公認会計士武田雄治のブログ

公認会計士武田雄治のもう1つのブログです。

おすすめの本

サヨナライツカ




バンコクに行く前に、友人から映画『サヨナライツカ』を薦められた。Prime Videoで観ることができる。書籍『サヨナライツカ』は文庫化された時(2002年)に読んだことがあるが、映画は観てなかった。

もう小説の内容を忘れていたが、舞台はバンコク。それも、私がバンコクで一番好きなホテル「マンダリンオリエンタルバンコク」が舞台(映画では「オリエンタルバンコク」)。映画の公開が2010年なので、10年前のマンダリンオリエンタルということになる。マンダリンオリエンタル自体はそれほど変わりないが、周辺の景色が全然違うことに驚いた。バンコクはこの10年でとてつもなく発展したことがこの映画からも分かる。

小説版は(確か)涙なしでは読めない恋愛小説だった記憶があるが、映画版は涙を流すようなシーンはなく、ただただ切ない物語だった。バンコク赴任中の「好青年」(西島秀俊)の前に、同僚の元カノである美女 沓子(中山美穂)が現れる。「好青年」には日本に婚約者がいるが、2人は愛に溺れていく。かなわぬ恋と分かっていながらも。「好青年」は、婚約者と仕事(=出世)への道を選択し、沓子と別れるという選択をする。

が、しかし、25年後・・・、予想もつかない展開になる。

こういう恋愛小説(恋愛映画)は賛否が分かれるんだろう。私は純粋に良い内容だと思った。このブログで何度も書いてるが、人生なんて所詮フィクションだ。都合の良いように編集されるフィクション。第1章が終われば、第2章が始まる。第3章が始まる。どんどん新しいストーリーが展開する。1冊目が終われば、続編が続く。番外編も待ち受けてる。特別編だってある。いつ終わるかも分からないけど、ストーリーはひたすらに続いていく。出会いがあれば別れもあるだろう。嬉しいこともあれば悲しいこともあろうだろう。何を選択して生きていくかは自分次第。ストーリーを自分で作っていけばいいのだ。主人公は自分。他人でも世間でもない。

この映画の2人は、思い通りにならないこともあったが、生涯忘れられない相手となった。そして、人生を楽しんだ。幸せな人生だった。だから見ている私もハッピーになった。批判する点なんてどこにもない。幸せでなければ意味がない。楽しまなければ人生じゃない。

映画の中での名ゼリフがこれ。

『人間は死ぬ時、愛されたことを思い出すヒトと、愛したことを思い出すヒトにわかれる。私はきっと愛したことを思い出す』
(辻仁成著『サヨナライツカ 』(幻冬舎文庫)より)

私は、もちろん、愛したことを思い出す人間でありたい。

新刊書『「経理」の本分』 さらに増刷決定!

新刊書『「経理」の本分』6刷! 決まりました!

経理の本分_6刷

([出処]中央経済社Twitter(@chuokeizai)2020/2/14より)


第3刷までをお持ちの方は、誤植があります。こちらをご参照ください。

本書『「経理」の本分』をテキストに用いたセミナーを5〜6月頃に開催することが決まりました(税務研究会主催)。募集を開始したら本ブログにて告知致します。

『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』 〜続き

昨日の続き)

本書は、様々な史料(エビデンス)をもとに歴史的事実を紹介している点が非常に面白い。淡々と事実のみを列挙している教科書とは異なり、その背景なども詳細に分かり、読みながら思わず唸る箇所もある。そのような背景を知ればこそ、日清戦争(1894年)日露戦争(1904年)をする必要があったのだろうかという疑問が残る。当時の「熱狂」がそうさせたのかもしれないが、かなり「強引に」武力で相手国に喧嘩を打っていったように思えなくもない(原敬の日記も史料として紹介されているが、それによると、日露戦争の時は、日本国民の多くは戦争を欲していなかったようだ。P202参照)。

