前の会社で働いている時、金融機関の人達からのアポなし訪問や電話営業が絶えなかった。

その中のひとり、もう名前も忘れたが、とても乱暴な営業をする人がいた。
少し常識を逸脱した電話、FAX、郵便物送付による営業。

ある朝、出社するとその方から電話がかかってきた。

「武田さん! 急いで下さい!! 今、金を買えば必ず上がります。 すごいことになってます!!! 必ず上がりますから、今すぐ注文を入れて下さい!!!」

電話の向こうでも、別の営業マンが同じようなセリフを吠えているのが聞こえる。
何だかただならぬことが起こっていることは伝わってくる。

しかし、私はそれまでに数々の失敗もしてきた。絶対に儲かる話は儲からないことを知っている。
だから、彼の慌てぶりを冷静に見ることができた。提案は丁重にお断りした。

でも、私が投資初心者であったら、どうなっていただろうか。
彼の「絶対儲かる話」にのって、貯金を突っ込んでいたかもしれない。



ある「25歳の青年」は、同じようなセールスに騙され先物取引に資金を投じ、、親族・知人などからも金を巻き上げられることになる。
そして、借金の底なし沼へと入り込んでいく。
利息が給与の手取りを超えるという状況の中、借金が1億2千万円まで膨らむ。自己破産することもできず、取り立て屋にも追いかけられ、本当の地獄を味わうこととなる。



この25歳の青年とは、なんと、あの金森重樹氏のことである。FAXDMというコトバを作ったことでも有名なマーケッターである。
金森重樹氏のマーケティングの本は、紙がボロボロになるくらい繰り返し読ませて頂いた。数年たった今でも氏の本はとても参考になる。
そんな金森氏の壮絶な体験記『借金の底なし沼で味わった お金の味』が出版された。

一気に読んだ。衝撃の一言。それ以上のコメントができない。

得られるものが大きすぎる。

人生で成功したいと願う者は読むべきです。
2009年版「黄金の羽根の拾い方」といえる内容です。


『人生はその人の器の大きさに応じた試練を人に与えるようにできているのだと思います。
 ですから、あなたに与えられたその試練は、たとえそれがどんなに大きくても、きっと乗り越えられる壁なのです。』



借金の底なし沼で知ったお金の味 25歳フリーター、借金1億2千万円、利息24%からの生還記借金の底なし沼で知ったお金の味 25歳フリーター、借金1億2千万円、利息24%からの生還記
著者:金森 重樹
販売元:大和書房
発売日:2009-02-05
おすすめ度:5.0
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