「現代奴隷」は、世界で5000万人もいるといわれ、なんと、日本にも数万人いるらしい。国によって異なるが、奴隷の約3割が性的目的の奴隷、約7割が労働目的の奴隷である(両方の目的に利用されている奴隷も多いと思われる)。世界中の奴隷の25%は子どもであり、無賃労働・強制労働をさせられている。

なお、これらの数字は推計であり、もっと多い可能性はある。奴隷の実態は可視化が困難である上に、被害者が自分の身に起きていた現実を理解していない(=被害者と気付いていない)ことも多いらしい。

世界にこれだけの奴隷がいるのなら、「少なくとも500万人の奴隷所有者が存在する」(P158)と推測できる。しかし、加害者が起訴されることも、捜査されることも、ほとんど皆無である。被害者(奴隷)の名前・顔写真が新聞に載ることはあっても、加害者(奴隷所有者)は決して載らない。奴隷所有者にとって、人身取引はローリスク・ハイリターンの「ビジネスモデル」なのである。

その「人身取引」は、売買仲介人のような人から売買するとは限らず、ネットで子どもが売られていたり、自分の恋人を奴隷にする人もいる(そうやって奴隷にされた人のインタビューも本書に掲載されている)。

「人身取引」で手に入れた奴隷をしつける方法には、ありとあらゆる方法が存在するが(P52〜)、それは過去の奴隷制と同様に、殺害の脅し、脅迫、暴力、性的虐待、強姦である。そこには人権などなく、所有物(モノ)として扱われ、徹底して服従させる。海外に送り込み、パスポートを取り上げ、帰国できないようにした上で、強制労働や売春をさせられるケースもある。本書には数ヶ月に及び1日十数人と売春を繰り返された女性も登場する。悪夢のような光景が目に浮かぶ。この地球上で、現在もそのようなことが行われているのかと思うと、吐き気がしてくる(上述のとおり、日本にも「現代奴隷」がおり、本書には、コロンビアから日本に売られ、1年半ものあいだ売春を強要された女性が登場する)。

本書のすごいところは、その被害者だけでなく、加害者の胸の内にも迫っている点だ。単なる金銭欲だけでなく、幼少期に親から愛されなかったというコンプレックスや、親から虐待されたというトラウマから、他者を支配し、暴力的に追い込んでいくという心理を暴いている(第7章参照)。

本書の中での過激なシーン・表現以外に、印象に残っているのは「地球上のあらゆるサプライチェーンのどこかで、強制労働が存在する」という一文である(P203)。つまり、「世界のどの大企業も、奴隷制とは無縁であるとは言い切ることはできない」(同)ということである。アップルはサプライヤーにおける奴隷労働の根絶に何百万ドルも投じたらしい(P223参照)。企業は、人権デューデリや人権情報の開示を積極的に行わなければならないし、我々消費者も奴隷制の「共犯」とならぬよう、人権問題に関心を持つべきだろう。無関心は暴力をよりも相手を傷つける。ファストファッションの生産地を確認することでもいいので、全ての人が人権問題に関心を持つべきだと思う。


-----


という本を読みながら、行きつけのカフェでぼんやり過ごしたという話。

アーレントのいう「悪の凡庸さ」や、ショーペンハウアーのいう「生の悲惨さ」については、考え抜いて、自分なりの思想を持っておきたいと思う。


okinawa




-----


夜、大原簿記専門学校時代からの友人で、あずさ監査法人での同僚でもあったYさんが北谷まで遊びに来てくれた。Yさんのお友達も一緒に。Welcome to Chatan !!


沖縄


北谷で有名なシーフード店「SEAFOOD HOUSE PIER 54」へ。
今日も客の大半が外国人だった。


okinawa


Yさんのお友達のひとりは、政府系金融機関で調査員をしており、沖縄の観光産業の調査をしている。なので、沖縄のことは非常に詳しいし、今でも関心を持たれている。いろんなことを教えてもらった。

「沖縄とハワイは何が違うのか?」という話になった時に、「海は沖縄の方がキレイ」という点では全員一致したのだが、「沖縄にカネが落ちないよね」という点でも意見は一致した。調査員の彼はその理由にとても関心があるようで、私の一言一言に耳を傾けてくれた。私の個人的な意見としては、「長期滞在に向いてない(2泊で飽きる)」ことと、「VIPが過ごせる場所が少ない」ことに原因があると思う。森岡さんのテーマパークが出来たとて、長期滞在者が増えるとは思えないし、スイートルームのあるホテルが少なすぎるし、客単価が数万円レベルのレストランがなさすぎるので、VIPはカネを落とさない(落とせない)。まだ世界中の人を呼び込むような「観光地」になりきっていない気がする。まだ大阪の方が「観光地」だと思う。どうしたらいいんだろね。民間のチカラだけじゃどうにもならんだろうけど、政府系金融機関の彼に「僕に何十億か貸してくれたら、北谷に高級飲食店を作りますよ」と伝えておいた。流されたけど。



okinawa

そんな話をしてたら、花火が上がった。
毎週土曜の20時から花火があがる。
真下で鑑賞できるように、このレストランの窓側席を予約したのよ。



okinawa

花火鑑賞後も閉店まで語り合い、アメリカンビレッジを散歩して帰った。
皆が北谷を気に入ってくれたのは嬉しい。

今日も楽しく幸せな1日だった。
Thank you for coming !!