ハム


私が独立して、一旦関西に戻った15年前のこと。

六甲山系の山の上の某高級住宅街に300〜400坪はあろうかという売地があり、時々ドライブがてら訪れていた。夜になると梅田ビル群から大阪湾、関空まで一望できる絶景のパノラマ。

 『いつかは、ここの土地を買って、豪邸を立ててやる!』

と、その場所を「願望」に入れたのだ。山の上といえど、土地だけでも1億円は下らないだろう。当時の私の貯金はほぼゼロ。ゼロから関西での生活がスタートしたのだ。

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それからも、この高級住宅街を度々訪れた。訪れるだけでなく売物件の内覧もするようになった。相変わらず貯金はなかったが、「願望」を手に入れるためには圧倒的な行動をするしかない。周辺の街の売物件も含め、100〜200戸は内覧したと思う。お陰で建築に詳しくなった。

人生とは妙なもので、その時に出会った売主の一人が、いま私が師と仰ぐ人である。8年前に出会った。

この師との出会いにより、私の人生は激的に変わった。年収は倍増し、この高級住宅街に住み、フェラーリに乗るという願望も一気に実現させた。

一方、その師は、物件売却後、同じ町内の別の場所に数億円の大豪邸を建てた。その場所は、15年前に私が『いつかは、ここの土地を買って、豪邸を立ててやる!』と誓った土地である。

私の自宅から、この師の大豪邸が見える。地球はとても広いはずなのに、半径数百メールの所で我々は出会い、生活している。たまたまにしては出来過ぎた話だ。

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今日はその師との新年会だった。

師から「ビジネスにチカラを貸して欲しい」と提案を頂いたのがちょうど3年前の今日。あの日のことは忘れもしない。今日も同じ店の同じ席で食事をさせて頂いた。3年前と違うのは、同じ会社のチームメンバーであり、同志であるということ。今ここに居ることに感謝しかない。

師が代表をする会社が入居している賃貸オフィス物件の、前の入居者が私の叔父が経営する商社で、私は学生時代にその商社でバイトをしていたというのも、何かの縁だろう。あらゆる縁が重なって、今ここに私がいる。

15年前は憧れだった環境にいて、8年前には憧れだった人と仕事をしている。それが人生というものだ。ここに至るまで、それなりの努力はしてきたと思う。結果よりも、そのプロセスに対して、自分で自分を認めてやり、褒めてやりたいと思う。

暉峻淑子(てるおかいつこ)さんの『豊かさとは何か』(岩波新書)という本に、「豊かな社会の実現は、モノの方から決められるのではなく、人間の方から決められなければならない」(P237)と書かれており、そのためには、自分自身が豊かな人生の実現とはどんな生き方なのかを「探求する必要がある(P240)とも書かれている。特に後半の文章には共感する。豊かな人生を実現するためには「探求」しなければならない。

今年は(年頭にも書いたとおり)収入、時間、人間関係のポートフォリオを変えたいと思っているが、どうなるかは想定不能。ただ、「願望」は明確にしつつも、色々と「探求」することの努力は惜しまない。それを通して師の「願望」も実現させたいと思う。今日、改めてそれを誓い合った。

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今日も赤ワインを空けた。

5日連続の新年会の5日目も気持ちよく酔った。
二日酔いならぬ、三日酔い、四日酔い状態だったが。

週末は少しアルコールを控えようと思う。