自分を育てるのは自分―10代の君たちへ自分を育てるのは自分―10代の君たちへ
著者:東井 義雄
販売元:致知出版社
発売日:2008-10
おすすめ度:4.5
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あの森信三先生が「教育界の国宝」と称えた伝説の教師、東井義雄(とおいよしお)氏が生前の昭和55、56年に行った講演を収めた本が、致知出版社より出版されました。


人生には約5000通りの可能性がある、といいます。
その可能性の中から、どんな自分を取り出していくのか。
世界でただ一人の自分をどう仕上げていくか。
その責任者は「自分」。

人生を仮に72年として、それを24時間に当てはめてみると、
30歳でも未だ午前10時。36歳でも未だ正午。
でも、お粗末にしていくと、あっという間に1日が終わる。
たった一度の人生、どう過ごすかは「自分」が責任者。


東井義雄先生は、ある脳性マヒという病気にかかった女性の話をされています。
この女性は、両手両足が動かなくなってしまった。
ものも言えなくなってしまった。
しかし、左の足だけが少し動く。

で、左足でお米を洗って、左足でご飯を炊いて、左足で墨をすり、左足で筆をはさんで絵を画いて、その絵を売って暮らしている。
そして、その左足で画いた絵の収入の中から、毎月、体の不自由な方のために寄付をしている。

この女性が、こんなことを言っているのです。
「わたしのような女は、脳性マヒにかからなかったら、生きるということのただごとでない尊さを知らずにすごしたであろうに、脳性マヒにかかったおかげさまで、生きるということが、どんなにすばらしいことかを、知らしていただきました。」 と。


また、同じく脳性マヒにかかった17歳の少女の書いた詩も紹介されています。


こんな子に生まれて
よかったんですか お母さん
こんな子でも
愛してくれますか お父さん
あなたがたの家をこわしてしまった私
心の中で泣いているでしょうね
ごめんなさい

私はいま明るく生きています
それが親孝行だと思ってもいいですか
お父さん お母さん
それ以外になにもできません
ゆるしてくださいね



生きるということは簡単なことではない。
生きていれば辛いこともある。死にたいと思うこともある。
でも一方でこんなに重い障害を背負いながらも力いっぱい、明るく生きようと頑張っている人がいる。
少々の辛さ、苦しみ、悲しみに出合っても、死んでやろうなんて考えてはいけない。
一度だけ与えられた人生、「おかげさまで」という生き方をしていかなければならない。

そんなことを東井先生は若者に向けて語られています。
10代の青少年児童に向けて編集された書物ではありますが、大人も十分に心揺さぶられる内容です。
新年早々、非常に素晴らしい本に出会いました。



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