昨夜の時点で、長崎行きの列車の運休が決まっていたので、朝イチのリムジンバスを予約していた。しかし、これも朝、運休決定。もう「西には行くな」というお告げだろう。何事も抗わない。軍艦島ツアーなど長崎の予定を全てキャンセルした。

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秘書が

「温泉でもどうですか?」

と博多の近くで一人で泊まれる温泉宿を調べてくれた。私が疲れ果てていたのを知っているのでググってくれたに違いない。細かなところまでよく気が利くので助かる。サイトを見て一目惚れ。二日市温泉の「大丸別荘」という宿を予約した。

地図を見たら、太宰府天満宮の近くにある。よし、今日は太宰府で観光して、その後、二日市温泉に行ってぼんやりするという一日にしよう、と決めた。

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太宰府駅からタクシーで数分上がったところに「山蔵」という朝締めた地鶏を提供してくれる店があるらしい。これも秘書が薦めてくれた。

人気店だと思い開店前から並んだが、この大雨の影響で、客は私だけだった。「よくこんな日にお越しになりましたね」とマスター。「西宮から来た」というと驚かれた。マスターも旅が好きで、海外も日本も色んな所を旅したという。学生時代は博多から長崎まで歩いたこともあるらしい。淡路島も徒歩で一周したことがあるというから、かなりの変態かもしれん。社会人になってからは、ハイアットの料理人として働いていたので、世界中のハイアットを転々としていたと。上海も北京もシンガポールも行ったが、最後は日本に帰りたくなり、大阪南港でしばらく働き、(私が昨日泊まった)博多のグランドハイアットも開業後に料理長をしていたという。外資系巨大企業の料理長は組織の論理で料理しなければならず、ストレスだったようだ。ホテルのレストランはそういうもんだろう。外国人富裕者にカネを落としてもらわないと商売が成り立たないからね。

そんな話をしながら、目の前で地鶏を焼いてくれた。TV取材や有名人も多く訪れる店。東京や大阪で出店しないかという話もあるらしい。でも美味しい地鶏が取れるこの地から離れるつもりはなさそうだ。

その地鶏の炭焼き、食べた瞬間に唸り声をあげそうになるほどの美味しさだった。これは美味しい。これほど美味しい地鶏を食べたのは初めてかもしれない。食べ終わるのがもったいないと思うくらいに美味しかった。幸せなひとときだった。


炭焼地鶏 山蔵



食後のコーヒーは、なんと5円。コーヒーを飲みながら(太宰府天満宮以外の)オススメスポットを聞いたら、「ここから歩いて5分の所に竈門神社(かまどじんじゃ)があるから、行ってらっしゃい」と言われる。人気漫画「鬼滅の刃」の聖地だという。「鬼滅の刃」を読んだことはないから内容を知らないが、大ベストセラーになっていることは知っている。聞いた手前、行かない訳にはいかず、竈門神社へ向かった。

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竈門神社_鬼滅の刃


漫画の聖地とは言え、こんな大豪雨で、警報が出て、避難勧告まで出ている最中に、山の上の神社に来る人間なんている訳がない。私一人しかいなかった。

けど、癒やされた。

いつの日か、海外渡航も自由になると、ここにも外国人観光客が溢れるのだろうか。いまここに来れたのはラッキーかもしれない。


竈門神社_鬼滅の刃


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下山して、太宰府天満宮へ。
ここの参道も無人。
店もほぼ全てが臨時休業だった。

太宰府天満宮



この参道にある、隈研吾がデザインしたというスタバで読書しようと思っていたが、ここも臨時休業だった。

太宰府天満宮スタバ_隈研吾


もしかして、太宰府天満宮も臨時休業か・・・と不安になったが、閉まってはいかなった。
無人だったが。

太宰府天満宮


ホントに誰もいなかった。
もう地球上に俺しかいないのではないか・・・という恐怖心が出てくるほどに無人。

太宰府天満宮



ここに来て、今日が七夕だと知る。

太宰府天満宮_七夕



「愛で生きる」
さとみちゃん、愛とは思いやりであり、相手に自分を捧げることだよ。

太宰府天満宮_七夕



リアルすぎる・・・

太宰府天満宮_七夕



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太宰府天満宮やその周辺を観光した後に、二日市温泉へ向かう。

予約した宿は、150年の歴史がある伝統の宿だった。

長くなったので、続きはまた明日。