半期に一度のエントリー。

今年7月〜12月までに読んだ本の中で、良かった本をピックアップしておきます。
(この期間に発売された本ではありません)



スターバックス成功物語
ハワード シュルツ、ドリー ジョーンズ ヤング
日経BP
2013-09-11


スターバックスのハワード シュルツCEOが20年前に書いた本だが、めちゃくちゃ勉強になる。シアトルに数店舗しかなかったカフェが、全米・全世界へ展開するに至った苦労、戦略、戦術、マネジメントなどの全てを明かしてくれている。聖書・論語のように、その時その時に必要なページを開いて、何度も読み返した。「企業が倒産したり伸び悩むのは、ほとんどの場合、必要な人材、システム、手順への投資を怠るためである」(P193)、「あなたのやりたいことがはっきりしたら、同じことをやった経験のある人物を見つけることだ」(P203)など、突き刺さるコトバが多い。





上のスタバの本を読んでいる時に、友達から「これも読め」ともらったもの。
タリーズコーヒージャパン創業者による創業記。これはしびれた。20代でこれだけのことをやったの!? 起業したいと思う人は必読。書評はこちら





この下半期に最も読み込み、最も刺激を受け、最も人に薦めた本。「すごい」の一言。4500億円の赤字だった瀕死ソニーのCEOのバトンを受け継ぎ、4900億円の大黒字に転換、株価は3倍、驚異の再生を果たした。再生のキーワードは「インボルブ」(社員を巻き込むチカラ)だろう。書評はこちら
この書評がキッカケで、平井一夫さんにもお会いでき、サインも頂けたのは最高の思い出になった。



稲盛和夫、かく語りき
稲盛和夫
日経BP
2021-07-22


1970年以降の50年間に、「日経ビジネス」「日経トップリーダー」に掲載されたインタビューを一冊にしたもの。役に立たないはずがない。何度も読み返し、線と折り目と付箋だからけ。対話を繰り返しても経営者の考え方や経営理念に共感してくれない社員は、「明日にでも辞めたほうがいい」(P136)と言っていたのが印象に残る。『ビジョナリー・カンパニーZERO』にも同じようなことが書かれている。書評はこちら





これまでの経済成長を前提とした資本主義社会は終焉を向かえ、我々は(長い近代が終わった)「高原社会」にいるという自説を展開している。そこで我々はどのように生き、ビジネスはどのように見直していくべきなのか。目からウロコが落ちる内容だった。あらゆるものが劇的に変化した今、生き方・働き方のヒントになるだろう。書評はこちら





元麹町中学校長の工藤勇一先生と、『同調圧力』の著者 鴻上尚史氏の対談本。最も共感したのは、工藤先生が、学校教育の最上位目的として、「個人のwell-being」と「社会のwell-being」を置いていること。両者が違う(=対立する)ことを前提に、腹落ちするまで対話し、「インボルブ」していくことが学校教育でも必要。学校も会社も、マネジメントの基本は同じだなぁ〜と思った。経営者にとっても参考になる一冊だと思う。



群衆心理 (講談社学術文庫)
ギュスターヴ・ル・ボン
講談社
2017-10-20


コロナ禍における同調圧力、正義警察などに息苦しさを感じたが、今から100年以上前にフランスの心理学ル・ボンが「群集心理」を分析していた。
群衆は、未熟な心理しか持たず、非合理な行動を繰り返し、「ばい菌」のように作用し、強烈な感染力を持つ。このような「ばい菌」は身近な所にいるし、誰しも群衆になり変わってしまう危険性がある。著者ル・ボンは、現代の教育法(当時のフランスで行われていた知識詰め込み型の教育)が、人々の創意や判断力を喪失させており、そのような教育は「全く無用」と痛烈に批判しているが、これは戦後の日本の教育と何ら変わりない。
本書はヒトラーの愛読者だったとか。群衆をいかに操るかについても書かれていて、ある意味で危険な本ともいえる。が、SNSが発展した現代においても、未熟な思考の「ばい菌」からの感染を防ぎ、「自分で考える」ということの大切さを教えてくれる有益な教科書になると思う。





一冊の本が旅よりも遠くに連れて行ってくれることがある。
良い本で、良い人生を。
No Fun,No Life !!


【過去に紹介した良かった本】
2021年上期 良かった本
2020年下期 良かった本
2020年上期 良かった本
2019年下期 良かった本
2019年上期 良かった本
2018年下期 良かった本
2018年上期 良かった本
2017年下期 良かった本
2017年上期 良かった本
2016年下期 良かった本
2016年上期 良かった本
2015年下期 良かった本
2015年上期 良かった本
2014年下期 良かった本
2014年上期 良かった本
2013年下期 良かった本
2013年上期 良かった本
2012年下期 良かった本
2012年上期 良かった本
2011年下期 良かった本
2011年上期 良かった本
2010年下期 良かった本
2010年上期 良かった本
2009年下期 良かった本
2009年上期 良かった本
2008年 良かった本