この週末も特にアポイントもないため、Prime Video Day。

今日もホロコースト関連で『アイヒマン・ショー』を観た。

「ユダヤ人問題の最終解決」(ユダヤ人抹殺計画、ホロコースト)を計画した男、アドルフ・アイヒマン(Adolf Otto Eichmann、1906-1962)に対する世紀の裁判(アイヒマン裁判、1961)を全世界にテレビ中継し、ホロコーストの真実を伝えた実在のテレビマンたちの姿を描いた作品。裁判は4ヶ月にわたり、その間、撮影された映像はすぐに編集され、世界37カ国で放映されたという。

この映画では、実際の裁判やアウシュヴィッツの映像も使われている。アウシュヴィッツの残酷・残虐な映像は「ぼかし」がないため鑑賞の際は覚悟した方が良い。かなりショッキングな映像が流れる。

裁判中、証人たちの証言に傍聴席の人々が驚愕し、カメラマンも涙する中、最後まで罪を認めようとせず、たじろぐこともなく、表情ひとつ変えず、微動だにしないアイヒマンの姿が印象に残る。

アイヒマン


アイヒマンは特別な怪物なのか、それとも「人は誰でもアイヒマンになりうる」のか。これは、アイヒマン裁判の翌年に行われた「ミルグラム実験」でも明らかになった。権威者からある一言を言われたら、人は誰でもアイヒマンになりうるのだ。その一言とは、「俺が責任を取るから」。

この映画のラストシーン、アイヒマン裁判の裁判官の実際の映像で締めくくられる。この裁判官の言葉が胸に突き刺さる

『自分は他者より優秀に創られたと一度でも考えた者は、アイヒマンと同じ地平にいます。そして一度でも鼻の形や肌の色や信仰する神の違いによって、他者に悪意を抱いた者は、理性の喪失が狂気への道と知るべきです。このような事から全てが始まったのです。』(字幕:松岡葉子)

なお、裁判から50年の節目を迎え、全記録映像がyoutube「EichmannTrialEN」にて公開されている。今でもこういう実録映像を見ることができるのは、この時のテレビマンたちの努力の甲斐あってのことである。撮影許可を取るまでのに様々な困難があったり、ナチスシンパから脅迫があったり…まさに命げけで映像を撮り続けた。我々が観ている映像の裏に、本作のようなドラマがあったのだ。


(※ 画像は裁判中のアイヒマン。映画ではなく実際の画像。ネットより拝借した)