公認会計士武田雄治のブログ

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おすすめの本

考えない練習

考えない練習 (小学館文庫)
小池 龍之介
小学館
2012-03-06



私のビジネスパートナーが旧友と再会したら、その友達は10年以上にわたって鬱状態で、今では薬がないと寝ることができない状態だったという。根本的な原因は薬で解決できないと思うので、自分で乗り越えないといけないだろうが、そう簡単に乗り越えることができないことも理解できる。私も鬱病を経験したことがあるので。

今でも時々、鬱状態に陥ることがある。そんな時に、読書友達が紹介してくれたのが『考えない練習』という本。単行本版も含め30万部を突破したベストセラーの文庫版。著者の小池龍之介氏は、東京大学在学中に西洋哲学を先行していたという僧侶。

悩み事を抱えている人、考えすぎで疲れている人には、いいかもしれない。

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冒頭から、こんなことが書かれている。
思考を操れずに「考えすぎる」せいで、思考そのものが混乱して、鈍ったものになってしまいがち(P7)

考えすぎるから、思考が鈍るんだぞー! っと。

多くの方が年を取るにつれ「最近は年月が早く過ぎてゆきますからねえ」という話をするようになる元凶は、現実の五感の情報(データ)を、過去から後生大事に蓄積してきた思考のノイズによってかき消してしまうことに他なりません
(略)
この「思考病」、思考という病にかかりながら、少しずつ知らず知らずのうちに「無知」になり、呆けていっている(P27)

過去のデータに支配され、現実を見てないと、呆けるぞー! っと。

じゃあ、(正しい)思考とは何なのかというと、「無駄なエネルギーを使わない思考」(=その時に最も適切な必要最低限のことだけを考えて、無駄な思考や空回りする思考を排除すること、さらには煩悩を克服すること)だという(P30〜)

そのためには、感覚に(受動的にならずに)能動的になることを薦めている(P34〜)。例えば、「見えている」という受動的な状態ではなく、「見る」という能動的な状態に変える。「聞こえている」という受動的な状態ではなく、「聞く」という能動的な状態に変える。そうすることによって、多くのノイズに分散してしまった意識を、いま、なすべきことに絞って集中させることができるようになる(P37)。恋人と話をしている時は、仕事のことは考えず、「聞く」ことに意識を向けて集中する。著者は、これを「五感を研ぎ澄ます練習」だという。つまり、頭で考えるよりも、(目・耳・鼻・舌・身という)五感を使うという訓練。ちなみに、著者は、頭しか使わないことを「脳内ひきこもり」と表現している。表現が面白い。

これを読んだ時に、ショーペンハウアーの『読書について』という本の中で、「ほとんどまる一日を多読に費やす勤勉な人間は、、しだいに自分でものを考える力を失って行く」、「精神も、他人の思想によって絶えず圧迫されると、弾力を失う」と書かれていいたことを思い出した。

五感を横に置き、「脳内ひきこもり」になると、思考も精神も失われ、心の充足感も失われることになりかねない。不安、イライラ、怒りといったネガティブな思考にあるときは、「脳内ひきこもり」になっている可能性がある。一度、立ち止まって、自動反応を食い止めた方がいいかもしれない(P51 参照)。

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本書で赤線を引きまくったのは最終章(第8章)。

自分が相手の「ノイズ」になっていないだろうか。親切心という名の下の押し付けになっていないか、優しさという名の下のお節介になっていないか、自分の意見は正しいという思い込みになっていないか、自分は素晴らしいという錯覚に陥っていないか。

逆に、相手が「ノイズ」となり、自分の思考や精神を奪われることもある。「自己肯定感」という本を読み漁っている「自己皇帝感」が満開な人たちが、人の心の中に土足でズカズカと踏み込んでくることがある。岸見一郎氏もいうように、それが対人関係のトラブルの原因となる。

どちらの場合も、自分を客観視することが大切。そのためには、自分の心をコントロールし、「五感を研ぎ澄ます練習」から。まさに仏道ここにあり。

すべての不調は自分で治せる




amazonの売れ筋ランキングで、ずっとTOP100に入っていたので気になって購入。
刊行から約3週間で4刷、3万部を刷ったらしい(これはすごい!)。

facebookページで25000人以上がフォローしている有名な精神科医らしい。

文章力・論理力が乏しすぎて極めて読みづらい本だが、有益な内容ことが書かれている。
ざくっと要約するとこんな内容。
●現代人は、食べる量の絶対量が足りない「量的栄養失調」ではなく、必要なものが足りない(or 要らないものが多すぎる)「質的栄養失調」

