが、逆に入試で「女性枠」を設けた大学もあり大問題となったことがあります。真の平等とは何なのか・・・といったことを考えさせれます。

”異性愛” (第四章)についても、面白いエビデンスが載っていました。愛を、 屮廛薀哀沺廖福畆騨囘な恋愛)、◆屮▲ペ」(=愛他的な恋愛、自己犠牲的な愛)、「マニア」(=偏執的な恋愛、狂気・熱狂的な愛)と分類した時に、男性は「アガペ」「マニア」が多いが、女性は「マニア」が多いものの「アガペ」が少ないという調査結果があります(学生への調査)。つまり、男性は女性よりも相手に尽くしている(そして、男性も女性も恋愛しているカップルは一種の熱狂状態にある)という傾向があるようです。先日紹介した「愛着スタイル」と同じように、恋愛にもスタイルがあるというのは興味深い内容でした(本書では六類型に分けて紹介されています)。

このように、「愛」とは何かについてひとことで言い表すことはできませんが、人は誰しも「愛」を求めているのではないでしょうか。

最終章に、トルストイ『人生論』から引用された文章が載っています。
すごいことを言っています。
『・・・人は、自己中心の生活を否定した結果、(略)ほんとうに愛することができるようになるのである。愛とは、自分よりも――自分の動物的な自我よりも、他人をすぐれたものとして認める心である

『・・・愛は、こうしてそれが自己犠牲として発揮されてこそ、ほんとうの愛といえるのである。人がただ自分の時間や、自分の力を他人にかすばかりでなく、愛するもののために自分でからだをすりへらし、自分のいのちをささげるとき、はじめて、われわれはそれを愛とよんで、そういった愛のうちにだけ幸福、いわば、愛のあたえる報酬をみいだすのだ。そして、こうした愛が人々のうちにあるからこそ、この世はなりたっていくのである

相手のために「自分でからだをすりへらし」「自分のいのちをささげる」ことが、愛であり、幸福であると。

現実離れしているでしょうか。汝の敵を愛したり、絶対的に服従したり・・・ということではなく、相手を無条件に受け入れ、自己を全面的に捧げることが幸福をみいだす、というトルストイの言葉は、妙に納得しております。



新版 人生論 (角川文庫)
トルストイ
角川書店
2004-05-17

【オススメ本】岡田尊司著『生きるのが面倒くさい人 ―回避性パーソナリティ障害』 (朝日新書)




先日紹介した中野信子著『不倫』の中で取り上げられている「愛情スタイル」について詳述しているのが、本書『生きるのが面倒くさい人』『不倫』の参考文献にも挙げられています)。

『不倫』とセットで読むと面白いと思います。


生きるのが面倒くさいという場合、精神医学的に、次の3つのファクターの関与があるといいます(P45〜)
ー己愛性:完璧で理想的な自分や華々しい人生を望み、それ以外の不完全な自分や平凡や人生なら、生きるに値しないと考えてしまう傾向

境界性:生まれてきたことや自分が存在すること自体に意味や価値を見出すことができず、虚しさや絶望に陥ってしまう傾向

2麋鮴:生きることに伴う苦痛や面倒ごとから逃れようとする傾向

本書で中心的に取り上げているのが、の回避性が強まった「回避性パーソナリティ障害」という状態について。

「回避性パーソナリティ障害」だと、心配症、ひきこもり、無快感症、親密さの回避、といった病理的特性が表れます(P67〜)。

このようなパーソナリティのベースにあるものが、その人固有の愛着パターンである「愛情スタイル」と呼ばれるもの(P98)。「愛着スタイル」は先日の書評の通り、いくつかのパターンがあり、その「愛着スタイル」が個々のパーソナリティを決定します。

だから、生きるのが面倒くさいとか、ひきこもりだというのは、(病院で診断してもらえば立派な病名と薬を与えてもらえると思いますが)「そんな風に育てられたのだから」ともいえるわけです(P99参照)。世間が不倫するのも「そんな風に育てられたのだから」・・・の一言で済ませられる訳ではないと思いますが、この「愛情スタイル」というものを知ると、自分のパーソナリティの根本的なところを知ることができるのではないかと思います。

自分のパーソナリティを病気・障害と思う人もいれば、何とも思わずに受け入れている人もいると思います。前者の方はその苦しみから解放されたいと願っているはずです。まずは根本的なところを知ることが大切だと思います。本書の最終章には、その克服法も載っています。関心ある方はご一読を。


【こちらもオススメ】
岡田尊司『人間アレルギー ―なぜ「あの人」を嫌いになるのか』 (新潮文庫)
岡田尊司 『生きるための哲学』 (河出文庫)

【オススメ本】中野信子著『不倫』 (文春新書)

不倫 (文春新書)
中野 信子
文藝春秋
2018-07-20



予め言っておきますが、「不倫」に興味がある訳じゃありません。

本書、進化論、脳科学の本として読むと、めちゃくちゃ面白いです。

「不倫」は、道徳的・倫理的に悪だというけど、では、進化論的・遺伝的・脳科学的・行動科学的にみても悪として片付けていいのか? 