第一次世界大戦(1914年)の参戦についても「強引」という印象。オーストリアの皇太子が親露的なセルビア人に殺害されたことが発端で始まったヨーロッパの戦争に、どうして日本がかかわってゆくのか? 当時の外相 加藤高明が、大正天皇の夏休み中に、日光の御用邸まで夜中におしかけて、参戦の許可をもらいに行ったという(元老の山県有朋などにはためらいがあったらしいが…。P230参照)。この加藤の妻は、三菱の創業家である岩崎家の出身で、選挙資金に困ることなかったらしい(P253)。財力があるから怖いもの知らずだったのか、同盟国であるイギリスも参戦はやめてくれと言ってきたのに、戦争に飛び込んでいく(P255)。日本の参戦については、一緒に戦うべき連合国であるアメリカからも一種の牽制を受けている(P261)。第一次世界大戦の始まりから、連合国であるイギリスやアメリカから牽制されてるのに参戦していくのだ。めっちゃ強引…。これにより、日本人のイギリスやアメリカへの反感が芽生えることになる(P263)。

なお、第一次世界大戦後のドイツへの賠償金が寛容であれば、第二次世界大戦は起こらなかったかもしれない、ということはよく聞く。「パリ講和会議」(1919年)では、ドイツから賠償金を絞りれるだけ絞りとることに戦勝国は熱中していたらしい。『雇用・利子および貨幣の一般理論』などの著書で有名な経済学者ケインズもパリ講和会議に参加しており、ドイツからの賠償金の額をできるだけ少なくすることを求めたという。しかし、ケインズ案は取らなかった。ケインズは、「あなたたちアメリカ人は折れた葦です」という手紙を残してパリを去ったという(P284)。「歴史に if があれば…」と思う。

その後の満州事変(1931年)日中戦争(1937年)は、「強引」というより「強欲」という印象。強欲に中国(満州国)に攻め込み、中国と決定的に対立を深めていく。なりふり構わず、めちゃくちゃなことをする。日本が国際連盟から脱退したのは、連盟から除名や経済制裁を受ける恐れが出たからだという。除名という日本の名誉にとって最も避けたい事態は避け、自ら脱退したらしい(1933年、P366)。中国の学者で駐米国大使にもなった胡適という人は、日本は、日米戦争や日ソ戦争が始める前に、中国に決定的なダメージを与えるための戦争をしかけてくるだろう、という自説を唱えたらしい(1935年)。その2年後に、本当に日中戦争が始まる。当時の日本のハチャメチャぶりが伺えるエピソードだ。

第一次世界大戦同様、第二次世界大戦(1941年)も、どうして日本が戦争に踏み切ったのか? 本書にこんなデータが載っている。開戦時、アメリカと日本は圧倒的な戦力差があった。国民総生産はアメリカは日本の12倍、すべての重化学工業・軍需産業の基礎となる鋼材は17倍、自動車保有台数は160倍、石油は712倍もあったのだ(P393)。当時の知識人は、開戦が「正気の沙汰ではなかった」と認識されていた(P394)。しかし他方で、中国だけを相手とする戦争ではなく、強いアメリカ・イギリスを主たる相手とする戦争に臨むことを支持する国民もいた。そういう方の文章(史料)には、開戦日(1941年12月8日)のことを「爽やかな気持ち」(P395)であったと書かれている。また、これから始まる大戦のことを「明るい戦争」だとも書かれている。これを読んだ時は、戦争に「明るい」なんて形容詞が付くものなのかと呆然とさせられたが、これが当時の人々の感性だったのだろう。

本書の最後に、興味深いデータが載っている。ドイツ軍の捕虜となったアメリカ兵の死亡率は1.2%すぎないが、日本軍の捕虜となったアメリカ兵の死亡率は37.3%にのぼったというもの。日本軍の捕虜の扱いのすごさが突出しているように思えるが、それだけではないという。「自国の軍人さえ大切にしない日本軍の性格が、どうしても、そのまま捕虜への虐待につながってくる」(P469)ことも要因だと著者はいう。太平洋戦争において死没した日本兵の大半は、いわゆる「名誉の戦死」ではなく、餓死や栄養失調に起因する病死であったらしい。強欲により突き進んだ先に待っていたのは、「明るい戦争」なんてものではなく、(自国の兵士に食料を供給できない程に)ただただ悲惨な戦争だったのだ。

ここから我々は何を学ぶのか。
歴史は教訓である。

-----

長文の書評になってしまった。
まだまだ書きたいことがあるが、長文の書評はアクセスが減るので、この辺で。
たった一冊の本から私の関心は果てしなく広がった。
こういう本に出会えたことに感謝したい。


『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』




先日紹介した父が子に語る近現代史を読み込んだ後に、父が子に語る日本史を読み込んだのだが、結局、『古事記』や『日本書紀』といった「神話」を押し込まれた結果として「あの戦争」が起こったという建国神話の記述箇所に関心がいった。『父が子に語る日本史』は、この神話が実際の日本の歴史にどのように作用したかなどの話が、古代・中世に遡って展開される。しかし…、私はどうも古代・中世の歴史に興味が沸かない。

