『妻のトリセツ』『夫のトリセツ』が面白かったので、新刊書『家族のトリセツ』も読んだ。
本書も面白かった。
「人は、顕在意識では、相手の長所に惚れるが、潜在意識では、相手の弱みを愛おしがる」(P92)
確かにそうかもしれない。先日も書いたが、相手の弱みを容認した上で、互いの存在を承認し合える人間関係を築くことができれば幸せだと思う。
では、家庭内でなぜイライラが起きるのかといえば、相手の弱みや欠点を容認せず、ネガティブな感情を抱くからだ。結婚する前は、相手の弱みも愛おしかっただろうに…。
では、相手の弱みがイライラする「家族ストレスの正体」は何か? それは「世間」を家庭に持ち込むことだ(P52〜)。家族に健全な優等生を求めるところにストレスの根本的原因がある。
そのストレスを解消・解決するための方法は、著者が「心の対話」と言っているもの(P150)。多くの人は、5W1Hから会話を始めるが、これは禁忌。「何してたのよ!?」「どうしてそんなことするのよ!?」「なぜ手伝わないのよ!?」という5W1H型の対話は、相手の弱点を指摘するだけでなく、相手を威嚇したようにも聞こえる(P147)。「言いたい気持ちは、わからないでもないけれど、それを言ったからといって、素直に反省して、優しいことばを返してくれる家族がこの世にいるだろうか」(P147)。いるわけがない。
だから、「心の対話」が必要なのだ。詳細は第3章を読んで欲しいが、相手の弱みや欠点をも包含して、褒めるべきところを褒めたり、感謝すべきところを感謝したり、相手の存在を承認するような「言葉」を発し、「話の呼び水」にする。ここにオチなんていらない。
これは家族だけでなく、対人関係においても必要な術だと思う。
健全な優等生でなんていない。家庭にルールもいらない。
「家族は甘やかしてもいい」(P174)。
家とは、そういう場所じゃないのか。
ベースにあるものは、ありとあらゆる思いや感覚感情の中で絶対的最強である恐怖(心)からの逃避でしょう。
世の中の殆どの人々が被害者を選択するのも、根っこは繋がってますよね。