進化論的にみれば、「一夫一婦が正しい結婚」「不倫は悪」といった倫理観は、後付けで人間社会の中に生じたもの(P54)であり、人間の先祖は一夫一婦型の性生活を送っていなかったと考えるほうが自然(P37)なのです。世界に238ある人間社会のうち、単婚(一夫一婦婚)のみが許されている社会は43だけであり(P29)、不倫はどれだけ少ない国でも殺人の100倍くらいはある(P22)。

また、遺伝子的にみても、不倫型と貞淑型の割合はおおむね5:5であるという研究結果があり、著者の中野信子さんは、このように述べています。

そうした人類の長い歴史を考えると、現在の倫理観のみで「不倫は悪」と断罪し過ぎるのは、あまり意味がないことだと言えます。そればかりか、先天的に色素が薄い人に向かって「お前の髪が茶色いのはケシカラン! 黒に染めろ」と強要するようなもので、場合によっては差別や優生思想につながりかねません(P66)


個人的に非常に興味深かったのは、上述した進化論的・遺伝子的といった先天的な要因だけでなく、親からの愛情という後天的な要因が不倫行動を左右するという話。

この親からの愛情の受け方の違いにより、後天的に恋愛や性行動に違いが生じるといいます。これを「愛情スタイル」として、次の3つに分類して説明しています(P105〜)。
^堕蠏(一夫一婦型の性行動を選好する)
回避型(誰とも深い関係を望まないが、誰とでもセックスできる)
I坩揃(誰かがいないと不安であり、性的奉仕が自分への愛情の対価となる)

詳細は本書を確認して頂ければと思いますが、私は唸りました。摩訶不思議な性行動もこの「愛情スタイル」で説明できるじゃないか! と。

本書の後半では、不倫した人(芸能人など)を激しく叩く人たちについて、そのメカニズムを脳科学的に解明します。これも非常に面白い。

最終章は、深い内容。婚外子を認めて人口増加に成功したフランスを例にあげ、世界トップクラスの中絶大国ニッポンがどうあるべきなのかについて述べられている箇所(P176 〜)は必読。


まぁ、こんなタイトルの本、書店では買いにくいですし、帯も意味不明で、ブックカバーなしでは読めませんが、これまでの中野信子さんの書籍の中では突き抜けて多くの気付きがあった本でした。人文科学に興味がある方にはオススメします。


【オススメ本】相場 英雄著『震える牛』 (小学館文庫)

震える牛 (小学館文庫)
相場 英雄
小学館
2013-05-08



読書好きの知人に薦められて読んだ本。

2012年の発売から2年で28万部を売り、三上博史主演で連続ドラマ化もされたようです。

食品偽装を隠蔽しようとする企業と警察組織の攻防などを描く小説。
おそらく「事実」を基に書かれたノンフィクションだと思います。
ストーリーとしては賛否あるかと思いますが、「題材」に衝撃を受けます。

「なぜ食べないんですか?」
雑巾だからです」
「雑巾? どういう意味ですか?」
「文字通りの雑巾なんです」

(略)
「クズ肉に大量の添加物を入れ、なおかつ水で容量を増すから雑巾なのです。ミートボックスのラインでは、毎月5トンの肉が最終的に10トンの製品の化けます」

「添加物に害は?」
(略)
「一つひとつの添加物は、動物実験を経て発がん性や毒性のチェックをクリアしています。ただ、これを同時に混ぜ合わせた際の実証データはありませんし、国も監視していません」
(略)
「水気をたっぷり吸った雑巾のようだという理由のほかに、私やかつての同僚が一切自社製品を食べなかった理由がそれです」

ちなみに、これば、居酒屋でオーダーしたハンバーグやソーセージを前にした、食品加工業勤務者とジャーナリストとの会話。

前後の部分も含めて熟読すると、吐き気がします。


消費者の安全性を無視し、利潤を追求する企業が、食品メーカーのみならず、化粧品メーカー、消費財メーカーにも、上場企業にも存在することは知っていましたが、この本の凄い所はそれだけではなく警察の利権構造の闇にまで突っ込んで書かれている所です。