「質的栄養失調」とは、主に「糖質過多」.「タンパク不足

●あらゆる病気の原因は、「糖質過多」「タンパク不足」(+α+ストレス)

●よって、改善策は「糖質カット」+「プロテイン」+「サプリメント

書いてることはこれだけなのだが、精神科に来る患者に栄養指導を行い、「プロテイン」と「サプリメント」の継続的な規定量の摂取を指導することにより、あらゆる慢性疾患が改善されたというから、これはすごいかもしれない。最終章には、その症例集が約60ページにわたって掲載されている。ADHD、アルツハイマー病、過食症、リウマチ、脊髄小脳変性症、アルコール依存症、躁うつ病、社会不安障害、アトピー性皮膚炎、睡眠薬依存症、不整脈、高血圧、白血病……といった症状をもった患者も、栄養指導により「質的栄養失調」を解消し、病気を改善したという事例が盛々に記載されている。

その「プロテイン」+「サプリメント」の内容等についても、細かく記載されている。
ざくっと要約するとこんな内容(一部表現を変えている)。
■プロテイン
・1回20g×1日2回=1日40g摂取
 (1日3回と書いている箇所もある…。どっちやねん…。)
・摂取したタンパク質は数時間で代謝されるため、複数回摂取すること
・ソイプロテインでなく、ホエイプロテインを摂取すること
・乳糖入りのWPCでなく、乳糖除去のWPIプロテインを選択すること
・タンパク質は、1日に体重×1.5g〜2gを摂取すること
 (肉、卵、チーズ、大豆などタンパク質含有量の多いものを食べる)
・プロテイン摂取の効果はP61参照

■サプリメント
・基本4点セット
 「鉄」「ビタミンB」「ビタミンC」「ビタミンE」
・さらに健康維持・病気予防を強化したい人は
 「ビタミンA」「ビタミンD」「セレン」

プロテインもサプリメントも市販のものでOK。
著者が薦める商品・摂取量は、本書に詳述されている。

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ちなみに、私が摂取しているプロテイン、サプリメントは以下の通り。


■サプリメント

ゴールドジムが販売しているWPIのホエイプロテイン。


■サプリメント

ニュースキンが販売しているサプリメント。最近はニュースキン製品がamazonで購入できるのが有り難い。この「ライフパックナノEX」の成分はこちらのニュースキンのサイトの右下の「栄養成分表示」に記載の通り。著者が薦める栄養素は全て含まれている。

この「ライフパックナノEX」以外にも、健康維持・体力維持のため、別途、マカ+シトルリン(ヤクルト)還元型コエンザイムQ10(カネカ)冬虫夏草&霊芝(MODERE)も摂取している。また疲労が溜まらないようにイミダペプチドも。サプリメントだけで月数万円の支出になるが、背に腹は代えられない。3ヶ月継続して摂取すれば身体の変化が実感できる(と思う)。なお、紀州のドンファンも冬虫夏草は欠かさなかったらしい(この本に書いてあった)。

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さて、話を戻すと、プロテインやサプリメントといった人工物を摂取することについては、賛否が分かれている。このような人工物を身体が受け入れることができるのか、内臓への負担が大きいのではないか…という疑問は私も持っている(なので過剰摂取をしないようにしている)。分子生物学者 福岡伸一博士の『新版 動的平衡』(小学館新書)においても、「身体の中の特定のタンパク質を補うために、外部の特定のタンパク質を摂取するというのはまったく無意味な行為」(P81)だと、ハッキリと書かれている。

著者藤川徳美さんは、サプリは「身体に必要な栄養素を抽出したものであり、代謝のために利用するもの、なくてはならないもの」(P29)であり、「人類に益をもたらすものとして最高傑作」(P32)、「人類の英知の結晶」(同)とサプリ大絶賛であるが、私の疑問に答えている箇所はなかった。「人工的なのは薬の方」(P29)であり、薬よりマシだろ…という説明に留まっている。

