kwanseigakuin

母校 関西学院大学へ。
早いもので、春学期(前期)全14回の授業のうち、今日で7講義目。

私の授業は、2年生から4年生までの学生が受講してくれており、就活中、もしくは、これから就活という学生が多いため、「インターンにはどういう企業に行くべきでしょうか?」とか、「したいこと・できることが明確になっていないのに、就活して大丈夫でしょうか?」とか、「自分の強みはどうやって見つけたらいいのでしょうか?」といった就活に関する質問も多く頂く。

私は就活をしたことがないので、偉そうなことをいえる立場ではないが、「学生時代にそんなものが明確になっている方がおかしいだろ?」と思う。仮に進むべき道がはっきりしていたとしても、そんなものはおそらく錯覚だろう。だって、社会の何が分かるというの? 学生時代に自分が理系か文系かすら分からない人の方が多いのではないの? そんな人が、「証券業界に進む!」とか、「ゲームの道に進む!」とか、決めつけなくてもいいと思う。20歳や21歳で「天職」なんて見つからんよ。

阪急・東宝グループ創業者 小林一三が、「下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。そうしたら、誰も君を下足番にしておかぬ」という名言を残しているが、与えられた仕事で日本一を目指せばいい。私が決算早期化の分野で第一人者といわれるような人間になるなんて、学生時代にも監査法人時代にも、1ミクロンも思ったことがない。が、与えられた仕事をやり続けたら、誰にも負けない実績を積むことができただけ。それでもまだ「天職」だとは思わない。子曰わく、「五十にして天命を知る」である。

松岡陽子さんという方の本に、"Life is like a chapter book." というコトバがあり、これにはとても共感した。「人生は何章もある本のようなもの」という意味。人生は、最初のチャプター(キャリア)で決まるものではない。第1章が終われば、第2章、第3章と進んでいく。最初の就活で人生が決まるなんてことは絶対にない。与えられた仕事をコツコツやることは大切だが、自分の能力を発揮する場所がそこではないと思ったのであれば、もしくは、その会社から享受できるものが何もないと思ったのであれば、転職すればいいじゃないか。昔のように、入社3年以内に転職する人や、何度も転職を繰り返す人がダメ出しされることはないはず。そんなことをダメ出ししてくるような昭和のオッサンの会社があれば、こちらから断れ。それよりも、新しいチャプターで、新しい経験をし、新しいキャリアを積み、根を伸ばしていくべきだと思う。最悪なのは、執着を手放せない人だ。そういう人は、新たなチャプターにいくチャンスをみすみす逃していく人だと思う。

就活の面接で人生が決まるなんて有り得ない。もっと先を見て、自分らしく幸せに生きていくにはどうすべきかを自分に問うべきではないかな。

今日はこんな雑談から授業が始まった。本題は省略。
本題が入ると寝る人も、雑談だけは目を開いて聴いてくれ、ノートを取ってくれている。
それもどうかと思うが、まぁいい。
100分の授業の中で、何かひとつでもawarenessとinspirationを掴んでくれたらと思う。


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授業後、大阪駅前第1ビル「屋台餃子」にて、打ち上げ。
10時間のセミナーをした後も、たった100分の講義をした後も、筋トレやジョギングをした後とは違う脱水状態のような消耗感。仕方なく、ビールを注ぎ込んだ。おつかれ生。


餃子