@都内某所
今日も収録。
こういう光景に慣れてきた。
税務研究会主催の最大のオンラインセミナーイベント『ZEIKEN BRIDGE』(2020/12/10〜12/11)におけるトークセッションの収録が行われた。『魅力ある経理部づくり!!』と題して、経理の本分を語らせて頂いた。同世代のキャリアの異なる公認会計士3名でのトークセッションは、結構盛り上がって楽しかった。『ZEIKEN BRIDGE』では(編集して)60分の配信となるようだが、2時間以上喋ったんじゃないだろうか。もっと喋りたかったが、最後は巻き気味で終えた。我ながら面白いセッションになったんじゃないかと思う。経理部の方は是非見て欲しい。『ZEIKEN BRIDGE』の申込みはこちら(参加無料)。
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私の決算早期化セミナーにおいて、ちょっとした余談の際に、ある方の話をする。
某上場企業経理課長だったSさん。
数年前、私の決算早期化セミナーにおいて、最前列で熱心に聴講されていた。Sさんは、休憩時間に私のところに来て、「今日は武田先生に御礼を言いに来ました」と名刺を差し出された。名刺を見て驚いた。日本全国の上場企業の中で、トップ10に入るくらいに決算発表が早い会社の方だったから。
「武田先生のセミナーは過去にも出たことがあります。決算早期化の本も全て熟読しました。上司も部下も読みました。弊社が決算早期化を達成できたのは、武田先生のお陰です。今日はそれを言いたくてセミナーにやってきました。」と、そんなことをSさんは言ってくれた。
冥利に尽きる。
セミナー終了後、私はすぐにSさんに連絡を入れた。驚異的な決算早期化を実現した御社の取り組みについて、詳しく話を聞かせて欲しいと。Sさんは快諾してくれた。
数日後、私はその会社へ訪問した。Sさんの上司であるA経理部長をはじめ、経理部員の皆様が私を迎え入れてくれた。そして、秘密保持契約も結んでいないのに、多くのことを教えてくれた。話は尽きず、そのまま会社近くの居酒屋へ流れた。その際、A部長、S課長だけでなく、全経理部員が来てくれ、話を聞かせてくれた。決算早期化の技術論だけでなく、「真の経理部」はどうあるべきかという思考・思想まで教えて頂いた。この日の出来事は、私の仕事観にも大きな影響を与えているし、私の書いた『「経理」の本分』にも反映されている。
『「経理」の本分』の出版が決まった際、当然に、A部長とS課長に書籍を郵送した。すると、その翌日には読書感想文がメールで送られてきた。特に、A部長はエクセルファイルにぎっしりとコメントを書いて送ってきてくれた。良い点だけでなく、直すべき点、補足すべき点、違和感がある点、A部長の意見なども細かく書いてくれていた。多忙な経理部長が、私の本を1日で読破し、これだけのコメントをまとめてくれたということは、当たり前の事とは思わない。この出来事もまた、私の仕事観に大きな影響を与えている。
今日、そのA部長、S課長と久しぶりに再開し、飲みに行った。本当は読書感想文を頂いた際に会食をセッティングしていたのだが、コロナで流れ、私も上京する機会が減り、再会が今に至った。
A部長は定年退職された。S課長は、私が『「経理」の本分』において「経理部員はフロント業務も知っておくべき」と書いたことを実戦するかのように営業部門へ異動された。しかし、皆、経理が好きなのだ。経理の話をはじめ、話が盛り上がり過ぎて、今日も少々飲みすぎてしまった。今日も貴重な話を聞かせて頂いた。
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店を出たのは23時を過ぎていた。5時間近くも飲んでいたらしい。
宿泊先のホテルに向かって歩きながら、A部長からのアドバイスを思い出す。
A部長は、「50歳でリタイアなんてすんじゃねーぞ!」、「リタイアする前に武田雄治の後継者を何人も作っておけ!」、「金児昭先生のような本を残せ!」・・・とホンキでアドバイスをくれた。愛を感じた。こんなことを言ってくれる経理部長はいない。こういうアドバイスを頂けることも、当たり前の事とは思わない。感謝しかない。これまでやってきたことを、これまでとは違うカタチで後世に残していきたいと思う。