700万年の人類の長い歴史の中で、このような人工物を摂取し始めたのは数十年前のこと。結論は何十年後かに分かるのだろう。

ということで、ご利用は計画的に。

本書を読んで共感したのは、「医師に病気を治してほしいいと考える患者さんは治らない」(P26)と言い切っているところ。広島で開業している著者のものに、全国から診察を受けたいと問い合わせが殺到しているらしいが、初診受付は中国地方在住の方に限定しているらしい。わざわざ遠方から通わなくても、自分で学んで知識を得れば病気は治せるからだという(だから、本書タイトルの頭に「医師や薬に頼らない!」と付いている)。一般的な医師は栄養のことを知らない、そんな医師につまらない質問をしなくていい、といったことも書かれている(P28)。その通りだと思う。なんだって主体性がなければ変わらない。

知識は、誰にも奪われない最大の財産なり。


▼私のオススメ



「食べない」健康法 (PHP文庫)
石原 結實
PHP研究所
2012-01-07







最近ハマってるもの




ジム通いを始めて27年目になる。

習慣の積み重ねが、目標達成への最短距離。
自称 「習慣プレイボーイ」。

いつも通っているジムが昨日から通常営業を開始したので、「初ジム」に行ってきたが、これまで見たことがない程の来客の多さだった。6台くらいあるベンチプレスが全て埋まっているのを見たのは初めてだ。皆さん、おヒマなのね…。

以前は、筋トレをしたくてジムに行き、「ついでにサウナ」って感じだったが、最近は、サウナに入りたくてジムに行き、「ついでに筋トレ」ということもある。主従逆転? 主客転倒?? なんでもいいけど、なぜかサウナにハマってる。多分、私の行ってるジムで一番サウナを利用している会員だと思う。昨日もサウナ。今日もサウナ。明日もサウナ。

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週に一度は行く大阪の紀伊國屋書店に、『人生を変えるサウナ術 』なる本が平積みされていた。自己啓発書の棚の前に置かれたこの本に、「サウナー」の私も興味は沸かなかった。サウナで1冊の本が書けるの? どーせ中身スカスカでしょ? 「人生を変える○○術」キターー! って、ってな感じで完全にスルーしていた。

が、しかし、何度この本屋に足を運んでも、同じ場所に平積みされている。売れなければ平積みされずに棚に戻されるか、返品されるはずなのに、いつ来ても平積みされている。

えっ!? おもろいのん?

と、「買いたいスイッチ」が入ってしまい、買ってしまった。『人生を変えるサウナ術 』を。

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結論:(人生は変わらないけど)サウナは良いらしい。

サウナに入ると、大量に汗とともに体内の老廃物を吐き出すデトックス効果があるということは私も知っていたが(ちなみに、高温サウナなら10分入っただけで0.3〜0.5kgくらい体重が減る)、本書に書かれている「サウナの効用」をじっくりと読むと、それ以外にも色んな効果があることが分かった。

「フィジカル的効用」(肉体的な効果)として、血行が促進され疲労が回復する、睡眠の質が高まり熟睡できる、免疫力が上がり風邪を引きにくくなる、血管や心臓が鍛えられる……といった健康リスク低減の効果があることが大きい。

「メンタル的効用」(精神面での効果)としては、自律神経が鍛えられメンタルが安定する、マインドフルネス効果が得られる……といった効果がある。

(それ以外にも「ソーシャル的効果」(サウナに入ってる人と仲良くなれる等)も挙げられているが、そこは個人的に興味なし…)

サウナには「入り方」もあり、「サウナ→水風呂→外気浴」を1セットにすることが良いらしい。私の通っているジムには「水風呂」がないため、「水シャワー」で代用しているが、基本的に私もこの流れでやってきた。ただ、本書を読んでの新たな気付きだったのは、サウナ通はこのセットを「何度か繰り返す」らしい。一度冷やした身体で、再び高温サウナに飛び込むのは危険かと思い込んでいたが、「外気浴」をすることにより体表温度も脈拍も平常時近くに戻し、副交感神経優位(リラックスモード)から交感神経優位(通常モード)に自律神経が切り替り、リセットされる(=これを著者は「ととのう」と言っている)。めまいを感じるようなことがなければ「何度か繰り返す」ことも問題ないようだ。