ならばと、この本と並行して、加藤陽子さんの『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』を読み返した(この本は、日清・日露戦争から第二次世界大戦までの期間を取り上げている)。文庫化された際にも一度読んで、目から鱗がボロボロと落ちたのだが、改めて読んでも、目から鱗が落ちた。良書は色褪せない。

この本は、歴史学者である加藤陽子さんが、栄光学園の中1〜高2までの生徒を対象に行なった特別講義をベースに編集したもの。中高生を対象にしたものといっても、結構レベルが高く、濃く、そして面白い。

-----

「戦争というものは、敵対する相手国に対して、どういった作用をもたらすと思われますか?」
という非常に難しい質問を学生に投げかけるところがある(P46〜)。

戦争というものは、相手国の土地・領土を奪ったり、人やモノを奪ったりという作用をもたらすだけではない。

長谷部恭男という憲法学者の『憲法とは何か』という著書を紹介しながら、戦争は相手国が最も大切だと思っている社会の基本秩序に変容を迫るものだという。別の言い方をすれば「憲法」の変容を迫るものだという。数年前に読んだ時も、この箇所に驚いたのだが、今回読んでもやはり驚いた。日本が戦争に負けて、日本は大日本帝国憲法と天皇制という憲法原理を連合国(GHQ)の手で書き換えられたというのは誰もが知っているが、アメリカは戦争に勝利することで日本の天皇制(=国体)を変えたのだ(P55参照)。現在の日本国憲法の前文部分は、リンカーンの演説(of the people, by the people, for the people…の有名な演説)と同じというもの面白い。

なお、この戦争の「作用」については、ジャン=ジャック・ルソー(1712-1778) が、世界大戦が始まる200年も前に論文に書いていたというから驚きである(それを長谷部恭男氏が書籍で取り上げたらしい)。

-----

本書のタイトルにもあるように、日本人はなぜ「戦争」に踏み切ったのか。『父が子に語る近現代史』の著者 小島毅氏は、戦争の責任は「ふつうの人たちにことある」(同書P184)と述べていたが、それは一体どうしてなのか。

本書に、吉野作造の弟子 岡義武という政治学者が登場する。この学者は、第二次世界大戦前にヨーロッパに留学し、「日本の外交とイギリス外交の関係を一次史料からきちんとくらべた初めての学者」(P131)だという。この岡義武が1935年あたりに、「日本の民権派の考え方は、どうも個人主義や自由主義などについての理解が薄いように思われる。この点はヨーロッパと非常に違っている」というようなことを論文に書いたらしい。つまり、当時は個人主義や自由主義の思想が弱く、「まずは国権の確立だ!」という国権優先主義、合理主義が全面に出ていたらしい。当時は「国家>個人」だったのだ。日本の進歩や日本の開化を欧米に見せつける必要があった。

日清戦争前の外相 陸奥宗光は「如何なる手段にても執り、開戦の口実を作るべし」(P148)と述べ、福沢諭吉や他の国民も、日清戦争を諸手を挙げて賛成していたという(P140)。そうやって戦争に突入していったのだ。

明日に続く)


辛いなら逃げろ〜続き





小池一夫


小池一夫


小池一夫

過去は変えられる




まだ50代ではないのだが、なんとなく購入。

定年退職するのが60歳だとしたら、10年前の50歳から「第二の収入源」を模索すべきと書かれている。「定年を迎えてから新たな収入源確保を考えるのは遅すぎます」(P21)という点は同意する。新たな「収入源」を確保するためには数年は要する。新たな収入源の確保が必要なら、長期のスパンで考えないといけない。

ただ、「マルクスの『資本論』を勉強してきた私からすると」と前置きした上で、お金は(投資ではなく)労働によって稼ぐものだと主張されている(P103〜参照)。この点については同意しかねる。投資をするなら「国債」(しかも郵便局で購入することがポイント?)で、投資額は年収の5%がメド、という点も同意しかねる。というか異議あり。そんなものでは老後の小遣いにもならん。