これについては、amazonのサイトでpelikanさんという方が非常に良いレビューを書かれていましたので、一部抜粋させて頂きます。是非ご一読を。
食品偽装の手法については、これまで、食品関係者から裏の裏まで聞いてきたので、別段、驚くことはないが、この小説内で書かれている食品偽装の手法はまさに現実どおりの内容である。

むしろ、この小説で注目すべきことは、企業、出先機関、公益法人・団体への警察OBの天下りと現役警察との一体となった利権構造に触れていることだろう

この小説でも天下り先の一つとして防犯協会が登場しているが、企業からは公益財団法人全国防犯協会連合会に正会員94団体、特別会員7団体、賛助会員40団体が加盟し会費や賛助費として多額の寄付がされているし、地域毎の防犯協会も各警察署内に本部を置き、地域企業や自治会からも会費を徴収しているが、もちろん、これらの収益は天下った警察OBの給与となっており、大規模スーパーを始めとする企業は大事なお得意さんであり、大口寄附会社には情報提供等の最大限の便宜供与が図られている。

また、全国の一般財団法人日本交通安全協会、地域交通安全協会も警察OBの天下り先であり、運転免許証の更新時講習を県警から委託費用が支払われているが、この委託業務は競争入札ではなく、随意契約で行われ独占してきている。

さらに、免許証更新時に任意加入であるにもかかわらず、あたかも義務であるかのように会費を徴収する行為が多々あり問題視されている。

これらの収入の大部分が警察OBの理事、監事の給与、手当、退職金に充てられている。

さらに、警察OBでも幹部クラスは大手警備会社の取締役や大規模スーパーの監査役の天下りポストのレールが敷設されており、転々と渡り歩き多額の退職金を手にしている。

北海道警のノンキャリOBが道内の警備会社、大手スーパーの役員を渡り歩き、莫大な収入を得た後、瑞宝小綬章まで受章した強者もいる。

この小説はタブーとされる警察の利権構造にまで光を当てており高く評価されるところである。

「わかっていることは、わからないということだけ」

昨日紹介しました『深夜特急』の中で、私が折り目を付け、何度か読み返したページを、自分のための備忘録として残しておきます。


その日の午後から、私はバンコクの街を歩きはじめた。
目的地も決めずにバスに乗り、適当なところで降り、そこから歩いて宿の近くまで戻ってくる。それを三、四日も続けると、バンコクという土地についての勘のようなおのができてきた。地図を見ただけで、ここからここへはバスで何分くらい、歩けば何十分くらいかかるかということがわかってきた。それと同時に、地理上の重要なポイントになる場所の風景が頭に叩き込まれるようにもなった。要するに、たとえバスを乗り違えても、途中で降りて方向を正すことができるくらいにはなった、ということだ。
(第2巻P34)

『深夜特急』を読んで人生観が変わったという人は多いと思うが、それは「こんな旅があるのか!」という衝撃ではないかと思う。


急ぐ必要はないのだ行きたいところに行き、見たいものを見る。それで日本に帰るのが遅くなろうとも、心を残してまで急ぐよりはどれだけいいかわからない。(第2巻、P168)

こういう旅がしたい。こういう旅をしていないことがストレスに感じるけど、だからこと自分の将来を結構真剣に考えるのかもしれない。


旅にとって大事なのは、名所でも旧跡でもなく、その土地で出会う人なのだ(略)。そして、まさにその人と人との関わりの最も甘美な表出の仕方が親切という行為のはずなのだ。(第4巻、P83)

これ、すごく分かる。


・・・香港の時のような沸き立つような興奮がないのはなぜだろう。(略)おそらく、最大の理由は時間にあった。毎日が祭りのようだったあの香港の日々から長い時間がたち、私はいくつもの土地を経巡ることになった。その結果、何かを失うことになった

旅は人生に似ている。以前私がそんな言葉を眼にしたら、書いた人物を軽蔑しただろう。少なくとも、これまでの私だったら、旅を人生になぞらえるような物言いには滑稽さしか感じなかったはずだ。しかし、いま、私もまた、旅は人生に似ているという気がしはじめている。たぶん、本当に旅は人生に似ているのだ。どちらも何かを失うことなしに前に進むことはできない・・・・・・
(第5巻P94)

最後の一文、メモった。


(古代スパルタの廃墟で会った老人と)
・・・彼はアメリカ人で、ニューヨークの大学で教鞭をとっていたが、16年前に引退してギリシャに渡り、以来ずっとここに住んでいるということだった。そして、この国もインフレになっているがまだまだ少ない金で暮らせるということや、アメリカではできない静かな生活が送れて気に言っていることなどを話してくれた。