ちなみに、各パートの時間配分は、「サウナ4:水風呂1:外気浴5」くらいであり、外気浴をメインにするのが良いらしい。我慢はせずに、「気持ちいい」という感覚に従うこと。他人と比べて無理して長時間入るのは危険。サウナ内でTVなどを見て時間を忘れてしまうのも危険。

あと、サウナは座る場所が雛壇のような階段状になっていることが多いが、上に行くほど高温で、下に行くほど低温になる。言われてみれば当たり前だが、本書を読むまでそれを意識したことがなかった。熱さに耐えられなければ、下の段に座れば良い。

本書の内容からは反れるが、私はサウナ内では自分の呼吸に全意識を集中させている。肺の中が空っぽになる感覚になるまで長く息を吐き、また長く息を吸い…というのを繰り返しながら呼吸を整えている。医学的に正しいかどうか分からないが、そうすることにより気分が落ち着き、筋トレで高まったテンションを元に戻してくれる。

本書の末尾に、全国のサウナガイドが載っているが、これは有り難かった。大きいサウナが日本全国に幾つもあるもんだ。しかも、私の日常の行動範囲内にも幾つもある。このガイドは、出張の時にも使えそう。

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なお、本書を読み終えてから知ったのだが、『サウナの教科書』というムック本が、Kindkle unlimitedで無料で読める。ムック本なので読みやすい。内容は、上の『人生を変えるサウナ術』と重複する点が多いから、こちらだけでも十分かもしれない。この『サウナの教科書』の末尾にも全国のサウナガイドが載っているが、これも使える。「サウナー」になりたい方は持っておいて損はないと思う(表紙がキモいけど…)。




「アホ」と言われないために…

大前研一 日本の論点2020~21
大前 研一
プレジデント社
2019-11-14



毎年購入する本は、この大前研一さんの『日本の論点』シリーズくらいかな。
雑誌『PRESIDENT』に連載の「日本のカラクリ」の1年間の記事を編集したもの。大前研一さんの大胆不敵な意見・主張・提案に全て同意できる訳ではないが、その洞察力・分析力は勉強になる。本書の冒頭の「巻頭言」(書き下ろし)は、毎年の楽しみでもある。

今回の「巻頭言」は、『「アホ」が支配する世界で私たちはどう生きていけばいいか』という、これまた棘のあるタイトル。「アホ」とは(もちろん)英米日のリーダーを指している。安倍氏を「アホ」だとは思わないが、21世紀に入ってからの20年間を振り返っての日本国はヤバいと思う。大前氏は、日本を「劣等感の塊」「静かなる死」「課題先進国」「Japan as nothing」…と酷評しているが、これは特段、棘のある表現とは思わない。日本の時価総額トップのトヨタ自動車がグローバルランキングではTOP40にも入っていないことや(P30参照)、日本の人口動態(P129〜参照)を見れば、日本が静かに、確実に、衰えていることは、誰が見ても明らかなことだ。

大前氏は、21世紀に入って20年が経過しても日本の停滞が続いている最大の理由は、「かつての成功の呪縛から抜け出せないことにある」と述べている(P34)。ここでの「成功の呪縛から抜け出せない」というのは、民間レベルの話ではなく、政治レベルでの話を言っている(P38参照)。アメリカでは、テスラのような企業がいきなり時価総額でGMを追い抜くようなことをやっているが、日本では規制に阻まれて公道での自動運転の走行テストもままならない。日本からテスラやGAFAのような新しいプレイヤーが生まれるはずがない。

日本は、逆ピラミッド型の人口構造の少子化・高齢化・人口減少の真っ只中にいる。私は、「老兵」が社会・組織の上層部に居座っている状況が長期間続き、若年層・中年層のテンションが下がっていることも、日本から新しいプレイヤーが生まれない原因であると思っている。かつて私は、「ビットバレー」のど真ん中にいたが、今のインキュベータにはあの頃のような覇気が見えない。

先日、息子(12歳)と2人で外食をした際に、「今後、日本は恐ろしい勢いで人口が減っていく。人口が減るということは、労働力が減り、GDPが減り、国が衰退することになる。国の財政が破綻するかもしれない。自分は今、そういう国にいるということを知っておくべき。だから、今の段階で『将来は○○になる』など決めない方がいい。それよりも、日本以外で生きていくことも視野に入れるべき。自分の身は自分で守るために、幅広い知識を吸収し、語学力を身に付けておいた方がいい」といいようなことを伝えた。多分、理解してくれたと思う。

