将来は読めないが、例外的に読めるものがある。人口動態だ。よほどのことがない限り、100年以上先まで人口の推移は分かっており、データが公表されている現在、約1億2000万人の日本の人口は、2053年に1億人を割り、2100年には5000万人を割る

では、日本の人口が激減するとどのような事態が起きるのか。ってことが書かれた河合雅司著『未来の年表』が4年前に発売された。これはなかなか衝撃的な内容で、ベストセラーになった。その後刊行された『未来の年表2』、『未来の地図帳』もベストセラーとなり、累計で100万部近く売れたらしい。

その河合雅司さんが最新刊『コロナ後を生きる逆転戦略』を出した。
本書の帯に惹かれて購入した。

コロナ後を生きる逆転戦略


本書も、これまでの書籍と同様に、人口減少 →高齢者増加 →働き手減少 →マーケット縮小 →豊かさの縮小 →国の衰退…という「避けられない未来」に向けて、「戦略的に縮む」ことを提唱している。

人口が減少し、一人暮らしが増えていく時代に、住宅の価値は減っていくと予想できる。そういう時代にローンを組んでマイホームを購入すべきなのか。50代を超えると毎月の収入が減る人が多いが、そうなると住宅ローンの負担が大きくなる(老後破産の主要原因のひとつが住宅ローン返済らしい)。著者は、老後の生活設計を破綻させないためにも、住宅ローンは早期に完済すること、もしくは、マイホームを売却することを提案している(クルマの売却も提案している)。特に著者は、終の棲家としてタワーマンションを購入することは「危険」だと警鐘を鳴らす。埼玉県の55階建てのタワマンの場合、1回の大規模修繕に12億円(1戸あたり約200万円)を要したらしい(築17年目に実施)。タワマンを終の棲家とする人は、複数回の大規模修繕を負担しなければならないリスクがある。しかも修繕積立金は「段階増額積立方式」を採っているケースが多い。それでも修繕積立金が不足しているマンションも多い。生き地獄だ。

私は運良く40代でマイホームもクルマも売却することができた。今後、マイホームを購入することはないと思う(クルマも今のところレンタカーで足りている)。ローンを抱えることのリスクを負ってまで、所有することの安心感を手に入れるべきなのかはよく考えるべきではないか、と著者も言う(P194)。

-----

本書は、企業の生き残り術(第2章)、ビジネスパーソンの生き残り術(第3章)も書かれている。こちらも参考になる。

そこそこ衝撃だったのは、以下の図表(P27より)。赤ちゃん用の紙おむつより、大人用の紙おむつの方が伸びているのね…。

コロナ後を生きる逆転戦略


-----

個人も法人もビジネスパーソンも、今までの常識を捨てなければ、茹でガエルになるだろう。

著者は言う。「日本がいつまでも先進国だという思い込みは、一刻も早く捨てなければならない」(P23)と。ノルタルジーに浸ることは、死を意味する。「戦略的な断捨離」(P214)をして、知的に生きていかねばと思う。