潮に満ち干きがあるように、人生にも満ち干きがあると思う。

満ちた後には干いていく。干いた後には満ちていく。

「人生は振り子」であり、「成功はタイミング」だと思っている。
潮に乗ることができれば勝ち、潮に飲まれると負ける。

ただ、この数年は、「振れ幅」の大きな人生に疲れてきた。

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独立してからずっと同じ仕事に没入してきて、特定の分野で第一人者といわれるまでになったことは自分で自分を褒め称えたいと思う。が、最近、憂鬱になっている。理由は以前も書いたが、依頼主が主体性を発揮しなければどんな腕のある医者が手術をしても完治しないのは当然なのに、「カネを払ってるんだから治せ」という態度の依頼主が増えてきたからだ。メールをしても返事がない、納品したものを見ない、提案したものを無視する、そんな人に「メールを見てもらえますか」なんて言うほどお人好しにはなれない。最近は、そういう依頼主の手術をすることにすら虚しさを感じることもあった。

独立して15年、マイクロ法人化して10年が経ち、今日で第10期の決算日を迎えた。
お陰様で、過去最高売上、過去最高利益を更新した。

喜ばしいことであるが、あまり嬉しいと思わない。
それより、独立15年、法人化10年という、「ひとつの区切り」を感じる。

ここで仕事(コンサル業)を辞めることも真剣に考え、かつて、旅人会計士の友に相談したこともある。「辞めなくてもいいと思うけど、1〜2年旅行にでも行ってきたらどうだ?」、「2年位休養したっていい」などとアドバイスをくれた。年の大半を日本以外の国で過ごしている彼に言われると、「まぁ、そうだよなぁ〜」と腹に落ちる。

旅に出るかどうかは分からないが、今年に入ってから契約を絞っていった。この10月末でプロジェクトの多くが終了する。来期は売上が半減すると思う。3分の1位になるかもしれない。まぁそれでもいい。死ぬことはない。

走り続けた15年、一度、潮が干くのを待っておこうかと思う。
抗わず、潮の流れに身を委ねていれば、また何かのタイミングがやってくるだろう。

明日から人生の第2幕、新しいフィクションの始まり。
楽しむことに躊躇せず、本気で生きてやろうと思う。
No Fun, No Life !!