くたばれ正論


先月に続き、古巣、大原簿記専門学校(大阪校)の公認会計士試験受験生とと食事をする場を設けて頂いた。

数年前から年に1度、受験生と食事会を開催していたが、今年はコロナの影響もあって、少人数での複数開催となった。少人数の方がじっくり対話ができるので、私としては嬉しい。

何度か受験生と食事をして思うのは、(私に会いに来るくらいだから当然かもしれないが)皆が志が高いということ。合格する前から高い志を持ち、公認会計士になってからのキャリアプランを考えている人も多い。素晴らしいことだと思う。

他方で、監査法人の内定前から、どこの法人に行って、どこの部署に行って、どこの上場企業の監査を担当したい・・・といったことを具体的に決めすぎている受験生が多いことは多少気になっている。期待しすぎだと思う。部署や担当クライアントが思い通りにアサインされることはない。思い通りにならないことが9割。でも、思い通りでなくても学べることは山ほどある。どこの部署に配属されようが、どこのクライアントにアサインされようが、どのパートナー・マネージャーの元で働くことになろうが、与えられた仕事コツコツとやるべきだし、そういうマインドを持って仕事に望むべきだと思う。どんな仕事でも結果を出すことがプロフェッショナルなので。

あと、受験生に限らず、若い人と話をしていて感じることは、生き急ぎすぎだと思う。人生は一度きりなので、いまここを全力疾走するという生き方は私も共感する。しかし、20代で公認会計士試験に合格すると、そこから40年、50年と公認会計士として生きていくことになると思うので、長期的なスパンでのキャリア形成も考えるべきだと思う。5年、10年と継続することができないものを「専門」といえるだろうか。それをさらに15年、20年と継続すれば「無敵」になるかもしれないのに、生き急ぎ、隣に芝を見ながら、キャリアを(縦ではなく)横に展開している人が多い。ホントは何がしたいのかを自分に問うべきだと思う。

もちろん、自分の感受性に従い、自分の本能が面白いと感じるところへ動いてく柔軟性は必要だと思う。ただ、自分のバリューを高めるには、生き急ぐべきではないし、隣の芝を見るべきではない。他人との比較で人生を決めずに、過去の自分との比較でキャリアを上に積み上げていくべきだと私は思う。


YouTubeで、公認会計士受験生向けに「公認会計士の仕事」というコンテンツを通して、公認会計士の魅力も発信しています。


(画像は、今朝の読売新聞に掲載されたRed Bullの全面広告。本文とは関係ない。)