こういうことは大人も理解すべきと思うが、(大前氏も言うように)日本人は危機感が薄い。ここに、MMT(現代貨幣理論)なんかが祭り上げられ、「いざとなれば際限なく自国通貨を発行できるから、日本がデフォルトになることはない」なんていう人が出てきたが、大前氏は「これはまったくの見当違い」(P72)であり「空論」(P78)だという(詳述は省くが、ここは一読の価値ありか)。大前氏は、2024年に新紙幣に変更するのは、国民の資産(タンス預金)をパクり、さらに、資産課税を導入しようという財務省の思惑ではないか、とも述べている(P56〜)。真意は不明だが、日本にいることのリスクと強い危機感は持っておくべきだと思う。「アホ」と言われないように。

日本の成長のあしかせとなっている深刻な人手不足の特効薬となるのは「戸籍廃止」と「移民受け入れ」だという主張(P128〜)は同意。この主張は、2016年に出版された『低欲望社会』 (小学館新書)でも述べられていたが、改めて同意する。今どき、戸籍制度が残っているのは日本と(日本の統治下にあった)台湾くらいしかない。デンマークには出生証明書に父親の名前を書く欄すらないという。日本は戸籍制度があるために「籍には入れられないから中絶するしかない」というケースが増え、堕胎数が出生数より多いという推計もあるという。だから、世界的にみて婚外子の割合が日本は極端に少ない。さらに離婚した場合に「どちらか一方しか親として認めない」という単独親権の制度が、日本のシングルマザーの貧困率を高めているという問題もある(単独親権は先進国で日本くらい。この問題は橘玲氏のブログでも取り上げられている。)。戸籍制度は出生・離婚の問題以外にもリスクを抱えることになる(これも詳述は省く)。

これ以外にも取り上げたい論点が幾つかあるが、余りにも長文のエントリーはアクセス数が減るので、そろそろ止めておきましょうか。おあとがよろしいようで…。

一切なりゆき




2019年に一番売れた本(日販より)。

樹木希林さんの生前の残されたインタビュー記事や活字を集めたもの。

本書のタイトルは、樹木希林さんが生前、色紙に書いていたコトバ、
『私の役者魂はね 一切なりゆき』
から選んだらしい。

この一言で、この方の生き様が分かるし、本書を読んでも「一切なりゆき」の人生を歩んでこられたんだということが伝わってくる。

だから、全身がんになった後でも、楽しむのではなくて、面白がることよ。楽しむというのは客観的でしょう。中に入って面白がるの。面白がらなきゃ、やってけないもの、この世の中。」(P64)というコトバが(おそらく自然と)出てきたんだろう。

「面白がらなきゃ、やってけない」、たしかに、その通りだ。

「人は誰でもいろんな形で背負っているものがあると思うけど、それだけが人生のすべてじゃないものね」(P182)。だからこそ、「おごらず、他人と比べず、面白がって、平気に生きればいい」(P199)。けれど、「人はみな、どんな人生を送ろうとも、最後には『やがて哀しき』に終着するのです」(P68)。

他にも、一言ひとことが共感する(だから、大ベストセラーになったんだろな)。

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以前は、年末になると、自分の人生の「中長期計画」(5カ年計画)を立て、そこから逆算して「短期計画」(1年計画)に落とし込み・・・ってなことをやっていたが、昨年末からそれをやめた。高い目標を掲げることが出来なくなったから。

今の延長線上で何がしたいかを考えるよりも、今の延長線上にはない想定外の人生を歩みたいし、そういう人生の方が面白いはず。だから2019年もあと4日となったが、2020年の目標も予定も何もない。ストレスがなければそれで良し。あとは「一切なりゆき」。

これからも、楽しむことに躊躇せず、面白がって生きていこうと思う。

2019年 amazonアソシエイト・プログラムから売れた本

今年1月1日〜本日までに、このブログともう1つのブログから売れたものランキング。


amazon売れたもの


上位25位の中に、私の書籍が5冊。お買い求め頂いた皆様、ありがとうございます!