私は、第二の人生を歩む前に、数年をかけてでも、ファイナンスと投資のリテラシーを高めないとヤバイと思ってる。

-----

『過去は変えられる』という、「マチネの終わりに」の名セリフのようなことが書かれている箇所がある(P37前後参照)。「未来は変えられるが、過去は変えられない」という考え方もあるが、過去の最悪な出来事や経験があったからこそ、自己の認識・意識・考えなどが変わり、素晴らしい出来事や経験に出会えるということもある。ということは、その素晴らしい出来事や経験の「時間」によって、過去は意味のある大切な時間に変化する。

「時間」の本質を見極めること、「時間」の捉え方を変えることによって、自分の過去(歴史)は変わるし、生き方自体が変わってくることもある(P38参照)

本書の中で、この「時間」の話が最も痺れた。
何歳になっても、過去は変えられる。変えていきたい。

『父が子に語る近現代史』




書店で何気なく手に取った本だが、これは大当たり。超オススメ。

大晦日に読み始めて、読み終えた時には年が明けていた。それくらい面白い本だった。
その後も何度か読み返したので、書評を書くのが遅くなった。

本書『父が子に語る近現代史』は、『父が子に語る日本史』という本の続編であるが、『〜近現代史』から読み始めても問題ない。『〜近現代史』が江戸以降、『〜日本史』が江戸までを中心に述べている。

本書が素晴らしいと思うは、 淵織ぅ肇襪里箸り)子供に語りかけるように平易に書かれていること、△劼箸弔両呂10ページ未満であること、G号に沿って出来事・人名を述べただけの教科書的な内容ではないこと、だこΔ任匹里茲Δ塀侏荵があったから日本で歴史的事実が生じたのかというように、よその国々の歴史と比較しながら日本の歴史を述べていること、ァ蔽者が思想史を専門としていることもあり)武士レベルや庶民レベルでどのような思想が生まれたから歴史が動いたのかという、思想を根底に我が国の歴史を述べていること、……などなど。こういう本を学生時代に出会っておきたかった。

例えば、鎖国体制で200年間だれも外国に行ったことがない中で、江戸時代に日本についての新しい自意識(美意識)が芽生え、それが革命の思想となり、「明治維新」を生み出した(注:かなりはしょって書いたが、詳細は本書第3章〜参照)というように、思想(意識)をベースに述べられている。こういった解説は非常に興味深い(なお、本書の内容とは反れるが、amazonで「江戸 思想」と検索すると、1000冊近い本がヒットする。日本の思想はこの時期に培われ、形成されてきたということだろう)。

歴史認識問題についても、思想をベースに解説している。司馬遼太郎の小説『坂の上の雲』を取り上げているが、司馬遼太郎の作品は、何人かの学者からも「ゆがみ」を指摘されているらしい(「司馬史観」と言われている)。日本の歴史を美化し、韓国(朝鮮)に対して上から目線で描かれているが、「事実」を直視すべきだと提言している。事実に目をそむけ、耳にしたくない話をそむけて、日本の歴史を語ろうとする人のことを、(「自虐史観」との対比で)「自慰史観」と呼んでいるのは面白い。歴史とは、「僕たちは悪くない」という証拠を集めて、精神的に安心するというマスターべーションではないのだ。

夏目漱石も取り上げている。漱石の作品(特に『こころ』)は、彼が生きていた日露戦争から第一次世界大戦までの期間の歴史的背景を反映したものであり、日本人の精神構造が大きく変わった期間でもある、という話も面白かった(ちなみに、山本七平の『日本の歴史』(ビジネス社)でも、夏目漱石の『こころ』を題材にして解説している)。

民俗学者の柳田國男は、一般市民のことを「常民」と呼んでおり、「常民」たちは、必ずしも合理的・科学的な判断に従わない存在だと言っている。そして、著者も同じ考えのようである。「日本人はなぜ愚かな戦争に協力してしまったのだろう」、「善良な一般国民はなぜ政府に騙されたのだろう」という記述を見かけることが少なくないが、著者は、「そう判断する人たち自身が、『常民』の何たるかがわかっていないことを示しています」(P182)と述べている。つまり、明治時代の「常民」たちは、西洋から伝来した宗教や思想を学んではいたが、合理的・科学的に思考していた訳ではなかった。「そもそも、誰かが主体的に全体のグランドデザインを描いて遂行した計画ではなく、なんとなく雰囲気でそうなっていってしまったといわれるところに、日露戦争以降の歴史の恐ろしさがある」(P205)のであり、山本七平のいうところの「空気」により戦争に酔いしれていったのかもしれない。かつてのドイツでの国民の「熱狂」が第二次世界大戦に発展したといわれるように。日本国内にこういう「空気」があったため、醒めた目で戦争を批判するような人は、皆でよってたかって非難し、「非国民」呼ばわりしていたという(P214)。つまり、「戦争責任は、一部の政治家や軍人にだけあるのではないのです」(P211)、「『常民』の側に、進んでそれを受け入れようとした精神構造があった」(P193)、「僕は昭和の戦争にいたった責任は、ふつうの人たちにことあると考えています」、(P184)と。

