なぜか免疫力が高い人の生活習慣
石原 結實
幻冬舎
2004-09-01



人間の体内では、ウイルスと免疫系の戦いがなされている。多くの場合、免疫系がウイルスに打ち勝ち、体内のウイルスは分解除去される。不幸なケースでは、ウイルスが勝ち、宿主が亡くなる。

但し、ウイルスを完全に除去させることは困難で、長期的にはインフルエンザのように共存していくことを選ぶしかない。


(【参考文献】福岡伸一「理論的だが、コロナウイルス問題を2週間で解決する方法」より)

新型コロナウイルスに克つために、3つの「密」を避けることや、うがいや手洗いなども大切だが、根本的なところでは「免疫力を高める」ことが大切である。


石原結實先生の『なぜか免疫力が高い人の生活習慣』という本を読んでみた。この本、2004年に発売された本であるが、先月(3月)、表紙と「はしがき」だけを変えて増刷したらメッチャ売れてるらしい。恐るべし幻冬舎商法。ちなみに、私が一日一食の生活をしているのは、この石原結實先生の『「食べない」健康法』を読んだことがキッカケである。

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さて、本書『なぜか免疫力が高い人の生活習慣』によると、「免疫力を高める」ためには、
 ●適度な睡眠
 ●適度な運動
 ●適量のアルコール
 ●少食
 ●体温を上げる
 ●大便・小便
 ●血液をサラサラに
 ●笑う
 ●セックス

といったことが必要だと書かれている(他にも沢山書かれているが省略)。

何事も「やり過ぎない」ことが大事であり、「適度・適量」であり、「本能に根ざした行為・行動」をすることが必要であるといえる。人類の何十億年という歴史の中で、我々の中には、病気を防衛し、健康を維持する装置が備わっているはず。しかし、近代化したことにより、食事、食物、睡眠、運動、生活習慣などが劇的に変わっていった。それが、本来備わっていた免疫力の低下になり、ガンを含め、あらゆる病気の原因になっている(可能性がある)。ある程度「原始的」「本能的」な行為・行動を意識して生活習慣を変えなければ、病気と闘う生活を繰り返すことになりかねない。

そういう意味でも、セックス(=子孫を残すための本能的な行為・行動)も大切であり、医学的にもその効果が証明されている。週1〜2回のペースでのセックスは、風邪や感染症に対する抵抗力が増すことが分かっている。週3回以上のセックスは心臓発作や脳卒中になるリスクが半減する。また週3回セックスする人は、心身の機能のバランスがとれ、実年齢より10歳若く見える(いずれもP60〜参照)。

とはいえ、この地球上で週3回以上のセックスをしている人はどれだけいるのだろうか…。あるコンドームメーカーの調査によると、世界の平均回数は年97回(週1.9回)、米国人は年124回(週2.4回)であり、日本人は世界最少で年36回(週0.7回)とのこと。さてはて、「原始的」「本能的」な行為・行動は、言うは易く、行うは難し。。。


【こちらもオススメ】
福岡伸一著『新版 動的平衡 ―生命はなぜそこに宿るのか』 (小学館新書)