どなたかは存じ上げませんが、LED電球のまとめ買い、ありがとうございます!
(15位のBRTLX LED電球)




2019年下期 良かった本

半期に一度のエントリー。

今年7月〜12月までに読んだ本の中で、良かった本をピックアップしておきます。
(この期間に発売された本ではありません)




新しい自分のライフデザインを描きたいと思っている方、来年は何か新しいことをやりたいと思っている方にはオススメ。本書の各章の末尾にあるワークに時間をかけて向き合えば、新たなライフデザインが出来上がる。書評はこちら




モンテーニュの『エセー』の翻訳者が書いたモンテーニュ。モンテーニュの生き様に惹かれるし、モンテーニュの考えにも共感する。私はモンテーニュが好きだ。書評はこちら



不幸論 (PHP文庫)
中島 義道
PHP研究所
2015-05-02

「幸福論」を読んでも幸福になれるとは限らないが、「不幸論」を読めば幸福になれる(かもしれない)。旅先で時間を忘れて没入して読んだ本。書評はこちら




とりあえずこちらの書評を読んで欲しい。人間の凄まじい「残虐性」と、他人に対する凄まじい「愛」に絶句する。本書を書いた著者に拍手喝采。




岡田尊司先生の本はかなり読んできたが、これまでの本に劣らず本書も気付きの多い内容だった。子育て中のパパ・ママは「自分のことが書かれているのではないか」と思って読んだ方が良いと思う。子供に対する凄まじい「愛」が、死に至る病の原因になることもある。書評はこちら


小説では、以下の2冊。

マチネの終わりに (文春文庫)
平野 啓一郎
文藝春秋
2019-06-06

個人的には、映画より小説の方がオススメ。「未来は常に過去を変えている」というコトバがしばらく余韻として残った。切なくも素敵な大人の人生。書評はこちら



岩波文庫的 月の満ち欠け
佐藤 正午
岩波書店
2019-10-05

以前『鳩の撃退法』を読んだ時も思ったが、佐藤正午氏は天才だと思う。どれだけ努力しても、こんな本は書けない。書評はこちら



読んでも読んでも、読みたい本がたまっていく。
来年も多くの本を読んでいこう。

人生二度なし
良い本で、良い人生を!
No Fun,No Life !!






【過去に紹介した良かった本】
2019年上期 良かった本
2018年下期 良かった本
2018年上期 良かった本
2017年下期 良かった本
2017年上期 良かった本
2016年下期 良かった本
2016年上期 良かった本
2015年下期 良かった本
2015年上期 良かった本
2014年下期 良かった本
2014年上期 良かった本
2013年下期 良かった本
2013年上期 良かった本
2012年下期 良かった本
2012年上期 良かった本
2011年下期 良かった本
2011年上期 良かった本
2010年下期 良かった本
2010年上期 良かった本
2009年下期 良かった本
2009年上期 良かった本
2008年 良かった本

千夜千冊

tokyo station


私のブログを見てくれてる方から「書評を楽しみにしてます」と言われることがあるが、そういう方は是非とも(私が大尊敬する)松岡正剛氏の書評サイト「千夜千冊」も読んで欲しい。

2000年2月からスタートした書評は、本日時点で1728冊を評している。ご覧頂ければ分かるが、1つ1つの書評が途轍もなく深い。この「千夜千冊」は、同じ著者の本は2冊以上取り上げない、同じジャンルは続けない、などのルールを自らに課しているという。それでこれだけの書評を書き続けてるんだから、「変態」だと思う。

以前、この書評サイトが、『松岡正剛 千夜千冊』として書籍化されたことがあるが、定価99,750円という高額にもかかわらず初版1000部を完売し、出版界の「事件」となった。

セイゴオファンとしては再販を願っていたのだが、なんと、この『千夜千冊』が昨年、文庫化されたのだ。本日の日経新聞朝刊に文庫版の広告が掲載されていた。

松岡正剛千夜千冊
([出所]日経電子版より)


文庫版はジャンルごとに編集されているので、まずは好きなジャンルを一冊、手に取って見て欲しい。天才にしか書けない書評。私もこういう文章が書ける人間になりたいと思う。






(※ 写真は、本日の丸の内「東京ミチテラス2019」より。本文とは関係ない。)