E・H・カーの名著『歴史とは何か』において、「歴史は歴史家が選んだ事実でつくられ、大半が勝者による歴史である」と書かれていることは有名であるが、著者は「歴史は『常民』が作るものなのです」(P232)という。

本書の末尾において、出口治明さんが解説を書いているが、ここで出口治明さんは「僕は歴史は科学だと思っている。(略)少しでもファクトに近づこうとする試みが歴史なのだ」(P253)と述べているが、これには深く共感した。我々「常民」は、E・H・カーが言うところの「歴史家が選んだ事実」ではなく、「ファクト」を認識し、直視し、分析しなければならない。昭和史における戦争責任だけではなく、中国・韓国・台湾・香港のような隣国についても、どのような迷惑をかけてきたのかを知る必要がある(P236参照)。

歴史とは、人名や年号を暗記することではない。見たくないものであっても、耳にしたくないものであっても、きちんと事実を直視しなければならない。そして、自虐でも、自慰でもなく、事実を知り、事実を知らせる義務がある。本書で、父(著者)が子(読者)に伝えたかったことは、ここだろう。

とても勉強になる本だった。

考えない練習

考えない練習 (小学館文庫)
小池 龍之介
小学館
2012-03-06



私のビジネスパートナーが旧友と再会したら、その友達は10年以上にわたって鬱状態で、今では薬がないと寝ることができない状態だったという。根本的な原因は薬で解決できないと思うので、自分で乗り越えないといけないだろうが、そう簡単に乗り越えることができないことも理解できる。私も鬱病を経験したことがあるので。

今でも時々、鬱状態に陥ることがある。そんな時に、読書友達が紹介してくれたのが『考えない練習』という本。単行本版も含め30万部を突破したベストセラーの文庫版。著者の小池龍之介氏は、東京大学在学中に西洋哲学を先行していたという僧侶。

悩み事を抱えている人、考えすぎで疲れている人には、いいかもしれない。

-----

冒頭から、こんなことが書かれている。
思考を操れずに「考えすぎる」せいで、思考そのものが混乱して、鈍ったものになってしまいがち(P7)

考えすぎるから、思考が鈍るんだぞー! っと。

多くの方が年を取るにつれ「最近は年月が早く過ぎてゆきますからねえ」という話をするようになる元凶は、現実の五感の情報(データ)を、過去から後生大事に蓄積してきた思考のノイズによってかき消してしまうことに他なりません
(略)
この「思考病」、思考という病にかかりながら、少しずつ知らず知らずのうちに「無知」になり、呆けていっている(P27)

過去のデータに支配され、現実を見てないと、呆けるぞー! っと。

じゃあ、(正しい)思考とは何なのかというと、「無駄なエネルギーを使わない思考」(=その時に最も適切な必要最低限のことだけを考えて、無駄な思考や空回りする思考を排除すること、さらには煩悩を克服すること)だという(P30〜)

そのためには、感覚に(受動的にならずに)能動的になることを薦めている(P34〜)。例えば、「見えている」という受動的な状態ではなく、「見る」という能動的な状態に変える。「聞こえている」という受動的な状態ではなく、「聞く」という能動的な状態に変える。そうすることによって、多くのノイズに分散してしまった意識を、いま、なすべきことに絞って集中させることができるようになる(P37)。恋人と話をしている時は、仕事のことは考えず、「聞く」ことに意識を向けて集中する。著者は、これを「五感を研ぎ澄ます練習」だという。つまり、頭で考えるよりも、(目・耳・鼻・舌・身という)五感を使うという訓練。ちなみに、著者は、頭しか使わないことを「脳内ひきこもり」と表現している。表現が面白い。

これを読んだ時に、ショーペンハウアーの『読書について』という本の中で、「ほとんどまる一日を多読に費やす勤勉な人間は、、しだいに自分でものを考える力を失って行く」、「精神も、他人の思想によって絶えず圧迫されると、弾力を失う」と書かれていいたことを思い出した。

