あやうく一生懸命生きるところだった
ハ・ワン
ダイヤモンド社
2020-01-16


私が20代、30代の頃は、夜中や明け方まで働き、土日も働くことがフツーだった。一生懸命働いていたと思う。しかし、40歳手前で、そんな生活をパタっとやめた。体力的にも精神的にも限界を超えた。それより、仕事や人生に対する「価値観」が変わった。一生懸命働くことに意味はあるし、努力は裏切らないと今でも思っているが、努力すれば必ず報われるわけではないし、億万長者になったら豊かになれるわけでもなし、欲しいものを手に入れたら満たされるわけでもないと実感したことが大きい。何より幸福感がなかった。幸せじゃなきゃ意味がないのに。

もしそのようなターニングポイントがなかったら、『あやうく一生懸命生きるところだった』かもしれない。

本書は、韓国でベストセラーになった本らしい。タイトルが気に入って購入した。著者も40歳手前で勤めていた会社を退職し一生懸命をやめた方。どこまで本当なのか分からないが、「ごろごろしてはビールを飲むことだけが日課」だという。本書は、そんな著者が、新しい生き方を教えてくれる一冊。自由に生きてる人のようだが、嫌味なところがないどころか、真っ当なことが書かれている。

・・・ここ数年は幸せを感じる瞬間が増えた。状況が好転したからではない。
ありのままの自分から目をそらして苦労し続けることをやめ、今の自分を好きになろう、認めようと決めたからだ
(第4章)

自分が自分の人生を愛さずして、誰が愛してくれるだろうか?(第4章)

これは実体験として、非常に分かる。そのとおりだと思う。

本書にも書かれているが、「人はそれぞれ、その人なりの速度を持っている」(第4章)のに、他人の速度に合わせようとする。だから疲れる。学校の成績、試験の順位、会社内の評価、年収、諸々、なんでも「他人との比較」をして一喜一憂をしている人がいるが、著者はこういう生き方を「最も簡単に、早く、自分を不幸にする方法」だという。「人生の大事な時間を、自分の幸せな理由を探すより、不幸な理由を探すことに費やしているかも」と。

一生懸命働くことを否定するつもりは全くないが、倒れる前に立ち止まって、自分に問うてみた方がいい。「今の延長に最大幸福があるのか?」と。

本書には、他人が”蟹”だとしても、自分が ”カニかまぼこ” でもいいじゃないか、というようなことが書かれている。「カニかまぼこだって栄養価が高くて美味しい」と。この箇所はなんか笑えた。

私も過去は「他人との比較」をして、”たらば蟹” を目指していた。でも、40歳手前で ”カニかまぼこ” の人生もアリや! と思えたらから、人生は変わった。それは同時に、「他人との比較」をやめた時。他人からどう思われようがで放っておけばいい。人生は一度きりで、いつ終わるか分からない。楽しむしかないし、幸せになるしかない。自分を愛すれば人生は変わる。

ちょっとした息抜きにオススメの一冊。