絶対悲観主義 (講談社+α新書)
楠木建
講談社
2022-06-21



先輩会計士さんから薦めてもらった本。
名著『ストーリーとしての競争戦略』の著者 楠木建さんのエッセイ。

読みながら、こんなにも思考、ワークスタイル、ライフスタイルが似ている人がいるのかと驚いた。ヘアスタイル以外は同じじゃねーか。

タイトルの『絶対悲観主義』とは、著者 楠木建さんの思考・仕事への構えであり、
思い通りにうまくいくことなんて絶対ない(P3、P17)
大体のことは思い通りにならない(P171)
大体のことは気のせい(P49)
なるようにしかならないが、なるようにはなる(P229)
という考え。

こういう考えも私と似ている。何事も思い通りになるなんて思わない。人生は川の流れのように、勝手にどこかに流れ着くものだ。抗うから鱗が傷だらけになる。

本書の中の多くの話に共感したが、特に共感したのは、第9章の「なり」と「ふり」こそが人間を人間たらしめるという話(P149〜)。「なり」と「ふり」を大切に、「足るを知る」ことが、人間としての「品格」。具体的には、「欲望に対する速度が遅い」(=欲望がないのではなく、普通に欲があるが、それをなりふり構わず取りに行かない)ことと、「潔い」(=決して全部を手に入れようとはせず、何かを取るためには、必ず何かを捨てる)こと、の2つを兼ね備えた人が「品格」のある人だと言っている。換言すれば、「執着しない」人といえる(P155)。確かに、この2つを兼ね備えていない人(=強欲で、総取りしようとする人)は品がないと思うし、「足るを知れ!」と思う。

第2章に書かれていた、幸福とは「これが幸福だ」と自分で言語化できている状態(P48)というのも同意。他人との比較こそが幸福の敵であり、最大級の不幸のひとつ(P45)というのも同意。幸福の定義ですら、人は人、自分は自分でいいのだ。

第12章の「痺れる名言」も良かった。多くの人が「名言」をメモしているね。楠木さんは「名言ファイル」をつけているらしい(P182)。

本書の最後には「引退」(仕事の終わり方)についても触れている。そこも同じ考えだった。

全体を通して、楠木さんのことを『絶対悲観主義者』だとは思えない。『超絶楽観主義者』だと思う。Take it easy! Just go with the flow! それで大体のことはうまくいく。

Don't worry, Be happy!!

happy