五感を横に置き、「脳内ひきこもり」になると、思考も精神も失われ、心の充足感も失われることになりかねない。不安、イライラ、怒りといったネガティブな思考にあるときは、「脳内ひきこもり」になっている可能性がある。一度、立ち止まって、自動反応を食い止めた方がいいかもしれない(P51 参照)。

-----

本書で赤線を引きまくったのは最終章(第8章)。

自分が相手の「ノイズ」になっていないだろうか。親切心という名の下の押し付けになっていないか、優しさという名の下のお節介になっていないか、自分の意見は正しいという思い込みになっていないか、自分は素晴らしいという錯覚に陥っていないか。

逆に、相手が「ノイズ」となり、自分の思考や精神を奪われることもある。「自己肯定感」という本を読み漁っている「自己皇帝感」が満開な人たちが、人の心の中に土足でズカズカと踏み込んでくることがある。岸見一郎氏もいうように、それが対人関係のトラブルの原因となる。

どちらの場合も、自分を客観視することが大切。そのためには、自分の心をコントロールし、「五感を研ぎ澄ます練習」から。まさに仏道ここにあり。

すべての不調は自分で治せる




amazonの売れ筋ランキングで、ずっとTOP100に入っていたので気になって購入。
刊行から約3週間で4刷、3万部を刷ったらしい(これはすごい!)。

facebookページで25000人以上がフォローしている有名な精神科医らしい。

文章力・論理力が乏しすぎて極めて読みづらい本だが、有益な内容ことが書かれている。
ざくっと要約するとこんな内容。
●現代人は、食べる量の絶対量が足りない「量的栄養失調」ではなく、必要なものが足りない(or 要らないものが多すぎる)「質的栄養失調」

「質的栄養失調」とは、主に「糖質過多」.「タンパク不足

●あらゆる病気の原因は、「糖質過多」「タンパク不足」(+α+ストレス)

●よって、改善策は「糖質カット」+「プロテイン」+「サプリメント

書いてることはこれだけなのだが、精神科に来る患者に栄養指導を行い、「プロテイン」と「サプリメント」の継続的な規定量の摂取を指導することにより、あらゆる慢性疾患が改善されたというから、これはすごいかもしれない。最終章には、その症例集が約60ページにわたって掲載されている。ADHD、アルツハイマー病、過食症、リウマチ、脊髄小脳変性症、アルコール依存症、躁うつ病、社会不安障害、アトピー性皮膚炎、睡眠薬依存症、不整脈、高血圧、白血病……といった症状をもった患者も、栄養指導により「質的栄養失調」を解消し、病気を改善したという事例が盛々に記載されている。

その「プロテイン」+「サプリメント」の内容等についても、細かく記載されている。
ざくっと要約するとこんな内容(一部表現を変えている)。
■プロテイン
・1回20g×1日2回=1日40g摂取
 (1日3回と書いている箇所もある…。どっちやねん…。)
・摂取したタンパク質は数時間で代謝されるため、複数回摂取すること
・ソイプロテインでなく、ホエイプロテインを摂取すること
・乳糖入りのWPCでなく、乳糖除去のWPIプロテインを選択すること
・タンパク質は、1日に体重×1.5g〜2gを摂取すること
 (肉、卵、チーズ、大豆などタンパク質含有量の多いものを食べる)
・プロテイン摂取の効果はP61参照

■サプリメント
・基本4点セット
 「鉄」「ビタミンB」「ビタミンC」「ビタミンE」
・さらに健康維持・病気予防を強化したい人は
 「ビタミンA」「ビタミンD」「セレン」

プロテインもサプリメントも市販のものでOK。
著者が薦める商品・摂取量は、本書に詳述されている。

-----

ちなみに、私が摂取しているプロテイン、サプリメントは以下の通り。


■サプリメント

ゴールドジムが販売しているWPIのホエイプロテイン。


■サプリメント

ニュースキンが販売しているサプリメント。最近はニュースキン製品がamazonで購入できるのが有り難い。この「ライフパックナノEX」の成分はこちらのニュースキンのサイトの右下の「栄養成分表示」に記載の通り。著者が薦める栄養素は全て含まれている。