人には人の考えがあるという話

「対人関係のトラブルの多くは、人の課題に土足で踏み込むこと、踏み込まれることから起こります。」
(岸見一郎著『哲学人生問答』(講談社)P50より)


心理学者アルフレッド・アドラーは「人間の悩みはすべて対人関係の悩み」だという。大ベストセラーになった『嫌われる勇気』で、このアドラーのコトバを知った時、「そ〜だよなぁ〜」と思った。「対人関係」がなければ、悩みなんてない。

けど、「対人関係」なくして生きてはいけない。だから、本書は、「対人関係」の中に入っていく勇気(嫌われる勇気)を持て、と提言する。

この『嫌われる勇気』の著者である岸見一郎氏の新刊書『哲学人生問答』に、上のコトバが書かれていて、これも「そ〜だよなぁ〜」と思った。

私には私の思考があり、私には私に生き方があり、私には私の哲学がある。私の人生、私の領域にズカズカと土足で踏み込まれることは、どんな相手であれ望まない。トラブルというよりも、ストレスだ。

私の両親は、私に「勉強しなさい」とか「ゲーム止めなさい」とか言ったことはない。一緒にゲームに夢中になったくらいだ。私が「アメリカ行きたい」とか「会計士の勉強したい」と言った時は、「我が子とは思えん」と絶句されたが、認めてくれたし、応援してくれた。親が自分の意見を押し付けてきたことがないが、私の意見は聞いてくれたし、採否も私に任せてくれた。そうやって私は少しずつ「大人」になれたと思う。

アドラー心理学には「課題の分離」というコトバがあるらしい。最終的にそれは誰の「課題」であり、最終的に誰が「責任」を取る問題なのかをはっきりさせなければならない。子どもの「課題」は、親の課題ではない。私の「課題」は、あなたの課題ではない。「課題の分離」をしないからトラブルが起きる。

本書に良い事例が載っていた。「勉強するかどうかは子どもの課題なので、親が踏み込んではいけない」というと、そこは理解してくれる親はいるが、じゃぁ、「親が子どもを自立させなければ!」と思うらしい。著者はいう。「(これの)どこが間違っているかわかりますか」(P138)。

「自立させなければ!」と思う時点で「自立」ではない(著者は「他立」といっている)。勉強嫌いの子どもが多いらしいが、(勉強嫌いなのは当然のことだと思うが)根本的な原因は、親や教育者が「課題の分離」ができていないことにも原因があるんじゃないだろうか。子どもの「課題」は、あなたの課題ではない。「〜しなさい!」といわれて素直に聴く人間ばかりじゃない。

人には人の思考があり、人には人の生き方があり、人には人の哲学がある。
そこに土足で踏み込まれるのはお節介以外のナニモノでもない。

人の思考を尊重し、人の生き方を承認し、人の哲学を傾聴する人間でありたいと思う。





思考するということ




先日紹介した舟越美夏著『愛を知ったのは処刑に駆り立てられる日々の後だった』(河出書房新社)を読んだ後に、数年前に読んだ矢野久美子著『ハンナ・アーレント』(中公新書) を読み返したくなった。『愛を知ったのは〜』に「全体主義」の話があったため。

『人間の条件』、『全体主義の起原』の名著でも有名な哲学者・思想家ハンナ・アーレント(Hannah Arendt、1906-1975)。本書は、彼女の凄まじい人生と、思考の変遷がまとまっている。

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彼女の人生は、末尾に記載した略年譜を見てのとおり、ナチス・ドイツの歴史そのものである。14歳の頃から、カント、ヤスパース、キルケゴールを読んでいたという稀有な才能と相まって、全体主義における「けっして起こってはならなかったこと」への理解への欲求が彼女の人生を決定付ける。彼女自身がドイツ生まれのユダヤ人であり、アウシュヴィッツ強制収容所に送り込まれてもおかしくなかった立場であったことも大きいだろう。

ナチによる死体の製造(大量殺戮)、ユダヤ人囚人たちによる死体の処理、ガス室の掃除といった「人間による人間の無用化」、「人間の尊厳の崩壊」など、その事態を直視することは「地獄を見るようなものだった」(P90)というが、アーレントは起こった事態について理解しなければならなかった(P92)。

