妻のトリセツ』 (講談社+α新書)
女の「オチのない話」に対して、男は「共感したフリ」をしとけ。


夫のトリセツ』 (講談社+α新書)
男は「話も聞かずにぼ〜っとしている」だろうが、女はそれを許してあげろ。


家族のトリセツ』 (NHK出版新書)
真面目に「世間の理想」を体現しようとするな。


黒川伊保子さんの「トリセツ」シリーズ、ツボにはまる。
「その通り!」と膝を叩くことばかり書かれている。

『息子のトリセツ』も出版されたので読んでみたが、これも「はは〜ん!」と頷ける内容が多かった。

男性脳は狩り仕様に、女性脳は子育て仕様に、初期設定されている(P24)。だから、男の子は、「遠くを見る」能力に長けており「近くが手薄」になる。自分(主観)より対象(客観)に夢中になる傾向が強く、徐々に自我を確立しながら大人になっていく。女の子は真逆で、対象(客観)より自分(主観)に夢中になる傾向が強く、早くから自我が確立され、徐々に「自我のリストラ」をしながら大人になっていく。(P27〜)

だから、男の子が(というか、大人の男性も同じだと思うが)、ひとつの対象(ゲームなど)に夢中になると他が見えなくなる。狩りに出た男が、獲物にロックオンするのと同じこと。ここで、「宿題しなさい」「早くしなさい」といえば、狩りができなくなる。「しないのは、やる気がないのでも、おもいやりがないからでも、人間性が低いのでもなく、できないからだと肝に銘じること」(P29)。

脱いだものを脱ぎっぱななし、やったものをやりっぱなしという「ぱなし癖」があることも、目の前のことをテキパキできず「ぼんやり」していることも、ここから説明できる。獲物にロックオンすると、近くのことに気が利かないように脳が設定されている。それよりも、遠い世界のことを空想している。これは傍から見ると欠点にしか見えないかもしれないが、長所でもあるのだ。欠点を許し、長所に惚れるしかない。

女性脳は子育て仕様に初期設定されているから、潜在的に失敗を恐れる。コンサバになる。他方、男の子は狩り仕様に初期設定されているから、失敗を恐れない勇敢さを持っている。この男の子の成長にブレーキをかけているのが母親であるということがままある(P171〜)。母親としては、「恐怖のリミッター」を外さなければならないのだ(P175)。

男の子にとって、母親の影響が大きい。今思えば、私の母親は、「ぱなし癖」があり、「ぼんやり」し、空想癖があり、狩りに出た私に、怒ることもなく、潰すこともなく、伸ばしてくれたと思う。伸ばしてくれたというより、成長にブレーキをかけてくれなかった。ただの放置プレーともいえるが…。

子を持つ親の中には、「子供にガミガミ言ってしまう自分がイヤだ」と言う人が少なくないと思うが、そういう方には本書が子育ての参考になると思う。