この「ライフパックナノEX」以外にも、健康維持・体力維持のため、別途、マカ+シトルリン(ヤクルト)還元型コエンザイムQ10(カネカ)冬虫夏草&霊芝(MODERE)も摂取している。また疲労が溜まらないようにイミダペプチドも。サプリメントだけで月数万円の支出になるが、背に腹は代えられない。3ヶ月継続して摂取すれば身体の変化が実感できる(と思う)。なお、紀州のドンファンも冬虫夏草は欠かさなかったらしい(この本に書いてあった)。

-----

さて、話を戻すと、プロテインやサプリメントといった人工物を摂取することについては、賛否が分かれている。このような人工物を身体が受け入れることができるのか、内臓への負担が大きいのではないか…という疑問は私も持っている(なので過剰摂取をしないようにしている)。分子生物学者 福岡伸一博士の『新版 動的平衡』(小学館新書)においても、「身体の中の特定のタンパク質を補うために、外部の特定のタンパク質を摂取するというのはまったく無意味な行為」(P81)だと、ハッキリと書かれている。

著者藤川徳美さんは、サプリは「身体に必要な栄養素を抽出したものであり、代謝のために利用するもの、なくてはならないもの」(P29)であり、「人類に益をもたらすものとして最高傑作」(P32)、「人類の英知の結晶」(同)とサプリ大絶賛であるが、私の疑問に答えている箇所はなかった。「人工的なのは薬の方」(P29)であり、薬よりマシだろ…という説明に留まっている。

700万年の人類の長い歴史の中で、このような人工物を摂取し始めたのは数十年前のこと。結論は何十年後かに分かるのだろう。

ということで、ご利用は計画的に。

本書を読んで共感したのは、「医師に病気を治してほしいいと考える患者さんは治らない」(P26)と言い切っているところ。広島で開業している著者のものに、全国から診察を受けたいと問い合わせが殺到しているらしいが、初診受付は中国地方在住の方に限定しているらしい。わざわざ遠方から通わなくても、自分で学んで知識を得れば病気は治せるからだという(だから、本書タイトルの頭に「医師や薬に頼らない!」と付いている)。一般的な医師は栄養のことを知らない、そんな医師につまらない質問をしなくていい、といったことも書かれている(P28)。その通りだと思う。なんだって主体性がなければ変わらない。

知識は、誰にも奪われない最大の財産なり。


▼私のオススメ



「食べない」健康法 (PHP文庫)
石原 結實
PHP研究所
2012-01-07







最近ハマってるもの




ジム通いを始めて27年目になる。

習慣の積み重ねが、目標達成への最短距離。
自称 「習慣プレイボーイ」。

いつも通っているジムが昨日から通常営業を開始したので、「初ジム」に行ってきたが、これまで見たことがない程の来客の多さだった。6台くらいあるベンチプレスが全て埋まっているのを見たのは初めてだ。皆さん、おヒマなのね…。

以前は、筋トレをしたくてジムに行き、「ついでにサウナ」って感じだったが、最近は、サウナに入りたくてジムに行き、「ついでに筋トレ」ということもある。主従逆転? 主客転倒?? なんでもいいけど、なぜかサウナにハマってる。多分、私の行ってるジムで一番サウナを利用している会員だと思う。昨日もサウナ。今日もサウナ。明日もサウナ。

-----

週に一度は行く大阪の紀伊國屋書店に、『人生を変えるサウナ術 』なる本が平積みされていた。自己啓発書の棚の前に置かれたこの本に、「サウナー」の私も興味は沸かなかった。サウナで1冊の本が書けるの? どーせ中身スカスカでしょ? 「人生を変える○○術」キターー! って、ってな感じで完全にスルーしていた。

が、しかし、何度この本屋に足を運んでも、同じ場所に平積みされている。売れなければ平積みされずに棚に戻されるか、返品されるはずなのに、いつ来ても平積みされている。

えっ!? おもろいのん?

と、「買いたいスイッチ」が入ってしまい、買ってしまった。『人生を変えるサウナ術 』を。

-----

結論:(人生は変わらないけど)サウナは良いらしい。

サウナに入ると、大量に汗とともに体内の老廃物を吐き出すデトックス効果があるということは私も知っていたが(ちなみに、高温サウナなら10分入っただけで0.3〜0.5kgくらい体重が減る)、本書に書かれている「サウナの効用」をじっくりと読むと、それ以外にも色んな効果があることが分かった。

「フィジカル的効用」(肉体的な効果)として、血行が促進され疲労が回復する、睡眠の質が高まり熟睡できる、免疫力が上がり風邪を引きにくくなる、血管や心臓が鍛えられる……といった健康リスク低減の効果があることが大きい。