30代でアメリカに亡命したアーレントは、本格的にモノ書き(評論活動)を開始する(その後、雑誌編集、教授職と渡り歩きながら、著述を続ける)。

本書を通読して痛烈に感じてくるのは、徹底して事態と向き合い、考え抜き、分析し、力強い文章を発しようとするアーレントの姿。あの有名な『イェルサレムのアイヒマン』の論稿など、アイヒマン及びナチの犯罪が狂人やサディストによって行われたというのは事実ではないという彼女の主張が、ユダヤ人を共犯者に仕立るように解釈されたことにより、非難の嵐になったこともあった。非難は刊行後数年経っても続き、その非難や攻撃は世界中に伝播し、文章を読んでない大量の人々からもバッシングを受け、批判運動や非買運動も繰り広げられ、遂には国家レベルの政治にまで巻き込まれることになったらしい。孤高なアーレントも、親しい友人たちからも絶縁されたことは、相当こたえたようだ。

ネットもない時代に、ペンだけでここまで批判に晒され、有名人となるわけだが、これは最近の「炎上」とは訳が違う。アーレントがそれだけ深く「事態」と直視し、思考の営み自分との対話)を妥協しなかった結果が生み出した産物だろう。彼女は、思考し、自由を求め、判断を行使する人びとが生み出す力こそが、世界の存続を支えると考えていた(P224〜)。

14歳から哲学書を読んできたというのもあるかもしれないが、全体主義の中で「普通の人びと」が(無思考に)体制に順応し、犯罪に巻き込まれていく事態と向き合ってきたからこそ、中途半端で抽象的な思考の営みを許さなかったのかもしれない。アーレントは晩年まで思考の営みを続けていたようだ。

カッコよすぎる。

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最近のネットから飛び込んでくる文章の「軽さ」や、それが簡単に「バズる」ことに辟易とさせられている。先日も、日本人の読解力が(世界的にみて)低下しているというニュースが流れていたが、圧倒的な思考の営みの欠如ではないだろうか。本を読まずに、ネット上の短い文章ばかり読んでいたり、自分と対話をせずに、スマホの画面ばかり見ていたり。日本人の読解力が低下していることについて、テレビのコメンテーターが、短い文章でも理解の練習になるのだから、SNSを教材に取り組んだらどうかと話していたらしいが、違うだろ…。

アーレントが思考のモデルとしたのはソクラテスであったらしい(P221)。私はアーレントのような人をモデルにしたい。非難や攻撃は望まないが、思考の営みの結果として生み出されたものを、社会に発信し、足跡を残したい、と常々思う。できれば、死んだ後も残るような書籍として。


【参考】ハンナ・アーレント略年譜
●1906年、ユダヤ人の両親の元、ドイツに生まれる
●8歳の頃から病気がち。この頃から両親の蔵書をひもとく。
14歳で哲学を学ぶことを決意。カント、ヤスパース、キルケゴールを読み始める。
●18歳の時に、17歳年上のハイデガーと不倫
 (しかもハイデガーの『存在と時間』の準備中に)
●20歳の時に、ヤスパースにも師事
●26歳の時(1932)、ナチ党が第一党に
●27歳の時(1933)、ヒトラーが首相に就任
●同年、逮捕されるも、運良く出獄でき、パリに亡命
 (パリでも、逮捕、絶滅収容所行きから運良く脱走する)
●33歳の時(1939)、ドイツ軍がポーランド侵攻、第二次世界大戦へ
●35歳の時(1941)、ニューヨークへ亡命、評論活動を行う
●37歳の時(1943)、ニューヨークでアウシュヴィッツの噂を聞く
●45歳の時(1951)、『全体主義の起源』刊行、アメリカ国籍取得
●52歳の時(1958)、『人間の条件』刊行
●55歳の時(1961)、アイヒマン裁判を傍聴
●57歳の時(1963)、『イェルサレムのアイヒマン』刊行
●同年        『革命について』刊行
●66歳の時(1972)、『暴力に付いて』刊行
●69歳の時(1975)、心臓発作で死亡


人間の条件 (ちくま学芸文庫)
ハンナ アレント
筑摩書房
1994-10-01



全体主義の起原 1――反ユダヤ主義 【新版】
ハンナ・アーレント
みすず書房
2017-08-24

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