百ます計算」でも有名な教育者、陰山英男先生の『娘が東大に合格した本当の理由』(小学館101新書)という本を読んでいましたら、とても面白いデータが書かれていました。

要約すると以下の通り。

・子供達の就寝時間と学力・知能指数を調査すると、8時から9時までに就寝する子供達の学力・知能指数が最も高く、それ以降就寝時間が遅くなるほど学力・知能指数共に低下する。

・子供達の起床時間と学力・知能指数を調査すると、6時から7時までに起床する子供達の学力・知能指数が最も高く、それ以降起床時間が遅くなるほど学力・知能指数共に低下する。

・子供達の朝食の有無と学力・知能指数を調査すると、朝食を毎日食べる子供達の学力・知能指数が最も高く、ときどき食べない子供達の学力・知能指数はそれよりも低く、毎日食べない子供達の学力・知能指数は極端に低い。

このように、「早寝」「早起き」「朝ごはん」が学力向上の秘訣であることをデータは語っています。

さらにこんな調査結果も。
・子供達の勉強時間に対する学力・知能指数を調査すると、1日2〜3時間勉強している子供達の学力・知能指数が最も高く、勉強時間が0分の子供達、もしくは勉強時間が4時間以上の子供達の学力・知能指数は極端に低い。

4時間以上も勉強している層の学力・知能指数が、全く勉強していない層の学力・知能指数と変わらないというのは非常に不思議です。

陰山英男先生は、この調査結果は大人にも当てはまるのではないか、と書かれていました。つまり、「遅寝」「遅起き」「朝食抜き」が体を壊し、精神が病み、日本のうつ病の疾患数・率の増加の原因になっているのでは…と。

うつ病の疾患数・率の増加につながっているかどうかという因果関係もあるかもしれませんが、それ以前に勉強し過ぎの子供達の学力・知能指数が勉強を全くしていない人達のそれと変わらないことと同様に、大人達の仕事のやり過ぎも組織や個人の能力・能率・効果・効率の低下を招いているかもしれません(このあたりの調査も陰山先生に期待したいところです)。

父親の帰宅時間を調べたデータも載っていましたが、これによると諸外国の父親は18時〜20時頃に帰宅する層が最も多いのに対し、日本は23時台に帰宅する層が最も多く、22時台、21時台…と続く。これではとても「早寝」「早起き」「朝ごはん」ができる生活リズムを保つことはできません。

最近多くの書籍を出版されている元トリンプ社長の吉越浩一郎さんの本に繰り返し書かれています。
仕事を効率化させ、人生を豊かにするために、残業をゼロにして、人生の3分の1は睡眠時間に充てるという生活をする決断が必要だ!



娘が東大に合格した本当の理由~高3の春、E判定から始める東大受験~ (小学館101新書)娘が東大に合格した本当の理由~高3の春、E判定から始める東大受験~ (小学館101新書)
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「残業ゼロ」の人生力「残業ゼロ」の人生力
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