「メンタル的効用」(精神面での効果)としては、自律神経が鍛えられメンタルが安定する、マインドフルネス効果が得られる……といった効果がある。

(それ以外にも「ソーシャル的効果」(サウナに入ってる人と仲良くなれる等)も挙げられているが、そこは個人的に興味なし…)

サウナには「入り方」もあり、「サウナ→水風呂→外気浴」を1セットにすることが良いらしい。私の通っているジムには「水風呂」がないため、「水シャワー」で代用しているが、基本的に私もこの流れでやってきた。ただ、本書を読んでの新たな気付きだったのは、サウナ通はこのセットを「何度か繰り返す」らしい。一度冷やした身体で、再び高温サウナに飛び込むのは危険かと思い込んでいたが、「外気浴」をすることにより体表温度も脈拍も平常時近くに戻し、副交感神経優位(リラックスモード)から交感神経優位(通常モード)に自律神経が切り替り、リセットされる(=これを著者は「ととのう」と言っている)。めまいを感じるようなことがなければ「何度か繰り返す」ことも問題ないようだ。

ちなみに、各パートの時間配分は、「サウナ4:水風呂1:外気浴5」くらいであり、外気浴をメインにするのが良いらしい。我慢はせずに、「気持ちいい」という感覚に従うこと。他人と比べて無理して長時間入るのは危険。サウナ内でTVなどを見て時間を忘れてしまうのも危険。

あと、サウナは座る場所が雛壇のような階段状になっていることが多いが、上に行くほど高温で、下に行くほど低温になる。言われてみれば当たり前だが、本書を読むまでそれを意識したことがなかった。熱さに耐えられなければ、下の段に座れば良い。

本書の内容からは反れるが、私はサウナ内では自分の呼吸に全意識を集中させている。肺の中が空っぽになる感覚になるまで長く息を吐き、また長く息を吸い…というのを繰り返しながら呼吸を整えている。医学的に正しいかどうか分からないが、そうすることにより気分が落ち着き、筋トレで高まったテンションを元に戻してくれる。

本書の末尾に、全国のサウナガイドが載っているが、これは有り難かった。大きいサウナが日本全国に幾つもあるもんだ。しかも、私の日常の行動範囲内にも幾つもある。このガイドは、出張の時にも使えそう。

-----

なお、本書を読み終えてから知ったのだが、『サウナの教科書』というムック本が、Kindkle unlimitedで無料で読める。ムック本なので読みやすい。内容は、上の『人生を変えるサウナ術』と重複する点が多いから、こちらだけでも十分かもしれない。この『サウナの教科書』の末尾にも全国のサウナガイドが載っているが、これも使える。「サウナー」になりたい方は持っておいて損はないと思う(表紙がキモいけど…)。




プロフィール
公認会計士 武田雄治


●武田公認会計士事務所 代表

side_banner01-テキスト無


■武田雄治本人によるコンサルティング、セミナー、執筆、取材等のご依頼は、武田公認会計士事務所のホームページよりお願いします。
■業者様からの営業はお断りしております
■ブログのコメント欄に、コンサルティング等のご依頼や、個別案件についてのご質問・お問い合わせ等を書かれても、回答出来ませんのでご了承ください。

もう一つのブログ
武田雄治 CFOのための最新情報ブログ
経理アウトソーシング
経理アウトソーシング
コンサルティングのご紹介
「経理を変えれば会社は変わる!」の信念のもと、「真の経理部」を作るお手伝いしています。

すべてのコンサルティングを武田本人が行います。

決算早期化・効率化・標準化・仕組化、業務改善、経営管理向上、IFRS導入など、経理に関することは何でもご相談下さい。


●決算資料を見直すだけで決算早期化を実現させます!

●連結決算の「エクセル化」を支援します!



お問い合わせは、武田公認会計士事務所のホームページよりお願いします。

記事検索
Archives
『真の経理部』を作るためのノウハウ公開!
決算早期化の実務マニュアル第2版


決算早期化の原理原則!
決算早期化が実現する7つの原則


IFRSプロジェクトの進め方
IFRS実務

公認会計士の仕事
公認会計士の仕事














理詰めで黒字にする!
1年で売上が急上昇する黒字シート


1年で会社を黒字にする方法
1年で黒字化を目指す!
あなたの会社を1年間で黒字化します
























QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