異国に暮らして不自由なことはないのですか。私が訊ねると、彼は自信に満ちた口調で言った。何も不自由はしていない。なぜなら私にはテレビも必要ないし、新刊書も必要ないからだ。ただ、昔読んだ古い本を読み返していればそれでいい・・・・・・。

(略)

ふと、古代スパルタの廃墟で会った老人の顔が浮かんできた。(略)彼もまた人だけは必要としていたのではなかったか
そのとき私は、自分が胸のうちで、彼もまた、と呟いていたことに気がついた。そう、彼もまた、と・・・・・・。
(第5巻P182〜)

劇的紀行 深夜特急』(DVD)の中で、とても印象に残っているシーンがこれ。映像版は本書を忠実に再現していることが分かる。


ついにその一歩を踏みはずすことのなかった僕は、地中海の上でこうして手紙を書いているのです。
(略)

僕を空虚にし不安にさせている喪失感の実態が、初めて見えてきたような気がしました。それは「終わってしまった」ということでした。(略)自分の像を探しながら、自分の存在を滅ぼしつくすという、至福の刻を持てる機会を、僕はついに失ってしまったのです。(第5巻P228)

この箇所は、一番読み返した。何十回と読み返してようやく分かったような、でも、分からんような。


わかっていることは、わからないということだけ(第6巻P109)



【オススメ本】沢木耕太郎著『深夜特急』(全6巻)(新潮文庫)

深夜特急


間違いなく私の人生観を劇的に変えた、沢木耕太郎著『深夜特急』(全6巻)を再び読み返しました。以前はさらーっと流し読みした程度でしたが(それでも私の人生観を変えるには十分な内容だった)、今回は「熟読」しました。

これからの自分の人生を考えるに、何冊もの哲学書を読むより「深夜特急」を熟読する方が良いような気がして。


再読して、色々と思うことはありましたが、一言でいえば、仕事やめるわ(笑)。数年内に。

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「自分らしさ」は旅でしか見付けられない訳ではないですが、旅が一番自分をさらけ出すことができる手段であるような気がします。裸の自分、ありのままの自分、心が望むままの自分、これまで気付かなかった本当の自分・・・。

第1巻の冒頭に、「ミッドナイト・エクスプレスとは、トルコの刑務所に入れられた外国人受刑者たちの間の隠語である。脱獄することを、ミッドナイト・エクスプレスに乗る、と言ったのだ。」と書かれています。つまり、『深夜特急』とは、自分の人生から脱獄する旅なのです。

しかし、、、1年2カ月の旅の最後、友人との賭けに勝ったことを報告するために、ロンドンから電報を打ちます。

『ワレ到着セズ』と。

最後の最後にこのコトバ。すごいラストシーンです。

旅はいつまでも未完であり、そして人は人生から脱獄することもできない。

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私は、沢木耕太郎氏と比べ物にならないくらい浅薄な旅しかしてませんが、それでも何度も何度も海外に行くと、自分がいかにちっぽけな存在であるかを痛感します。70億分の1に過ぎず、誰も自分のことなんて気にしない。その辺の動物と変わらない。でも、その辺の動物と変わらない存在なのであれば、その辺の動物と同じくらい生きることを楽しんでやろうとも思うのです。

旅が存在を変えることはできないし、脱獄することもできないけど、旅は人を変える。自分が自分らしくあるために自分をさらけ出し、残りの人生で地球を征服したい、と本書を再読して改めて思いました。(だから数年内に仕事やめるわ)


【こちらもオススメ】
沢木耕太郎著 『旅する力―深夜特急ノート』 (新潮文庫)





【オススメ本】ピョートル著『ニューエリート  ―グーグル流・新しい価値を生み出し世界を変える人たち』(大和書房)




先日紹介した『FUTURE INTELLIGENCE』という本の最後のページに載っていた広告を見て購入。

著者は、(毎日スーツを着ていた)モルガン・スタンレーの社員から、(TシャツでもOKの)グーグルに転職した経歴をもつ方。両者とも高学歴の社員が集まる超エリート集団ですが、グーグルに転職され、従来型の資本主義からポスト資本主義社会へ従来型の「オールドエリート」から「ニューエリート」の変化を体感することになります。

そんな著者が、これからの「ニューエリート」(新しい価値を生み出し世界を変える人たち)になるためにどうすべきかを教えてくれるのが本書。

色々な気付きがありましたが、ここではその中から3つを取り上げておきます。



■日本人にはフィードバックが圧倒的に足りない

フィードバックとは、端的に言い換えれば、「人からのアドバイスをきちんと聞く」ということ(P136参照)。日本在住17年のピョートルさんが、日本人に圧倒的に足りないのは、このフィードバックだといいます。

例えば、仕事をして褒められた時に、褒められて終わるのではなく、「どういう点が良かったでしょうか?」、「もっと良くなるためにはどうしたらいいと思いますか?」といったフィードバックをもらうことによって、新たな発見・気付きが得られるはずです。

逆に仕事をして叱られた時に、「すみません」で終わるのではなく、「どういう点を改善すべきですか?」、「あなただったらどうしますか?」、「分からないので教えてもらえますか?」といったフィードバックをもらうことによって、自分の問題点などを知る機会にもなりますし、改善のポイントも分かるはずです。

フィードバックが圧倒的に足りないのは「受ける側」だけでなく、「する側」にも言えますね。

人間は他者からのフィードバックによって成長するものだと思います。こういったコーチングのスキルは身につけたいものです。



■マラソン型の働き方よりも、スプリント型の働き方を

「マラソン」は一度スタートするとゴールまで延々と走り続けるけど、「スプリント」は一度全力でダッシュしたら、次のレースまでの時間は休養や次のレースへの改善に費やします。

終わりも決めずにだらだら残業するような「マラソン型」の働き方が非効率であることは言うまでもありません。ピョートルさんは、「スプリント型」といえど、。押3カ月で一定の効果を出し、インターバルをおくこと1年のうち、少なくとも1週間はたった一人で過ごす時間を作ること、を提案しています(P227〜参照)。

仕事のことを考えている自分から距離を取ることが必要だと分かっていても、なかなかできるものではありませんよね。「インターバルをおく」ということに、個人も組織も寛容にならなければならないと思います。


ニューエリート




■日本人は「自己認識」と「自己開示」が足りない

下の図のとおり、「自己効力感」(=自信)を得るためには、「自己認識」(=自分がどんな人間かをはっきりさせる)「自己開示」(=何をしたいのかをはっきりさせる)が必要だが、それが出来ていない(P282〜参照)

さらに、日本の職場には「自己開示」できる場所・環境がなく、日本のマネジメント層はマネジメントスキルがなさすぎる(P289参照)。

「働き方改革」が流行っているけど、この2つをすっ飛ばして「制度」から入る改革では考えただけでも無理だと分かる(P285〜参照)。

本書の最後の最後のページで、すごい大切なことが書かれています。「ニューエリート」になるか否かに関わらず、この「自己認識」、言い換えれば、自分とは何者なのか、自分は本当は何がしたいのか、といったことをはっきりとさせることが、幸せになるために最も大切なことであり、根本的なことではないかと思います。


ニューエリート

【オススメ本】大塚 公子著『死刑執行人の苦悩』 (角川文庫)

死刑執行人の苦悩 (角川文庫)
大塚 公子
角川書店
1993-07



本日オウム真理教元代表の麻原彰晃死刑囚ら元幹部7人の死刑が執行され、ネットでは死刑執行について賛否が入り乱れてますね。あれだけの凶悪な事件を起こし、多くの犠牲者を出したのだから死刑執行は当然だという意見もあれば、反対意見も多くあります。

こちらの本、私が学生時代に読んだ本です。死刑が執行されるということは、死刑を執行する人(=ざっくり言えば、人を殺すことを業とさせられている人)がいるということです。その「死刑執行人」にフォーカスを当てた本。

色々と考えされられる本です。絶版されたようですが、マーケットプレイスで購入できると思います。

【オススメ本】橘玲『朝日ぎらい  ―よりよい世界のためのリベラル進化論』 (朝日新書)





「朝日ぎらい」というタイトルの本を朝日新聞系の出版社から、しかも「京都ぎらい」のパロディとして出す辺り、マーケティングとしては最高。

政治にもネトウヨにも興味はないのですが、”出たら買う” 橘玲さんの新刊書ということで買ってみました。読み始めたら止まりませんでした。そして、この2週間で3回転。これは非常に良書。

右とか左とか、リベラルとか保守とか、自由主義とか功利主義とか、知ってそうで知らない話を、これほど分かりやすく一冊にまとめてくれた本は(私が知る限りは)この本くらいじゃないかと思います。政治学、社会学、進化論などを詰め込んだ内容。知を横断したい方に超オススメです。


【こちらもオススメ】
橘玲著 『言ってはいけない 残酷すぎる真実』 (新潮新書)
橘玲著「『読まなくてもいい本』の読書案内 ―知の最前線を5日間で探検する」(筑摩書房)
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